コーエーテクモがAT1債を買って41億円の損失計上だと!????

落とし穴

私は信長の野望が大好きだ

私は戦国時代が大好きなので、信長の野望も大好きだ。
信長の野望覇道にも課金してしまうほど大好きだ。
さすがに課金しすぎてしまうので、ササっとアプリを削除してしまったのだが、
その、歴史シミュレーションゲームの圧倒的「王」である、
コーエーテクモがAT1債で「ヤラれた」と聞いた。

AT1債というのは「Additional Tier1」という英語名の略で、
初見で見たら、英語ネイティブでも意味が分からない。

詳しく調べてみると劣後債の一種だそうだ。
劣後債と言われてもピンとこない人が多数であろうが、
これは返済の優先順位が低い債権で、
発行主体が倒産した時には返済されないものだと思っておけばよい。

こんなハイリスクな商品をなぜ、ゲームメーカーが買う必要があるんだ?
と、思う。
心から思う。

41億円をドブに捨てるならば、信長の野望の開発費に投資してほしい。
本業そっちのけで経営者が、投資にうつつを抜かしている時点で、
私は大いに悲しい。

今日は本業と投資との関係について、
この事例をもとに大いに語りたいと思う。

本業が一番儲かる

いかなるビジネスにおいても言えることだが、
どの企業にもメインビジネスがある。

仮に「労働力販売業」という勤め人であっても。である。
22歳で社会に出た勤め人で、
なんとか正社員として就職できたとする。
その22歳の勤め人がやるべきことは、
「就職した先の仕事を覚えて、一人で担当した業務を回せるようになること」
である。
私は勤め人が不動産を買うという道を推奨しているが、
勤め人が勤まらない状態で副業をすることは禁止している。

何はともあれ、勤め人としての仕事をキッチリこなせることが優先事項である。

仮に高卒、Fランク大学卒で派遣労働という不安定な立場にある勤め人であれば、
まず目指すべきは、正社員である。
自分の本業を「適正な価格で売れる」そんな勤め先を確保することこそ、
最優先で取り組むべき事項である。

無論、ブラック企業ではいけない。
ホワイトな企業で正社員として働くこと。
これである。
(聖丁師匠やマスターヤコバシの思想を参考にされたし)

まずは自分の本業をキッチリこなすことが優先だ。

残念だが、「勤め人としてのキャリアアップ」には天井がある。
限界効用逓減法則のように、
勤め人という商売はいくら努力してもリターンが増えない限界が案外早く来る。

例を示す。
勤め人が1年~3年働くと、仕事を覚えて独力で「回せる」ようになる。
すると、周囲の新人よりも若干給与が高くなる(数%)。
ここまでは良い。
辞めずに会社にいればここまでは行ける。

さらに、平均的な同僚よりも高いノルマが与えられる。
そのノルマは企業によって異なるが、
青天井な会社もある。
高めのノルマを安定的に(楽に)達成できるのがホワイト企業である。
ノルマを安定的に達成し続けると、
会社、上司の監視が弱くなる。
彼らの監視はより「できない社員」に向くので、
ここまで来たら、副業のタイミングだ。

このタイミングでさらに上に行こうとすると「不幸」が始まる。
次は「人の管理・チームとしての成果を出す」
この段階に移行する。
個人プレイよりもチームの運営が得意という人は
この段階が心地よいかもしれないが、
私はオススメしない。
なぜならば、この段階まで進んでしまうと、
成果を出せばもっと上に上がらざるを得ないし、
成果を出せなければ下に落とされるのではなく、ただただプレッシャーが加えられるという
行き止まりになってしまうからである。

プレイヤーから管理職になっても年収はせいぜい3割増しがいいところだ。
プロ野球選手であれば、
一軍の年俸の平均が5,000万円とすれば、
クリーンアップの年俸は1億円くらいにはなるだろう。
この差はデカイ。

しかし、勤め人はそうはならんのである。

(プレイヤー)年収700万円と(管理職)900万円程度の差なのだ。

このステージに進むのは大体30代であろう。
遅い企業だと40代だ。
このステージでのポイントは、
「プレイヤー」+「副業」で年収1,000万円を超えることである。
そして速やかに「副業」の稼ぎで勤め人の給与を上回ること。

これで勤め人卒業するもよし、勤め人プラスアルファを継続するもよしである。

プラスアルファは「商売」!「投資」ではアカン!

少々話がそれたが、もうそのまま行く。

特に「早く」勤め人を卒業したい人に言えることだが、
「投資」で卒業するのは極めて難しいということである。

投資と商売の違いは難しいが、
モノ、サービスを売るのが商売で、それ以外は投資であると定義してよいだろう。
投資と投棄の違いもまた曖昧であるが、
「投資元本が棄損されなければ投資、棄損されるような投資は投棄」
とでも言っておけばよい。
まあ、そんな言い方をすると投資は国債買うしかないことになるが、
投資家の「熟練度」によって、安全か?危険か?が異なる。

投資はどうしても時間がかかる。
年5%で複利運用できたら、大したものであるが、
それでも「遅い」
毎年200万円ずつ積み立て、5%で運用し続けて、
19年目でやっと1億円を超えてくる程度だ。

特に20代前半で年200万円の投資余力を給与から産み出すのは無理だし、
結婚、教育、自宅、車などが必要になる30代、40代でも厳しい。

年5%じゃダメなんだ!

利回りが悪いんじゃない!投資元本が少なすぎるのだ。
5%でヨシとするには投資元本が2億は要る。
生涯で頂く給与が2億なのに、そんなことができるわけないのだ。
(そのように資本主義が設計されている)

むしろ、若いうちはバイトでもした方がマシだ。
土日に自給1,000円で8時間働けば、週16,000円。
4週で64,000円にもなる。12か月で約70万円だ。

短期的にはこれで種銭を貯めて一勝負するのも手だ。

商売は人それぞれの特性があるので、
ネット芸人、Youtuber、大家、アフィリエイト、著述、転売、輸出など、
得意分野で稼ぐことだ。

収益性は%で図るのではなく、
「損益計算書」で管理するものであるべし。
損益計算書が読めないというのでは話にならない。

資本主義の必修科目なので、最低限の会計の知識は備えて欲しい。

損益計算書の世界で稼いで、
浮いたカネを投資に回すのが王道だ。

結論

だいぶ話はそれたが、
コーエーテクモは「商売」をする会社だ。

商売でまだまだ成長する余地があるのに、
「投資」にうつつを抜かすのは時期尚早である。
おまけに投資もヘタクソだ。

ろくに仕事も覚えておらず、副業も鳴かず飛ばずの勤め人が、
利回り5%程度の投資をやって投資家を気取っているようなものだ。

社長はもっともっと本業に集中してほしい。

私は信長の野望が好きすぎるので、
ついつい多くを語ってしまった。

バカヤロー!

をはり