借金も老化も怖くない。怖いのは…

借入の話

借り入れは怖いものではない

借金自体は怖いものでも、安全なものでもない。
完全にニュートラルである。

ちなみに通貨発行権を持つ政府の負債は単にマネーの供給である。
自国通貨建の債務は、通貨発行権を持つ政府にとっては100%安全である。
自国の供給能力の制約を受けるため、発行しすぎるとインフレになる。
まあ、それはどうでもよい。

借金はプラスだという人もいる。
借金はマイナスだという人もいる。

これは
刃物が危ない。自動車は危ない。
というのと似ている。
包丁も自動車も便利なものだが、殺傷能力があり、事故のリスクがある。
しかし、
調理を容易にする道具であり、移動を効率化する効能もあるのだ。

まさに借金とはそういうものだ。

では、借金が怖いものになるのか?
怖くないものになるのか?
これを分ける基準はどこか?
という話になる。

基準は「返済以上に稼げるのか?」
この1点に尽きる。
借りた以上に稼げるのであれば借金はいくらあってもよい。
仮にだ。

1兆円、金利1%で借りたとする。
金利は年間100億円だ。
到底払える額ではない。
しかし、
100億円のビルを100棟買い、このビルの収益が毎年500億円
(年5%の利回り)
あるのだとしたら話は全く違う。

500億円の収益から100億円の利息を払って、
手残りは400億円だ。
この400億円を25年かけて支払うと、あら不思議。

1兆円相当のビルが無借金で所有できることになる。

これが借金の効能だ。
借金が怖い理由は、借金に相当する(上回る)資産がないことである。
消費性の支払いに充てる借金がアウトなのは、この理由による。

老化は怖くない

ルッキズム全盛時代である。
特に女性は外見を磨くのに余念がない。
男性もしかりだ。

しかしだ。

外見を磨く理由は何か?
一つである。
「異性を手に入れるため」
これに尽きる。
資本主義社会だとさらに進んで、
外見を磨き、その外見に憧れる同性からの注目を集め、
その注目に「商品(化粧品、健康食品、整形)」を当てるという
目的もあり得る。

しかしながら、その欲求の根源は
「異性の獲得」である。
なぜ?異性を獲得しようとするのか?
当然「生殖」である。
なぜ「生殖」しようとするのか?
それは遺伝子の要求である。

あらゆる生物は遺伝子が生存、増殖するための乗り物に過ぎない。
猿もアリもアメーバも、
人間も同じだ。

老化が怖いのは生殖機会が減るからである。
間違いない。

しかしだな。

老化は必ず起こる。
死ぬことも不可避だ。
不可避なことを回避しようとする。
これを無駄という。

回避しなければよいのだ。
立ち向かえばいい。
立ち向かって勝利するのだ。

老化する前にちゃんと、異性を獲得して、子孫を残す。
遺伝子のコピーはちゃんと次世代につながる。
数が多ければ多いほど満足するのが正常な人間である。
現代は比較的子供が死なないので、3人もいれば案外満足感が高いだろう。
私も3人いるので満足感はかなり高い。

老化が恐ろしいのではなく、
相応に老化しているにも関わらず、遺伝子の複製を行っていないことが恐ろしいのだ。
遺伝子が次世代につながって若返っていれば、
次世代を支援することで生の満足感は得られる。
つまり幸福なのである。

もう1つ資本主義社会ならではの恐怖も忘れてはいけない。
老化によって、労働力の価値が低下していくこと。
これである。
労働力の価値が徐々に低下して、70歳ではほぼゼロである。
それに対して政府は年金システムで補強を図ったが、
カネがないと言っている(実際はあるし、いくらでも供給できるのだが)。

こうなると、社会的な動物である人間は恐怖を感じる。
「共同体は俺を守ってくれない」
という恐怖である。

現代では老化によって失われる
「生殖能力」のみならず、「労働力能力」とも戦わねばならない。

そしてその解決策は「資産形成」である。
資本家成りということだ。
労働力に依存することなく、
老化しない「資本」を持つ、資本家になることで、
この恐怖は克服可能である。

要は「貸家」を持つことだ。

爺になることも婆になることも怖くない

老化は怖くない。

歳をとることは怖くないのだ。
恐ろしいのは老化した時に
「子孫がいない」「資産がない」
これぞまさに恐怖だ

なぜ恐ろしいかというと
「取り返しがつかない」
のである

「人生は何度でもやり直すことができる」

嘘であり、キレイごとだ。
人生には取り返しのつかないことがある。