2回目を読んだ感想
村上世彰さんの著書。
今回はAudibleで聴いた。
前回とはまた違った味が出たので、再度書く。
私も事業家としての才覚はないし、
勤め人として他人から指示されるのも好きではない。
いずれ投資家という生き方をしたいと思っているので、
今の村上さんの生き方は羨ましい。
村上さんは40歳を前にして官僚をやめて、
ファンドを立ち上げたようだが、
結局ファンドも他人からお金を預かって運用するもの。
投資家(出資者)の意向には逆らうことができないし、
結局は誰かの意思に従わざるを得ない。
理想はやはり自己資金で投資する投資家が一番気が楽だ。
村上さんの逮捕、実刑
本人の弁明なので100%信用するわけではないが、
私は堀江貴文氏と村上さんの逮捕、起訴、有罪を本当に恐ろしいことだと思う。
日本経済を牛耳っている長老達に逆らったから、
逮捕されたのだと思う。
堀江さんと村上さんが華々しくやっていた当時、
私は証券取引法(金商法)を勉強する大学生だったので、
インサイダー取引やら風説の流布、証券取引法が守るべきものは何か?
ということを人並みに勉強した。
彼らの罪についてもゼミで題材になったのを覚えている。
就職してから、勤務先の社長もこの事件については、
「アイツらはやり過ぎだ」
と言っていた。
さくら銀行の役員をしていたほどの人なので、
恐らく財界人の多数意見なのだと思う。
若かりし頃は堀江さんや村上さんのやり方に非常に共感を覚えたものだ。
今もあのやり方は間違っていたとは思わない。
しかし、日本という国、経済に対してケンカを売ったという訳で、
巨大な権力によって排除されてしまったのだと思う。
そもそもモノ言う株主で、上場企業に投資しているわけで、
投資先の役員と話もするだろうから、
インサイダー取引のリスクは常に伴っている。
国家権力に都合が悪い相手は消されるのだ。
植草一秀氏、三橋貴明氏などは、実際にマスコミと連携した警察によって社会的に
何度も抹殺されそうになっている。
私も叩けばホコリの出る人生を送ってきたので、
ちょっと目立つことでもしようものなら、豚箱(ブタバコ)行きは間違いない。
権力者にケンカを売るのはホドホドにした方がよさそうだ。
村上さんの投資スタイルもバリュー投資
村上さんの投資手法はバリュー投資である。
上がりはじめたら買う、下がりはじめたら売る。
というお父様からの教えも秀逸である。
お父様も生涯投資家だったそうで、
投資家のDNAが脈々と受け継がれているのだろう。
割安株を発見し、本来の価値よりも割安で売られている銘柄を買う。
ただ待つだけではなくて、企業にアプローチして、
価格の歪みを是正させて売却益を得るという投資手法だ。
銘柄の選定に関しては、私も100%共感するやり方である。
不動産も好きらしい。
この本は何度も読み返したい。
とてもいい本である。
若き天才が、日本経済の老獪な権力者にぶっ潰されるのは、教訓に満ちている。
どう教訓にするかは人それぞれだと思う。
〇 やはり長い物には巻かれるべし。
という教訓を得る人もいるだろう。
〇 村上さんは悪くない、よくやった。戦うべき時は戦う!
という教訓を得る人もいるかもしれない。
私の場合には恐らく権力者が目障りだと思うことすらないまま、
人生を終えるだろうが、気を付けたいと思う。
聖丁の主張も正論であるが、
聖丁の正しさがあまりに広く浸透してしまうと、
国家として聖丁が目障りになるかもしれない。
ちょっと心配になった。
投資家という生き方、権力と戦うということ、
様々な教訓を得られる名著だ。
おススメする。