嫁の法人の決算書

相続・教育・次世代

俺の法人、嫁の法人、共に5月決算

妻の法人の決算も終わった。

俺の法人も5月、妻の法人も5月決算である。
たまたまだ。

なぜ別々に法人を持っているかと言うと、
別に私と妻の仲が悪いとか、
妻も独立心が高いという話ではない。

妻が実家の家業を相続したからである。
妻は3人兄弟の末っ子だが、
上の二人(兄、姉)は、独身である。
未婚の独身だ。

その兄、姉とも不動産には興味がないらしい。
現金と有価証券は上二人の兄弟に相続。
不動産は妻が相続した。

妻の実家は14回も免許を更新した老舗の不動産会社だったが、
妻は不動産「業」に興味がなく、免許を返上して、不動産賃貸業に転換。

通算52期、相続してから3期目の決算を迎えたのである。

妻が相続するまでは、
妻の実家の法人は、法人では仲介業と不動産管理だけをやっており、
不動産の所有は個人名義だった。

だから、法人は毎期赤字か、ギリギリ黒字。
納税が発生しないように役員報酬を取って調整されていた。
そのため、法人は資産も負債もない。
繰越欠損金がチョボチョボという、ペーパーカンパニーのような状態だった。

妻は私の3号被保険者であり、
社会保険料の負担を回避するため、妻に所得が発生しては困るので、
建物は法人へ譲渡。
義母の持ち分も法人へ譲渡した。
さらに株式は100%妻。
土地は取得税がデカいので、一旦個人で相続したままにしてある。
(いずれ法人で買う)

義母に対しては建物の売却代金を未払いとしておいて、
老後の生活費は未払金の支払いと言う形で、
支払っていく。

非常にキレイな形になったと思う。

俺の法人・妻の法人の財務概況

俺の法人は8期目。

売上1,100万円
当期純利益100万円程度

総資産8,000万円
総負債5,700万円
純資産2,300万円

妻の法人は52期目(実質3期目)

売上2,400万円
当期純利益700万円

総資産4,000万円
総負債2,500万円(金融債務ゼロ)
純資産1,500万円

まあこんなもんだ。
法人二つ合わせても私の勤め人の所得にも及ばない。
吹けば飛ぶような弱小2法人である。

土地の名義が集約されていなかったり、
個人名義で持っている不動産もあるから、
SAT一族全体としての総資産・総負債として把握すると
総資産4億、総金融債務1億、純資産3億円と言ったところだろう。
売上は3,400万円、当期純利益(税引き後)800万円と言った程度だ。

贅沢さえしなければ、事業だけで生きていけるというのは、
このような財務状況の前提から出た発言である。

さすがに義母や、義兄、義姉の目の黒いうちは、
法人の合併は行わない。
十分に耄碌(もうろく)して口出しが止んだところで、
合併して私が統括することになるだろう。

まあ、統括するもなにもその時は私も後期高齢者だ。
息子世代にそのままパスすることになろう。

言いたいのは財産自慢ではない

この程度の資産を自慢をしたいのではない。

私が言いたいのは、
「財務諸表には経営者らしさ」が出る。
ということが言いたいのである。

義父世代の財務は義父の性格(その前の世代)が出ている。
多法人を作りたがる経営者もいる。
多数事業に手を広げるタイプ
1つの事業を深堀していくタイプ
本当に様々だ。

義父世代の財務諸表と、妻の代からの財務諸表は世界が変わったように変わっている。

こう言っては何だが、
妻の法人をこの形にしたのは、私の助言である。
私が助言した結果、
妻の法人は、俺の法人とそっくりなBS、PLとなってしまった。

義父の代では、資産を個人に集約して、
個人の資産管理の節税として、法人を使い、
赤字でも黒字でもない状態であった。

義父は、あくまでもカネのホルダーは「個人」として、
法人は稼いでも個人に吐き出して常に空っぽのような経営をしてきた。
結果、50期を数えても何もない、法人が存在していたのである。
いくら義兄と義姉に渡ったかは知らんけど、
結局相続で分散してしまった。
(それは建物の修繕積立金の性格があった現預金な気もするのだがしかし)

私は将来10代、20代と続くことを想定しており
そうなると個人名義で不動産を持つことの複雑さを何代も続けるのは
得策ではないと思っているから、
アセットは法人に集約したのである。

個人は勤め人なり、
法人で稼いで最低限の給与だけを法人から取る。
そのような運営がいいと思っている。

次世代に承継していく際も、
最も有能な一族内の人物が、全部集約する形態を取らせる。

無能で横暴な親族が産まれるリスクもあるし、
このような人間を排除するためにも、
議決権はなるべく分散しないようにして管理させたい。

話がそれてきたが、

妻の法人の決算を見ていると、
なんというか、俺の法人とよく似てしまっていて、
既視感というか、哲学が同じだなと思ってしまう。
妻は特に経営哲学はなく、カネに関しては私に一定の信用を置いているから、
ほぼ丸々採用してもらった。

まあ、私の3号被保険者で、生活費を年間400万円を「真水」で貰っているのだから、
当然と言えば当然だ。

妻の法人は役員報酬を1円も払うことなく、
純資産を積み上げていく計画だ。
純資産を積み上げていくと言えば聞こえがいいのだが、実態は違う。
築50年になるSRCのボロビル2棟。
建て替え資金の積み立て不足でヒーヒー言っているというのが正しい。
これから建て替えだというのに、現預金が1,500万円しかないのである。

ある意味解体費用も出せないのだから、
含み損を多額に抱えた法人ともいえる。

勤め人卒業可能状態も怪しいもんじゃねぇか?

©諌山創先生

そう考えてみると、
「妻と合算したら勤め人卒業可能状態」ってのも怪しいもんだと思えてきた。
築古ビルと築古戸建、建て替え資金もろくにない状態で
「返済後、キャッシュフロー1,200万円 ドヤぁ!!!」

と言っている俺様であるが、
内実は積立金不足の債務超過じゃねぇか!?
って話だ。

そう考えると勤め人卒業を考える前に
やることがある気がする。

⓵ 妻の法人のビル2棟、建て替え資金確保
② 建て替え中に家賃がストップする期間にカウンターを当てる収益物件の確保
➂ 俺の法人だけでも一族を支えられるように、さらなる収益の確保
⓸ 次の建設チャンスに備えて、建築会社の選定、銀行取引の開拓

やることが山積みだ。
うーむ。
俺と嫁、一世代+育児だけを考えれば、
もう何も必要ないが、
10世代先まで考えると、何もかもが足りない。

勤め人卒業なんてドヤってる場合じゃないな。

まだまだ生きねば。

長期の目線を持つと、やることがドンドン見えてくる。

生きがいをありがとう!

をはり