勤め人大家という生き方の振り返り
勤め人大家という厳しい生き方を選んだ私たち。
最も難しいことは『バランスを取る』ことに尽きる。
勤め人としてはバリバリ出世する。
大家業もドンドン拡大していく。
素晴らしいアイデアだ。
しかし、これができるのは一部の人間である。
片方だけでも難しいのに、
なぜ私にそれができようか…。
実際勤め人大家業の先輩である、
芦沢晃さん、赤井誠さん、
いずれも優秀な勤め人大家であったが、
勤務先の役員まで昇進したとは聞いていない。
(実際はどうかわらからないが)
お二人とも、定年までは勤めず、
退職という道を選んだのである。
勤め人として出世していく人間は
多くを犠牲にしている。
そうでなくては出世できないのだ。
大家業に突っ込むリソースがあったら、
勤め人としての出世に投資していかねば、出世できない。
私は勤め人としてマネジメント以上の役職に投資するよりも、
ここから先は大家業に投資した方が良いと思っている。
国語と数学で200点満点だとする。
国語で50点、数学で80点が現状だ。
合格点は150点。
さて、ここからやるべきことは何か?
そう、国語を70点にすることである。
数学で80点を100点にして合格しようとするのが、
勤め人1本で人生を切り開く生き方なのだ。
年収2000万円が目標だとしよう。
勤め人1本でもできない数字ではない。
しかし、とてつもなく厳しい競争を勝利しなければなるまい。
しかし、
勤め人で1,000万円、大家業で1,000万円であれば、
難易度はグっと下がる。
個々人の価値観もあるが、
私は勤め人で2,000万円の競争を捨てて、
2つ併せて2,000万円の道を選んだ。
年収1,000万円なんてものは、
1本でやろうとするとキツイが、勤め人大家でならば
比較的簡単だ。
ゼロから出発しても10年かからない。
とはいえ1本だとキツイ
とはいえ、である。
私も勤め人1本だと少々苦しい。
子供3人という現代の日本では許されない贅沢をしているが、
これは大家業という収益があるから、
やっていられる。
大家業の収益がなかったら、
勤め人としての収入を上げてカバーしなければならなかっただろう。
ましてや、大家業1本では、
現状のキャッシュフロー500万円/年では生きていけない。
どちらかを選ぶことなどできない。
どっちも大切である。
母親も大事だし、妻も大事だ。
人生は複数の重荷を背負っていく旅だ。
と、言うわけで今日はどっちも大事な2つの柱の「勤め人側」の話。
勤め人という立場をいかに守るかという話である。
特に40代以降の勤め人は給料が高い。
給料は高いが体力は20代30代に劣る。
管理職になれない40代はお荷物である。
サントリーの新浪社長が45歳定年説なんてものを言って物議をかもしていたが、
これは経営者として正直な意見だと思う。
マネジメントができない45歳なんて不要だ。
というのが経営者の本音なのである。
これに反発するのは愚かな人間がすることだ。
この事実を厳粛に受け止めた上で生き方を見直すのが、
正しい対応策となる。
私も40代となり、身の振り方を正しくして、
勤め先に「コイツいらねーな」と、思われないようにしたいものだ。
マネジメントをやるか?
まず、40代になって、マネジメント(管理職)をやるか?
専門職で生きるかという選択が発生する。
そもそも選択の余地がないという人も多いが、
経営側からしたら、40代の人間でマネジメントができないのであれば、
やむを得ず、一兵卒として高コストの社員を抱えておくしかできない。
どちらかというとマネジメントをやってほしい。
できないなら辞めて欲しいというのが本音だと思う。
であるから、
マネジメントをやって、ソコソコの成果を出すという選択肢も当然あると思う。
ただし、マネジメントは才能、特にリーダーシップを必要とする。
しかたないからやる。という姿勢でできるものではない。
さらにマネジメントとは他人の管理なのであり、
そこから先は10人のマネジメント→20人のマネジメントと、
期待されることになる。
現場で数字を追っていてもノルマは増えていく一方だが、
マネジメントとなれば当然その種のノルマが増えていくのだ。
何とか大家業の規模が拡大するまでマネジメントで粘る。
という作戦もあるだろうが、
私はこの方向を選ばなかった。
経営者から直接圧力がかかるマネジメントはゴメンだ。
現場で数字を出す方が全然楽である。
というわけで、出世をしないという現代人にも私の考えは受け入れられやすいと思う。
逆にマスターヤコバシ氏のように、逆にマネジメントの方向が楽になったらなら、
そっちに行って楽をする道を模索する。
というのもアリだと思う。そこは勤め先の状態等を見ながら判断すればよい。
専門職として中年を生きるには。
簡単である。
20代30代の若手より高いパフォーマンスを出すことである。
彼らより高い給与をもらう以上は彼らより成果を出すことは必須だ。
そのために数字を出すのが難しい職種は選ばないことだ。
過去の積み重ねで自然に営業成績が上がるような業界が望ましい。
過去培った人脈でちょっと動けば取引がとってこられるような状態が良い。
全国的な転勤が多い仕事はこれができない。
仙台支店で10年やってきたが、異動で九州。
これまで培った顧客は新しい営業マンに引き継がれる。
こういうことを勤め先はやってくる。
こんな勤め先では私の作戦は通用しない。
できれば顧客を抱え込めるスタイルが良い。
毎年(毎月)業績がリセットされるような職場で勝ち続けるのは不可能だ。
ちなみに私の業務は債権回収業である。
この商売のいいところは、
人気がないところである。
銀行でも融資部、融資管理部というのは花形ではない。
人に嫌がられる仕事というのは良い。
なぜならば優秀なライバルと競わされることがないからだ。
ドラクエで言うと、どんどん先へ進んで強いモンスターを倒さなければならない状態。
これは苦しい。全滅することもある。
一方、ライバルが少ない業種は「ずっとアリアハンでレベル上げ」をしている状態である。
楽勝である。
楽勝で気力と体力を温存して大家業に振り向けることができる。
小規模会社の経理などもなかなか良い業種だと思う。
これは「積み上げ」の効果が大きい。
過去の経緯を知っているので、業務を抱え込んでしまうことができる。
引き継げ!と言われても引き継がず、のらりくらりとやって、
後任者に情報を開示しなければ良い。
ただ、こういうやり方は私の主義には合わないので、
私は普通に稼ぐ部署に身を置くことが心地よい。
誰も不幸にしたくはない。
普段は居るか居ないかよくわからないヤツになる
1番にはなるな!2番もダメ、真ん中よりちょっと上が良い。
私が尊敬する吉良吉影(JOJOの奇妙な冒険第4部のボス)。
彼の生き方が参考になる。
彼はカメユーグループの社員で目立たない生き方をして、
女性を殺すという欲望をかなえていた。
女性を殺すのではなく、大家として稼ぐという方法を選ぶのだ。
静かに暮らすのである。
最優秀社員などに見えてしまったら大変だ。
変にマネジメントができそうな雰囲気も出してはならない。
マネジメントはできなそうだが、
成果はソコソコ出ている。
まあコイツは今のままでいいか・・・・・
と、思われるのが最善である。
自分がどう見られているかを常に意識して、
他者が自分を見た時の見え方が、
自分を他者に見てほしい状態にあるか?
常に一致させておくよう努力したいものだ。
クラスで一番頭がいい、カワイイ、運動ができる人は
誰もが覚えている。
しかし、4番手以降は記憶に残らないのである。
記憶には残らないが、記録(実績)を経営者からチェックされることはあるので、
低い成績もダメだ。
案外クラス一のバカ、ブサイク、運動音痴は以外にも覚えられている。
資本主義社会の落第は「赤字」である。
給料以下の稼ぎしかないのは落第なのだ。
さらに、人間関係で軋轢を起こすのもマイナス点が重なり、落第に繋がる。
普段はいるかいないかわからない空気のような存在。
でも飲み会をやれば3回に1回は顔を出して1次会で消える。
付き合いも悪くはない。数字はソコソコやっている。
不正もない。
このような立場を形成するのが長く残る秘訣だと思う。
私もこれを実行する。
まずマネジメントには不適格という印象を得る。
これに関しては私は努力が不要だった。
周囲に他にやりたがっている人がいたので、
私が手さえ上げなければ問題なかった。
専門職として、ここだ!と思う場面では発言をする。
経営的な判断に関してはアホのように黙る。
これを数度繰り返せば、
コイツは〇〇の分野では専門性があるが、マネジメントはできないヤツ。
という評価につながる。
あとはソコソコの数字を出しておけば邪魔にされることはない。
挨拶をしっかりして、
9時5時で出社して適当な数字を置いておけば大丈夫だ。
私は40代をうまく乗り切れるだろうか。
この作戦の成否は5年後判明するだろう。
つづく