北風がバイキングを作った

勤め人卒業関連

出典:JOJOの奇妙な冒険第一部

JOJOの第一部の好きなセリフ。
ツェペリの言うように、バイキングという北欧の勇者は
極寒の大地に吹きすさぶ北風によって鍛えられたということができる。

聖丁もブラック企業で働いていたことによる強烈な苦痛が
彼の思考を鍛え上げた言っても過言ではないかもしれない。

さて、つまり、
勤め人卒業を目指す上では決してブラック企業にいる(いた)ことも
マイナスばかりではないという話である。

私もブラック企業にいたことがある。

私も25歳の時、半年の間だけブラック企業で働いていたことがある。
朝から深夜まで、テレアポをさせられた上に収益性の低い不動産を売らされるという苦行である。

この手の会社は簡単なことを難しく、高尚にやらせるのが大好きなので、
テレアポ以外の営業は認められず、まさに地獄のような日々だった。
私は見切りが早いので半年でさっさとやめてしまったが、
新卒でこの手の会社に入っていたらと思うと背筋が凍る。

世の中こんなもんだと思い込み、若い数年間を真っ黒に塗り潰されていたかもしれない。
しかしながら、
先述の通り、「北風がバイキングを作る」
ということもある。
まさにこの真逆。
「太陽が怠惰な浮浪者を作る」
この状態に陥る可能性があるのが、そう、
「ゆるふわホワイト勤め人」なのである。

給料は比較的高く、労働環境がホワイトな場所にいたら、
まさに茹でガエルの状態になって、
長年ぼんやりと惰性で生きてしまう可能性もある。

実際、勤め人卒業を果たしたエリート達は、
激務型勤め人を経験しているケースはとても多い。
加藤ひろゆきさん然り、赤井誠さん然り。
吉川英一さんもかなり苦労が多い勤め人人生だったと記憶している。

勤め人卒業を果たすような投資家は「禊(みそぎ)」を済ませていると言ってもいい。
勤め人を卒業したい!
という強烈な意識を持つためには、北風という環境は決してマイナスばかりではないのかもしれない。

結局はその「人」が持つ、「知恵と勇気」という、魂の強さみたいなものが重要なのかもしれない。

かと言ってブラック企業に勤務することはおススメしない。

そう考えてみると、ブラック企業に勤務している勤め人の方が、
勤め人卒業への渇望感が備わり、結果的には勤め人を卒業しやすいのかもしれない。

事実、私もホワイトエリート勤め人(税務署公認)大家であるが、
勤め人を卒業する気配が全くない。
むしろこの地位に安住してしまっている。

しかし、
しかしである。

自分の中に強烈な渇望感を産み出すために、
ブラック企業に入ることは間違いである。
私もきっと今からブラック企業で働けば、
強烈な危機感を覚えて、案外1年で勤め人卒業に至るかもしれない。

だが、それをやることは全くおススメできない。
なぜならば、多分ホワイト勤め人大家に安住するような人間はきっと、
きっとブラック企業から抜け出してまたホワイト企業に転職してそのまままたダラダラ勤め人をするのだと思う。
そう、私のように。

今世に出ている伝説的投資家の皆さんはきっと強靭なる魂の持ち主たちなのだ。
勘違いをして自分も同じだと思ってはいけない。
自分が猫なのにライオンになれるとは思わない方が良い。

身の丈に合った経済的安定を求めるのが得策だ。
私もこうしてフラフラ勤め人大家を気取っている程度の弱い人間だ。
誰もがバイキングの勇者になれるわけじゃない。

無理せず、今の幸せを守ることも立派な人生の生き方だ。
勤め人大家というポジションでソコソコの資産を形成しながら、
ダラダラとするのもいい人生だ。

北風はバイキングを作ることもあるが、
北風によって凍死してしまう一般人もいることも忘れてはいけない。

つづく