日銀の国債の含み損の話

資本主義の分析

含み益とか含み損とか

満期まで保有することが前提の国債は時価会計で損を出す必要はない。
そもそも中央銀行が含み損だと何がいかんのだろうか。

これは、景気が回復基調にはないのに、
植田総裁が突然金利を0.15%上げたことで、
従来保有していた日本国債の評価が下がっただけである。

自分で自分の保有資産の価格が下がる政策判断を行ったのだ。
何らかの政治的な動きが背景にあるのは想像に難くない。

資本主義経済においては通貨発行主体だけが、
故意に損をすることができる。
つまり政府である。

政府は自国通貨建国債(≒通貨)がデフォルトするリスクがないので、
「インフレ率が適正な限り」債務を拡大することが可能である。

こんなことはMMTの議論を待つまでもなく、
ケインズが言っている。
「鉱山が廃鉱になって失業者が出て大変だ」
これに対する回答が
「鉱山に紙幣を埋めておけばいいことだ」
という話。
まさに資本主義最大の問題である、
恐慌に対しては、財政出動による、公共事業の拡大で対応し、
雇用を維持するという解決策なのである。

単純に日本が30年(~これから40年目を目指しているが)
不景気だったのは、高橋是清公がやっていたことを意図的に「しなかった」から。
である。

結局、自作自演の茶番である。
ツマらんはなしだ。

奇しくも昨日資産の評価を切り上げた私

一方で、私を含む民間企業は、時価会計が重要だ。
私は通貨発行権がないから、
債務返済が滞る事態もあり得るし、私と家族が生きるために必要な
固定費を賄う必要がある。

収入がなければ時価会計で計算された金額で、
資産を売却しなければならないのである。
いざ、資産を売却する段階になって、
1,000万円で売れると思ってたのに、200万円でしか売れなかった!
と言うのでは困るのだ。

特にキャッシュをあえて薄くして経営している私のような零細事業者は、
流動資産はもちろん、固定資産も時価でキッチリは空くしておく必要がある。

日銀のマネをしてはいけない。

民間と政府は全く異なる行動原理であるということは理解しておいた方が良い。
そもそも、政府に民間企業の経済合理性を求めてはいかんのだ。

経済合理的に考えたら、
子供は作らない方が良い。
なぜならば子供は22年間も原則1円の収入もないままに、ひたすら赤字を垂れ流すのだ。
当然国民は子供を産まなくなる。

子供が産まれなければ長期的には労働力が不足する。
解決策として既に20歳になっている外国人を日本に連れてこよう。
こうなるのだ。
今日本は狂っている。
全ての価値判断の最上位に経営合理性を置いている。
まさに資本主義の下僕だ。(私もそうだ)

民間企業で成功するのは、ケチで強欲な人間である。
その人間が政府に入って同じことをしたら、
税金は取れるだけ取る。

支出は限りなく抑えて、自分の利益が最大化するようにふるまうのだ。

逆だ。

子供は22年間も赤字を掘るのだが、
それを賄うのが政府部門の仕事だ。
子育て世代の税負担を軽くし、補助金を出して支援する必要があるのだ。

警察に経済的成果主義を導入すると、
軽微な違反を検挙して罰金を稼いだり、
刑事罰を与えられないなら逮捕しない、赤字になるなら捜査を行わない
という「合理性」を発揮する。
違うのである。
警察は平和で暇なら暇な方が良いのだ。
赤字になろうが全損しようが、法を犯した者を追跡し、逮捕し、
訴追機関に回さねばならない。

経済合理性で経営してはならない。

国防、医療、教育など、経済合理性で経営してはならない事業は
必ず、あるのだ。
日本は資本主義の毒が回り過ぎである。

話がそれたが、
企業経営者は政治家には向いていない。
公益を考えられる人間がなるべきだ。

私は企業経営にも向いていないが、
政治家にも向いていない。
裏山に住む変人なのだ。

注目すべき政治の動き

国民民主党だ。
間違いなくこの178万円までの所得税非課税の動きは、変化の予兆になる。
仮に満額回答を引き出すとしたら、
景気は回復する。

ゼロ回答になるならば、
このままデフレ継続だ。

中間になると個人的には思っている。
その結果、低成長の時代になるだろうが、
ここに楔(くさび)が撃ち込まれる意義は大きい。
日本経済が成長軌道に乗る兆しになるだろう。

そうなると物件価格は当然、上がる。
家賃も上がる。
金利も上がる。

その方向が不可逆的となれば、
私達投資家も、すぐさま積極的に投資していく必要があるだろう。
その意味で政治の動きにも無関心ではならないと思う。

投資判断に影響するからだ。

をはり