私の勤め人としての将来

Lappet-faced vulture (Torgos tracheliotus), South Africa
勤め人卒業関連

不良債権の世界で生きてきた

2002年に大学を卒業したのだが、
新卒採用の時に
みずほ、SMBCが誕生するなど、バブル崩壊に伴う
金融機関の統合が進んでいた。

山一証券の廃業、長銀、日債銀の破綻の後始末をしていたころである。
2004年の司法試験に落ちてから、
2005年からサービサーの業界に入った。

ヒトヤマいくら。のすさまじい量の不良債権を買い取り、
回収する勤め人をもう20年やっている。

ハッキリ言ってしまうが、
日本の不良債権問題は「官製問題」である。
処理の仕方を大いに間違えた。
ソフトランディングできたものを、
あえてハードランディングさせて、
大量の倒産、長期の不景気をもたらした
「世紀の愚策」であった。

その証拠に2008年のリーマンショックで、
アメリカは政府が金融機関を救済することで不況を速やかに乗り切っている。
バブル崩壊も政府が救済していれば、よかったのである。

長銀を外資に二束三文で買いたたかれるという
実に愚かな政策だった。

まあそれは今回の主要テーマではない。

要するに、政策によって作り出された不況によって、
サービサーなる業界が生まれ、
そこで私は20年飯を食ってきた。
つまり、勤め人をしてきたのだ。

2002年ごろから、
不動産市況も含めて、日本は回復のプロセスを歩みだした。
景気回復である。
2008年まで回復が進み、不良債権処理もひと段落し、
不良債権業界も競争が厳しくなっていた。

そこで来たのがリーマンショックだ。
私の当時の勤め先も吹っ飛んだ。

私は別な会社に転職して再び債権回収をすればいいと思っていた。
しかし、バブル崩壊時と、日本の金融政策は異なった。

亀井静香先生による「金融円滑化法」だ。
正常返済できない企業は潰す!
という方針から「救済する」に転換したのである。

これは国民としては非常にいい政策だったが、
勤め人としては「仕事が増えない」という非常に歓迎できない政策だった。
金融機関が返済できない企業に優しくなったので、
不良債権が金融機関から出てこなくなったのである。

結局、震災(2011年)を経て、2012年の安倍政権樹立、
黒田バズーカによる金融緩和で2023年現在まで経済回復やら、コロナ支援やら、
不良債権で商売している人には苦しい時代になってしまった。

その間に私もサービサー業界を離れて、
借金取りから「中小企業再生」の世界に業界をスライドさせたのである。

バブル崩壊後の破壊的な政策から
日本らしい企業に優しい政策になった。

金融業界は政策によって経済環境が激変する。
当然である、
金融とは貨幣を融通することであり、
貨幣とは政府の債務証書である。
政府が制御するものだ。

私は就職時は知らんことだったが、
政策によって裏にもなるし、表にもなる世界で勤め人をやってきたのである。
政策に左右されやすい勤め人だ。
特に政府からお金を預かるという意味では半分公務員みたいな勤め人だ。

金融庁の方針の変化と勤め人仕事への影響

2023年11月金融庁が銀行への監督方針を変化するという報道があった。
なんと、企業の再生支援を、銀行が積極的にやっているかをチェックするというのだ。

2000年ごろは銀行にヤバイ先へ融資するな!回収しろ!債権を売れ!とやっていたのを
再生の支援をせよ!と言い出したのである。
20年前と言っていることが違うが、それはいい。

私は不良債権の業界から企業再生の業界に少しだけ業界をずらしたのだが、
これは非常にうまくいった。
具体的には言えないが、うまく、いったのである。

さらに2023年11月の監督方針を変えるという。
大いに追い風である。
大いに追い風であるということは、
この業界に異業種から参入してくる。
という点も見過ごしてはいけないが、
とりあえず、異業種参入組がキャッチアップしてくるであろう、
3年程度は安泰だと思う。
さらに業界の性格上(ファンド運営)、さらに2年程度は引っ張れるから、
50歳までは勤め人には困らないということだ

政策に乗らないといけないのは大家も同じ全部同じ

以前聖丁ラジオで聞いたし、Youtubeでも見た気がするが、
敬愛するふんどし王子が言っていた言葉でよかったフレーズがある。

「少子化が関係あるのは大家業界だけじゃねーし」

蓋し、名言だ。
こういうフレーズをポンッと出せるということは、
普段頭を使っているということだ。

まさにである。

前述のとおり、私も金融政策が私の勤め人に大きな影響を受けたのである。
しかし、
金融に限らず、政策が影響を与えるのは、
金融に限らない。
さらに私の勤め人仕事にも限らない。

円高が影響すれば、
あらゆる製造業に原価のUPという影響が出るし、
販売価格に転嫁される。
大家業であっても、家の材料が値上げされることになり、
すべての業界、消費者まで影響を受けるのだ。

その意味で政策はどんな商売をやっていようとウォッチしていなければいけない。
あらゆる政策。特に支援策というのは
「申請しなければ給付されない」
という関係にある。

ふるさと納税ですら、
利用し、申請しなければ恩恵は受けられない。
政策をウォッチしなければいけない勤め人仕事という趣旨で書いたのではあるが、
「それは全員に当てはまる」
と言い直さなければならない。

セルフリフォーム業界であっても、
何か問題が起きたら、
「資格制度」が導入されるであろう。
ホスト業界ですら、
掛け売り規制法の導入が検討されている。

どんな業界にあっても政策には目を光らせねばならない。

勤め人としての業界選択と生き残り

これに関してはヤコバシ先生が言いつくしたし、日々研究を進めている。
https://guard-advance.com/

私はこの点あまり考えずに生きてきたが、
振り返ってみれば、
楽な営業(金融法人営業、借金取り)にいたことがわかる。

利益率が高く、参入障壁が高い産業にホワイトな勤め人職がある。
就職、転職の際にはこの点を忘れてはいけない。

さらに進んで生き残っていくために必要なことは
「わからない」
現在の正社員の解雇規制やら、ホワイト労働化が、
まさに政策によってどう変化するかわからん。

大家業界でも、
今のような異常高値市場が形成されるとはわからなかったし、
スルガ銀行があんな形で沈むとも思っていなかった。

結局、政策や変化に対応して生き残っていくしかない。
その変化への対応力を忘れないことが何より重要だ。
ホワイト業界に入って、ぬくぬくして、変化への対応を忘れるのは、
安定してしまった専業大家、二代目大家に似ている。

安定を目指して専業大家になったのに、
安定を得た結果将来の不幸を背負い込むというのは皮肉な話だ。

結局、死ぬまで変化と向き合い、楽しむしかない。
そんなしょうもない結論になってしまった。

頑張ろう。