明細は出さねぇが、俺の貸借対照表を公開する

総資産226百万、負債99百万、純資産127百万円だ。
これは個人、法人の連結の数字だ。
妻の法人はどうかというと、多分総資産3億、負債ゼロ、純資産3億だろう。
まあ負債がないし、不動産は1つデカいがあるだけで、
相続以降、現金を積み上げているからこんなもんだろう。
初代SAT家は総資産5億まで来た、おめでとう!ありがとう!
まあ、19号、20号を買えるという前提で組み立てているのだが、
買えなければ、資産と負債がそれぞれ15百万円程減るだけの話。
何かを買うという行為は、現金で買った場合は
現預金が減少し、資産が増える。資産の中身が変化するだけだが、
ローンを使うと、貸方も増える。
借入金が増加し、資産が増える。
BSをデカくするためには借入が必要なのだ。
PLで産まれた利益を積み上げて、資産を買うのは、要するに「遅い」のである。
短期間に資産を積み上げるためには、
BSの貸方を使う必要があるのだ。
借入を使わないのであれば、エクイティファイナンスが必要になるが、
日本の中小企業ではなじみがない。
何が言いたいかと言うと、
BSとPLで考える癖をつけようってことだ。
なぜか?
それはカネを貸す銀行員がそうやって考えるからだ。
別に銀行を使わないなら、不要だが、
前述の通り、
デット(負債)ファイナンスを使わないと拡大が遅いんだ。
妻が相続した不動産で考える
妻は2代目である。
初代はその80年の生涯をかけて3億円の純資産を築いたと言えるのだが、
厳密に言うと、亡き義父は2代目である。
どうやら義父の父はかなりの事業家だったらしい。
ヤリ手ってヤツだ。
従軍経験もあり、自費出版で戦記物を書いて出版したこともあるらしい。
「これからは貸しビル業だ」
と、戦後に思い立ち、事業の1つとして貸しビル業を始め、
義父を不動産会社の社長として銀行を辞めさせて
開業させたらしい。
その後、数ある事業は全て跡形もなく消え去った。
不動産業も(14)まで免許を更新したのだが、
妻の代(3代目)で免許返上してしまった。
なるほど。
創業者1世がいかに有能な事業家であっても、2代目、3代目はその規模を拡大することはできず、結局残ったのは、土地と、築50年に迫るビルだけである。
つまり、そういうことなのだ。
英雄である初代がどんなに事業を拡大しても、
2代目、3代目で荒野に帰する可能性が高い。
2代目の相続が「争続」となったらしい。
3代目の相続でも同様の「争続」となっていたら、
「土地建物を売って現金で分けよう」
という馬鹿なことになっていた可能性が高い。
たまたま、妻が一手に引き受けて、現預金をあきらめたので、
たまたま、本当にたまたま、不動産が残ったのだ。
初代が作った事業は跡形もなく消え、
不動産事業だけが、残った。
それでも2代目の義父がエライのは、
借金を完済し、土地建物は残したことである。
立派である。
SAT家初代は東北の貧農の兼業農家の次男坊に産まれ、
苦学して東京に出て法曹を志すも夢破れ、
勤め人として人生を再構築せんとした。
勤め人に限界を感じ、大家業を並走させ、3人の息子を育てながら、
退職までに3億円の不動産を買った。
と、まあ初代SAT伝はこのような記載になるだろう。
70代には妻の事業と合併し、総資産20億、純資産5億の事業とし、
息子の〇〇に事業を承継、▲▲と■■は関連会社を設立して云々。と。
今後はそんな感じだろう。
85歳で会長職を辞したが、その時の資産規模は50億、純資産は20億円となっていた。
まあ、こんな感じの最終結末ではなかろうか。
会長職辞去後は、秀逸な孫、SAT3世が社長職となり、SAT2世が会長職となった。
孫10名のうち5名は㈱SATで働いている。
とまあ、こんなところか。
BSを常に意識して、シンプルに整える
BSを作るうえで大事なことは
シンプルである。
勘定科目は少ないほど良い。
銀行員が質問する必要もないほどに整理されているのが美しい。
私の法人のBSは確かに分かりにくい。
勤め人としての私が底地を保有していたり、
法人代表者(私)との貸借関係もある。
自動車もある(簿価1円)し、建物もほとんど減価償却が終わって簿価1円だ。
勤め人卒業後はこの辺をキッチリ整理する必要がありそうだ。
また、妻の法人だが、これは触りにくい。
普通に考えたら、妻の法人と私の法人を合併して共同経営にしていくべきなのだが、
これはやめておく。
妻の兄と姉の目が黒いうちは、梨下に冠を正さず。である。
私の法人と妻の法人の経営統合は次世代の最初の仕事にする。
妻の兄と姉はどちらも50代。
未婚、子供なしである。
妻の法人は100%妻株主だ。
ここまで配慮しても、
私が知恵を付けて妻が相続交渉をしていると言われたこともあった。
相続を「争続」にしないためには、当事者以外が余計な口を挟まないことだ。
特に兄と姉は末代様になるのだから、
精神的にも不安定だろう。
特に姉は最早、子孫繁栄が絶望である。
精神を逆なでしないように気を付けないといけない。
出来れば息子が承継する前に、
勤め人の厳しさを経験し、さらにその苦しさを打開して欲しい。
その打開のための支援をしつつ、事業承継にもっていきたいところだ。
いきなり起業、経営するような才気があるとしたら、
むしろ私が教えられることはない。
むしろ大家業なんて利益率が低い商売はさせる必要がない。
いずれにしても、勤め人を引いたら
個人ではなるべく資産を持たぬようにして、
最低水準の給与だけもらって、
シンプルに法人にまとめる。
難易度高めの資産は次世代の能力を見極めながら
引き継ぐか、処分するか判断だ。
願わくは、せめて大家業程度は承継できるよう、
成長してほしい。
をはり