不動産取得税を払ってくれる分譲会社

買い方の話

最近相談を受けた案件ですが、
表面利回り3.5%の区分投資用マンション物件。
新築でなんと『45年ローン』を付けて毎月の手『出』しが5,000円前後という
※手残りではない。

完全に買主をハメに来ている案件でした。
自己資金は200万円前後かかりますが、
サブリース付(ここでも買主から吸い上げる)で、
なんと、不動産取得税は売り主負担。

買手は「おおっ!ラッキー!不動産取得税払ってくれるの!?」
と思った時点で投資のセンスがありません。
そんなものは物件価格に予(あらかじ)め織り込まれているのです。
何のことはない。
不動産取得税もグルっと回って自分が
ローンを借りて払うってだけの話です。

『月々5千円の支払いで5,000万円の生命保険に入った』と思えば。
というお決まりのトークもあったことでしょう。
『10年持ってその後売却すればいい』という話ですが、
売却するにしても10年後に同じ値段で売れるわけがありません。

ちなみに新築のマンションの価格とは、
1億円のマンション1室であれば

30%が土地の取得費
50%が建物代
20%が開発業者の粗利

という具合に分かれています。
開発業者はチラシを作り、モデルルームを作り、
営業マンに給料を払ってマンションを売るのです。

そのコストもしっかりマンションの価格に織り込まれています。
さらに「営利法人である」企業が開発したマンションである以上は
企業の利益もしっかり乗せられているのです。

だから私がいつも言うように「新築物件は買った瞬間2割価値が下がる」
と言っています。
(実際は2割低く売られていないのですが、それは市場の歪みです、数年で補正されるのです)

確かに、アベノミクス以降、都心部のマンションの価格は上がっていますが、
このトレンドが続くかどうかは誰もわかりません。
むしろ下がる事態もあり得ると思います。
当然賃料も下がる一方です。

どう考えても新築は『割に合わない』のです。
元金の減少スピードよりも減価償却のスピードの方が速いので、
残債より物件の価値が下回る状態が長く続きます。
それを補填するために何年も何年も返済しながら老人になっていくわけです。
その間手元にはお金が残らず、逆に給料から払っていく人生です。

これは投資ではありません。
ただ、不動産屋にカモにされているだけです。

そもそも不動産取得税を払ってくれるサービスは、
単に不動産取得税が販売価格に乗せられているだけですよ。
だまされないようにしてくださいね。