勤め先で干されると言う僥倖

資本主義の分析

勤め人として干されるのは悪いことなのか問題

ブラックパワハラ企業で、殴られる、怒鳴られるという苦痛を味わうのは、
非常に辛いことであるが、
干されるというのは、解釈によって、不幸なのか?幸福なのか?
別れると思う。

同期との出世競争などでは、
同期より4年遅れたら、人によっては退職したいほどの焦り、不安に駆られることだろう。
皆着々と出世していき、自分は30歳になってやっとのことで、5年遅れで係長になった。
若ければ若いほど、これまで順調な人生を歩んできた人ほど、焦るだろう。

私は大企業に勤務したことがないから分からないのだが、
きっと大企業に入社していたら、その競争を案外率先してやっていたと思う。

幸いにして(?)低給与の底辺企業みたいなところで勤め人をやっていたから、
その競争には参加しないで終わった。
年収600万円くらい貰いながら、安定した独身生活を送りつつ、
同期と出世競争ゲームをすると言うのは、楽しいだろう。
しかし、私は勤め人競争ではなく、社外での副業、不動産事業に精を出した。

図らずも、ハイスペの中の上くらいの企業の子会社に潜りこみ、給料を上げ、
更にハイスペ崩れが集まる勤め先に転職した。
そして退職者が多数生じるブラックな風味が漂う会社で、鳴かず飛ばずで10年以上勤務し続けた。

給与と大家業の年収、手取りが拮抗した当たりから、
徐々に干され始め、昨年はいよいよ退職に追い込まれるようになった。

ある意味、今、絶賛干されているという状況なのだろうが、
今の状況が実は最高なのではないかと思っている。

責任ある仕事をさせてもらえないという苦痛

裁量も責任もない仕事。
それは苦痛と呼ぶべきなのだろうか?

確かに40歳を過ぎて、20代の小僧がするような仕事を担当させられたとしたら、
ムッとするかもしれない。
しかし、給与が年相応に支払われる中で、
小僧の仕事をするだけでいいのだとしたら、
それはかなり好待遇なのではなかろうか?
小僧の仕事など、1日1時間もあれば終わる。

浮いた時間で有休を使い、銀行を巡り、
大家業に精を出せるではないか?
責任ある仕事、とやらをしていたら、
副業などできない。

かといって、責任ある仕事、とやらをしている40代社員と、
20代の小僧がやっている仕事と同じ仕事をしている40代。
両者の給料の差は、最大でも3百万円程度ではなかろうか?
いやもっと小さいかもしれん。

3百万円などという金額は月6万の貸家4件分程度である。
おまけに給与所得は所得税率等が高いから、
純粋な手取りで考えると、貸家3件程度といい勝負ではないか?

そう考えたら、責任ある仕事をさせてもらえない。
というのは、給与がある程度もらえている限りにおいては、
むしろ有利なのではなかろうか?

干されよう。乾ききるまで。

勤め人1本槍では、干されたら苦しいだろう。
しかし、大家業が軌道に乗ってくると、
勤め人+家賃で、出世コースの社員よりも圧倒的に高い収入となる。

そう考えて見れば、出世競争ゲームを「降りた」勤め人の方が、
資本家になるには早いし、勤め人卒業後も継続可能なビジネスを構築しておいた方が、
長期的には有利だ。生涯稼ぐ金額としても自分のビジネスを持っていた方が多いだろう。

干されると言うのは、「どうでもいい仕事」しか与えられないということだろう。
どうでもいい仕事をして、普通に給料が支払われるなら、
甘んじて受けよ!という話なのだ。
そもそも会社にとって大事か大事ではないか?であり、
我々個人からしてみたら、どちらもどうでもいい。
給料の多寡の差に過ぎない。
会社の命運を左右する一大プロジェクトと、日報を書くだけの仕事。
おぞましいことに、これを担当する社員の給料は、あまり変わらない。
年齢によっては、日報を書くだけの仕事の方が給料が高いことすらあるのだ。
仕事にプライドを持つのを辞めよう。
逆に干されてながらクビにならないポジションを取ろうではないか。

しかし、干された勤め人の放課後に、
酒を飲んでキャバクラに行ったら、ハッキリ言って意味がねえ。
それこそ本当におしまいだ。

もくもくと9時5時で働き、
そのストレスを己のビジネスにぶつけるのである。
むしろ勤め人として「終わっている」からこそ、
「俺のビジネス」が始まる。

ハッキリいって、勤め人の世界で与えられる責任など、空想である。
故意の違法行為でもない限り、「ヒラ社員に限っては」全くおとがめなしである。
管理職は知らん。
なったことがないからな。

所詮幻想である。
社長の代理で右往左往しているだけだろう。
勤め先で得た信用なんて、転職か定年でパーになる程度のものだ。
そんな砂上の楼閣など、10年、20年もかけて積み上げる価値はない。
秒で崩れ去る。

積み上げるのは砂のような勤め人のキャリアではない。
盤石の不動産資産を積み上げよう。

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