コンプライアンス意識が低い私

落とし穴

勤め先の取引先調査が厳格になった。

私の勤め先はファンド運用会社である。
投資家からお金を集めて、特定の分野に投資して利益を分配する会社である。

最近取引先のチェックが厳しくなった。
正直に言うとかなり厳しい。
私の基準で言うと、反社と付き合いがなければいい。
という基準なのだが、逮捕歴や刑事罰についても厳しくチェックするようになった。

苦境に陥った中小企業ならば、多少の経済犯罪(脱税)くらいはしても
それは刑法で言うと緊急避難みたいなもので、
違法性が阻却されると思うのだが…。
そうもいかないらしい。

前科前歴なしというのが今の日本でいう常識なのかもしれない。

私自身グレー。

私も過去2回税務調査を受けている。
結果的に修正申告して追加納付しているので、刑事罰は受けていない。
でも仮に所得税法違反で起訴されたら解雇されるだろう。

一方で大量にカネを稼いでタックスヘイブンで億単位の脱税をしている人もいる。
シンガポールに住んで節税している人もいるだろう。
そんな人は許されるが、社員や稼業のためにちょっと節税した経営者に
ガッツリ課税するのはいかがなものか‥‥。
悪質でなければ刑事罰はやめて欲しい。
金融機関は細かく調べるので事実上金融システムの利用停止処分という、
事業家としては死刑宣告に近い措置が取られてしまう。

日本と言う社会は素晴らしいが、何につけても厳しすぎる傾向がある。

日本で真っ当に商売しているだけでエライ

政府は経済成長を阻害する政策を打ってくる。
税金も容赦ない。
ルール違反に対しては厳しい。

こんな日本で商売をするのは大変だ。
そこでなおかつ利益を出して適切な納税をするというのは、
もう天才としか言いようがないと思う。

欧米はズルも違反もするし、自由という大義名分を掲げて
「マイ・ルール」を押し付けて他国のルールに口を出してくる。
それに対して唯々諾々と受け入れがちな日本である。

消費は伸びない(ようにコントロールされている)し、
人口は減る。
消費者の目の厳しさは世界一だと思う。

私の低い規範意識はいつか大きな失敗に繋がある恐れがある。
税金は思いっきり払う方針に転換したが、
この厳しい環境で生き残るためにも、もう一段厳しいコンプラ意識を持たねばと思った今日この頃だ。

つづく