コミュニケーションの目的

ビジネスの話

大家業に限らず、ビジネスはコミュニケーションである

コミュニケーション能力
コミュ障

コミュニティを形成して生活をする動物は多いが、
「人間」ほどに世界を「我が物顔(わがものがお)」
で支配している動物はいないでしょう。

何しろ、人間自体が地球の環境を変化させたり、
その変化のうちの悪い部分を
「環境問題」
と、認識して改善しようとするほどですから、
まさに地球に君臨していると言えるでしょう。

さて、
コミュニケーションは『意思疎通』と訳されますが、
社会を形成するにあたり、
意思疎通はまさに必要不可欠な要素であります。

ビジネスシーンでもコミュニケーションは重要であるとされます。
顧客はもちろん、社内外の関係者、取引先など。
意思疎通が極めて重要です。

大家業でも、テナント、仲介業者、管理会社、
リフォーム会社等とのコミュニケーションが重要です。
大家はお金を「払う」立場、
物件を「貸す」立場ですから、
比較的強い立場ではありますが、
パワハラ的、モラハラ的コミュニケーションが許されることはありません。

コミュニケーションは意思疎通が目的ではない。

意思疎通と訳されるコミュニケーションですが、
その目的は意思疎通それ自体ではありません。
インベストメントが投資と訳されても、
目的が投資それ自体ではないことと同じことでしょう。

意思疎通の目的は
「意思の伝達」ではありません。
相手に「理解してもらうこと」でもないと思います。

相手が理解できる言葉で伝えるスキルも大事ですが、
最終的な目標は
「合意」です。
コミュニケーションを行う目的は「合意の形成」です。

営業マンは「契約」という合意を目指していますし、
設備に不満があるテナントは、大家負担で修繕してもらうことが
目的で、大家と合意に至ることを目的に意思疎通を図っています。

男が街でナンパをする理由は性行為への合意を目指していると言えましょう。

あらゆるコミュニケーションの目的は
合意の形成です。

挨拶はコミュニケーションの1つの形態ですが、
これも実際には「合意の形成」が目的です。
社内であいさつをすることで、
お互いが合意形成に至るプロセスを円滑化させるという効果があります。

合意形成とは自分が目指すゴールだけを押し付けるものではない

しかし、合意形成の範囲は極めて広いと言えます。
営業マンなどはどうしても「契約」が目的だと思ってしまいますが、
見込み客に十分な情報を提供した上で、
見込み客が「契約しない」という判断を下すこともあります。

これは合意形成の失敗なのでしょうか?
それは違います。
今度は営業マンが「契約しない」という合意形成に納得しなければいけません。

ここで押し売り営業マンは強引に契約をさせようとしたり、
見込み客を翻意させようとします。
「契約の不成立」という合意に至ったことを尊重しなければいけません。

ここで大事なことは、
相手の意思決定に自分は介入できないし、
してはいけないことを理解することです。

相手が自分の期待する回答をしなかったとしても
それは自分の責任ではありません。
それを上司が責めたとしてもそれは上司の能力不足です。
私達には責任はありません。

鬼のような指値(加藤ひろゆきさん商標登録予定)が通るという合意。
通らないという合意。
いずれも合意の形成ができたということですから、
どちらもコミュニケーションの目的は達したという事です。

相手の意思決定を尊重し、
至った合意を順守することが大切です。

相手を脅して形成した意思決定は「強迫」(刑法的には脅迫)
と言われ、民事上も瑕疵ある意思表示として取り消すことができます。
刑事でも犯罪です。

まとめ

特に子供が相手だと、
親(大人)は雑なコミュニケーションをしてしまいがちです。
合意ではなく、意思の強制をしてしまいがちです。

上司、部下も同じように、命令という形でのコミュニケーションが行われます。
まあ、軍事作戦などは各自が自主的に意思決定したら負けますので、
あくまでも部下は上司の意思決定に「合意」することが前提とされている場合もありますが、いずれにしても「合意」が重要です。

そしてその合意は「No」という結論に至ることもあるということです。

相手の問題と当方の問題。
これを峻別することが大事です。
相手の意思決定に介入は出来ないものです。

つづく