パワハラの消滅と労働者としての自覚

働き方

声を荒げて怒る人を見なくなった

私が20代の頃はまだいた。

出向で来ている地方銀行の社員に聞くと、
2025年現在、まだまだ存在しているらしいが、
間もなく滅亡するだろう。
非常にいいことだ。

私の勤め先にも、さすがにいない。
やってしまったら、動画がいければ動画撮影するし、
音声だけでも録音してSNSにアップされる。

ビジネスシーンでは社内・社外を問わず、声を荒げて他者を叱責するというのは
もはやNGを超えて、異常行動である。

まあ、意図的に怒っているふりをしつつ話をするなど、
戦略的に使う場面はあるが、
ある程度のレベルの交渉相手になると、これは通用しない。
もちろん私にも通用しない。

本当に怒っているのだと思ったら、その相手とは取引しないという判断をするし、
交渉材料として怒っているのだと、相手に伝わってしまい、結局どの方向に持っていこうとしているのか?読まれてしまう。

さらに踏み込んで叱責されることもなくなった。
ミスをすることもあるが、勤め先でも叱責はされない。
無意味なアドバイスはたくさん頂戴するが、
叱責は、ない。
ミスをしたところで攻撃されることはないのである。
ミスをした事実を謝罪したらもう終わりだ。

管理者としてはミスが発生した原因を探る。
個人的な問題か?チェック体制の不備なのか?再発を防ぐにはどのような運用にするべきか?議論は速やかにそちらに移行すべきである。

一社員の責任などあろうはずがない。
意図的なミスはミスとは言わない。
内部情報の持ち出し、貸金庫泥棒(三菱UFJ銀行)、強盗放火(野村證券)。
これは故意による犯罪である。
ミスとは真逆にある。

社員にはほとんど責任はないのである。
仮に不注意であったとしても、不注意をそのまま走らせてしまう組織の問題なのである。
叱責は本当に無意味であるばかりでなく
働いて頂いている従業員のやる気も落としてしまう。

特に現場に出ない上司というのは、
そもそもミスをしない。ミスをするような業務をしていないのである。
そんなヤツから叱責されても腹が立つだけだ。
100害あって一利なし。

ある意味社員は取引先、お客様だ

勘違いはなはだしいのだが、
社長と平社員、別にどちらが上とか下ということはない。

同じ、平等な人間である。
単に業務遂行者か、決済権者かという違いに過ぎない。

私の法人などは、社長俺、現場作業するヤツ俺、全部俺。
という体制になっている。
法人の最小単位はここである。
オーナー社長の労働力が無限であると仮定すると、
全てオーナー社長が担うことになる。

それが出来ないから、社員を採用して代行して「頂く」のだ。
代行して頂くのであるから、対価として給料を支払う。

代行して頂くのだが、代行者である社員は社長ではないので、
社長の意図と違う行動もしないとは限らない。
であればこそ、「決裁権限規定」が必要になって、
「稟議ー承認」というプロセスが必要になるのである。

社員が社長も思いつかないようなアイデアを発見して、
莫大な利益を上げる。
こんなものは社員の仕事ではない。
そんなヤツは東大にいけ!じゃない、起業しろ!って話だ。

そもそも社長が全部できないから、
社員に代行してもらっている。
外注先、取引先である。その意味ではお客様以上に大切な存在だろう。

資本家の強欲によって長らく搾取されて続けてきた、
労働者の血と汗と涙の結晶が労働者の権利である。
これは全ての労働者が一致団結して守らねばならん。
それを守りつつ、自分達が本当に素晴らしい存在であることを自覚して、労働したらいい。

自分のために使える時間、即ち命を売っているのである。
もらうべき給料を貰うのは当然であろう。

難易度の高い仕事をする管理職という仕事

社長の代理人である、労働者はありがたい存在だが、
仮に有能な管理職という労働者が居たら、これはもはや奇跡である。

ある意味、社長でもないのに、労働者を手足のように使って組織を経営する管理職が居たら、もはやその管理職は、労働者から経営者まで3階級特進すべき存在だ。
社長でもないのに、社長の意図を理解して、末端労働者を指揮するのだ。

とんでもない能力の高さである。
逆にだな、私もそこまで有能な管理職は見たことがない。
20年の勤め人生活で二人しかいない。

転職市場に出てくる程度の人材ばかりが集まる会社に居たので、仕方ないことである。

本来管理職の仕事はある意味社長より難しい。
最高難易度だ。
そんな最高難易度の仕事ができるなら、自分で起業した方が良い。
割に合わないのである。
(前提として、ほとんどの管理職は管理職としての仕事ができていない)

私もマネジメントについて勉強して、管理職を目指したら、
ソコソコ成果もでるだろう。
しかし、それは割に合わない。

だから私は平社員のままがいいのである。
勤め先に労働組合はないが、外部の組合に参加して戦うことも可能だし、
労働法の保護も手厚い。

プロ労働者の方がお得だ。

をはり