資本主義が先鋭化している
勤め人の世界は実は社会主義的である。
良い言い方をすれば、
福祉国家の理念が残っている。
現代は勤め人に対して「課税強化」
消費税という貧乏人に苛烈な税制が強化され、
年金などの社会保障が削減されている。
つまり資本主義が先祖返りをしているのだ。
資本主義の始まりはイギリス
インドで生産される綿製品が輸入され、
人件費がインドの6倍であったイギリスの綿織物産業は壊滅的ダメージを受けた。
しかし、イギリス人は
機械化による生産性の革命に成功し、
生産性を数十倍に引き上げることで人件費の高さを克服。
逆にインドを始め世界に綿織物産業を輸出し、莫大な富を築いた。
その資本を使って「大英帝国による帝国主義」へと進む。
資本主義と帝国主義は一心同体である。
しかし、
資本主義が進むと、労働者があたかも奴隷のように扱われ、
その待遇、公害などが問題となり、
マルクスによる共産主義が台頭する。
あまりに説得力があるこの共産主義
(正確にはマルクスの「資本主義の分析」による資本主義の問題点の指摘)
によって、資本主義はその性格を変化せざるを得なくなった。
つまり、労働者の保護である。
福利厚生、労働時間規制、労働組合の合法化など、
本来の資本主義はこれらの労働者保護を嫌う。
しかし、共産主義の台頭により、
やむを得ず変えざるを得なかったのだ。
この流れは日本も無縁ではない。
ソビエト連邦、中華人民共和国、朝鮮人民共和国(北朝鮮)といった共産主義国家に
接する日本でも共産主義化の圧力が強まる。
戦後の勤め人システムには共産主義の思想が組み込まれているのだ。
そう、その本丸は「正社員の解雇規制」である。
(この点は後日とする)
しかし、ソビエトが崩壊し、資本主義VS共産主義の対立は資本主義の勝利に終わった。
ソビエト、中国、北朝鮮といった共産主義国家の防波堤という役割を、
日本に担ってもらう必要がなくなった。
それまでは日本の経済発展を容認してきたアメリカであるが、
これを境に、日本の経済発展をぶっ潰したのである。
大蔵省による「総量規制」によって、
日本の金融を破壊したのである。
バブル崩壊前の日本の金融は不動産担保評価を前提に組み立てられていたことを見抜いたアメリカが仕掛けた日本経済つぶしである。
見事にぶッ潰れて、その後30年以上、日本経済は低迷する。
今(2023年)もなお、その方針は政府によって維持されており、
日本経済は成長しないように仕組まれている。
結局、ソ連が崩壊し、日本経済を崩壊させた結果、
中国が経済的にも軍事的にも台頭してきたのは説明するまでもない。
話がそれたが、
結局、共産主義に勝利した資本主義が
「遠慮する必要がなくなった」ので、人類唯一のルールとして先祖返りを始めたのが
今なのである。
派遣社員という非正規労働を導入する。
法人税を下げる。
株主への配当は20%という低位に抑える。
消費税で強制的な値上げを引き起こす。
などなど、資本主義に親和性がある政策を次々と打っているのだ。
共産主義に勝利した資本主義がルールを以前に戻している。
これが今起きていることの本質なのである。
そのような世界観に立ったうえで勤め人世界に目を転じる。
絶対神「資本主義」の名のもとに世界は統一される
資本主義が先鋭化しているものの、
日本人は急激な変化を嫌う傾向にあり、
勤め人の世界には社会主義的思想が色濃く残っている。
成果を出す勤め人も、
成果を出せない勤め人も、
給料が変わらない。
これは完全に社会主義だ。
正社員は相当厳しい解雇規制がある。
(原則解雇できない)
こんなものは資本主義の総本家であるアメリカにはない。
日本の企業は家族的であり、
職能集団ではない。
だから飲酒など、食事を伴う会合が催されるし、
社員旅行という「家族かよ!」と突っ込みたくなる風習もある(あった)。
家族であれば弱い奴がいても、そいつを切り捨てたりしない。
優秀なヤツもバカなヤツも、みんな平等に成長していこうぜ!
という発想になる。
しかし、
先鋭化する資本主義はそんなワケノワカラナイ非合理は排除する。
実際、資本主義の申し子である、聖丁はさっさと勤め人ムラに見切りをつけて出て行った。
優秀な人ほど、外資系企業に進む。
良いとか悪いとかは別にして、社会主義的な勤め人ムラは崩壊が進んでいるのである。
世界とつながってしまった経済は、好むと好まざるとにかかわらず、
絶対神である「資本主義」の思し召しに合わせて変化しているのだ。
おそらく今後も労働者の処遇改善は進まない。
労働者の処遇を改善したら、
株主の利益が減るのだから当たり前である。
今後起こることを予言しよう。
「労働力の価格は、労働力を回復するために必要な費用まで下げられ続ける」
そしてその手段は税金、社会保障、少子化対策の名のもとに行われ、
資本家に還元させることであろう。
勤め人(労働者)はオワコンなのである。
共産主義に勝利した資本主義が絶対神である限り、これは不変の真理なのである。
とは言えあと10年、勤め人世界では社会主義は続く
しかし、日本の勤め人社会は、あと10年は変わらない。
私の上の世代が完全に定年退職するまでは、
社会主義でいくだろう。
何しろ人口が多い。
社会は多数派の「雰囲気」で決まる。
私の世代(ロスジェネ世代、つまりアフターバブル世代)が50代になってくれば、
徐々に変化して、
〇成果主義
〇働かざる者食うべからず
〇働かないやつは守る必要がない。
純粋な資本主義が強化されていくだろう。
正社員の解雇規制もおそらく撤廃される。
何しろ私も、社会主義よりも資本主義を信奉する「狂信者」だからである。
私のちょっと下の世代はさらにそれが強い。
社会はより先鋭化して、貧富の差が拡大していくだろう。
老人は集団自決しろ。
という言説を吐く世代である。
社会主義的なムラ社会に抑圧された世代(私も含む)が、
今後、国家のかじ取りを担うわけだから、
資本主義はより、先鋭化していく。
しかし、私の世代までは社会主義的な勤め人社会が続くので、
頑張っても給料は頑張らない人と同じ。
そんなムラ社会で生きることになって、そのまま逃げ切ることになると思う。
私の息子世代は先鋭化した資本主義で、弱肉強食で生きる。
弱者の死体が転がる、北斗の拳の世界だ。
またその資本主義が修正されるのは、2世代かかる。
今の30代、40代世代の孫の世代が社会主義に戻すかもしれないし、
そうはならないかもしれない。
私は資本主義的に変化していく社会に適合して、
勤め人とビジネスというハイブリットを選択して、成功した。
より先鋭的な世代は勤め人という世界に見切りをつけて
次の時代である「本来の資本主義(起業家の世界)」に早くから適合を開始している。
まとめ
共産主義の崩壊によって資本主義が先祖返りを始めた。
日本は防共の役割がなくなったので、
敗戦国らしい経済に戻された。
今後も資本主義の先鋭化は続く
しかし勤め人ムラ社会はあと10年以上続く
この変化に対応可能な生き方は
資本主義の先鋭化と
勤め人社会主義が崩壊していく変化に合わせた
「勤め人 + アルファ」であり、
勤め人の生き方をビジネスにシフトする生き方が優位だ。
をはり