鬼のような指値への勘違い

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買い方の話

安く買えればいいのか?

鬼のような指値(商標登録予定by加藤ひろゆきさん)という言葉を流行らせた加藤さんですが、その本来の意味は『売出価格に対してとても安い値段を提示する』ということです。

但し、加藤ひろゆきさんの買い方を見ていればよくわかりますが、
買付証明書に『本物件を購入できたら末永く大事に使います』という一文を添えたり、安い価格で購入できても、決済の場では円満な雰囲気であることが見て取れます。

加藤さん自身の随筆(https://plaza.rakuten.co.jp/investor101/)ですから、あえて良い具合に書いているという指摘もあるかもしれませんが、私は真実を発信していると思います。
信用できる情報発信をしている人を見極めるためには「失敗を公開しているかどうか?」はとても重要な視点です。
加藤さんはアメリカでの挫折を赤裸々に公開しているので、私は信頼できる情報だと思っています。

そもそも「鬼のような指値」とは加藤ひろゆきさんのような、「まごころ」があることを前提としているのです。

相手の足元を見て買い叩くような取引を志向する投資家

私はこの考えに与(くみ)しません。
仮に売主が割安で物件を売ろうとしていて、その売主が2,000万円(想定利回り15%)で売れないと、老人ホームに入れないという場合はどうでしょう。
自分が投資採算に合うのであれば、私は指値をしません。

仮に自分しかこの売主さんから物件を買える人がいない。としたらどうでしょうか?
1,000万円の指値も確かに通ると思います。
そしたら利回り30%です。
この場合売主さんは老人ホームには入れず、路頭に迷うかもしれません。

このケースで2,000万円で買うか?
1,000万円を通すか?
一つの分かれ目な気がします。

私は自分の投資採算に合うのであれば2,000万円で買います。

不動産には特に念がこもる

私は不動産には「念」がこもると思っています。
嫌悪施設という言葉がありますが、
嫌悪施設や死者が出た物件を忌避する人が多いのは非科学的ではありますが、
事実として多くの人が忌避します。
その結果相場に影響を与えることも確かです。

相手の足元を見て買い叩いた結果、売り主の怨念を惹起した場合、
私はよからぬことが自分に却ってくると思います。
売主に限らず、仲介業者、司法書士の報酬を値切ったり、リフォーム会社、管理会社への支払額を不当に値切る行為も私は問題があると思います。
そのようなことを続けていると別な形でトラブルが起きると思います。

全くもって非科学的ではありますが、
考えてみれば当然の話で、恨みをもった売主が嫌がらせをするかもしれませんし、売った後で引っ越しをしてくれなかったり、一部を壊して行くかもしれません。仲介業者さんであれば、不当に手数料を値切るような投資家には二度と物件を紹介しないかもしれませんし、管理会社であれば客付けを後回しにしたりするかもしれませんね。

不動産は特に顔が見える取引

これが株であれば、全く問題ありません。
売り手のお子さんが心臓病でアメリカの移植手術を受けようとしているかもしれませんが、安く売る必要はありません。
証券市場を通して、そんな感情は遮断されるからです。

一方不動産は相手が見える「相対取引」が中心なので、相手の住所氏名が特定されているので、勘定が直接届くのです。
結局行動は意思に基づいて行われるので、その「意思」の部分にマイナスの影響を与える行為は「厳に慎むべし」です。

かといって不当に高くする必要もない

足元を見る必要もありませんが、
2,000万円15%の物件を3,000万円で勝ったら利回りは10%に落ちます。
自分の投資基準を曲げてまで人助けをすることもありません。

仲介手数料を必要以上に支払うこともありませんし
相場より高い管理費やリフォーム費用を払うこともありません。

まとめ

不動産に限らず「心」のある取引をしたいものです。

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