金利上昇に備える

借入の話

上空から見ると 「円」 形の建物の日本銀行ですが、
この銀行はJASDAQに上場している「株式会社」です。
なぜ日本銀行が株式会社であるのか?
や、なぜ上場しているかなど、諸説はありますが、
この日本銀行が日本円をコントロールしていることは
間違いありません。

私たちが毎日使っている1万円札、5千円札、千円札も、
日本政府が発行しているものではありません。

「日本銀行券」その名の通り、日本銀行の発行する紙幣です。
ちなみにコインは独立行政法人造幣局【別ウィンドウが開きます】
が作っているものです。
昔は大蔵省造幣局でしたが、今はとても政府系機関とは思えない
ウェブサイトですね。

さて、日本銀行とは、このように
政府とは一定の距離を置いた独立の機関ではありますが、
一定の影響も受けています。
日銀の理事は政府の指名が必要ですし、
株式もほとんどが日本政府の保有ですからね。

紙幣を発行するほかにも、金利をコントロールする力を持っています。
昔は公定歩合と言う利率で決めていましたが、
今は長期金利は日本国債の利回りが基準になります。
日本国債以上に返済が確実な融資はありませんので、
それを最優先金利レートとして決められるわけです。

私の金利が3%の時、国債利回りが5%という事態は絶対にありえないわけです。
だったら銀行は私に融資せずに、国債を買うはずだからです。
国債と比べてどんだけ危ないか?を基準に金利が決まると言ってもいいでしょう。
国債よりトヨタの借入金利は高いですし、トヨタより私の借入金利は高いと。
まあ、当然のようなルールで決まるわけです。

国債をいくらで、どの程度日銀が買取するか?
という事で金利をコントロールしている。
通貨を発行し、金利をコントロールしているという意味で、
極めて重要な役回りを果たしているのが日本銀行です。

不動産投資においては、資金調達コストである、
「金利」の動向は抑えておくべき指標の1つと言えます。

しかしながら、アベノミクス(2012年)以降、
いや、むしろその前から、日本の政策金利はゼロ付近に誘導されいます。
結果として、調達金利も世界に例をみないほど低い水準に抑えられているのが実情です。
そんな状況下にありますから、現在の日本人は「金利は低いもの」という
ことが常識にさえなっています。

だから金利上昇も見越して借りよう!

なーーーーーーんて当たり前なことを言うかと思いましたか?
私は再建築不可、ボロボロ物件に恐れることなく
三井住友トラストローンアンドファイナンスとともに立ち向かう男ですよ。
そんな当たり前なアドバイスをするくらいならそんな記事書きません。

そう、金利上昇に備えるというナンセンスを切り捨てようとしているのです。

そもそも金利が上昇するというのは2種類あると思います。

① 資金需要が高まるケース
お金を借りたくてしょうがない人が多くなれば、
当然金利は上昇します。
トヨタ自動車が100兆円ほど、3%で借りたいとなれば、
日本中の銀行が貸そうとするでしょう。
世の中の人々がお金を借りたい!と思えば金利は上がります。

不動産投資で借金をしてやろう!
という我々からすれば、
今も資金需要ってあるんじゃないの?
って感じですが、日本全体から見れば、借りたい人なんて少数派なのです。
ほとんどの企業、個人はお金を借りるより貸して利益を得たいと思っているし、
使うより貯め込みたいと思っています。

そして(個人的には愚かなことだと思いますが)
日本政府も借金の額を減らそう(お金を返済しよう)としており、
増税を試みています。
公共事業も減らそうとしています。

そんな「誰もが借りようとしない」状況で
金利が上がるでしょうか?

答えは「上がりません」はい終わりです。
よって「死ぬほど借りましょう!そして不動産を買いましょう」
これが正しい分析、判断です。
金利上昇遅るるに足らず、だって誰もが借りようとしていないのだから。
と、言うわけです。

不動産投資の世界は超々巨大な日本経済のほんの一部に過ぎないことを忘れてはいけません。

さて2つ目の金利上昇のケース。
金利が上がるということは、元本が値下がりするという事ですね。
元本ってなんですか?

そう、お金そのものです。
お金そのものの価値が減少するので、その減少分を補うために、
金利が跳ね上がる。

これなんですか?

そうインフレーションです。

2つ目の金利上昇の恐れは② インフレーションです。

これはあり得るでしょうか?
可能性はゼロではありませんね。

外国で人口が爆発し、
食料が日本へ入ってこない!
そうなれば食料の値段は上昇するでしょうし、
石油が高くなる!とか
色々値上げが進んでいることは今でも感じられる現象ではないでしょうか?

そうだ、インフレだ!
金利上昇に備えて。。。。

という事は私は言いません。

何言ってるんですか?
インフレですよ!インフレ!
私たちが借金をして買っているのは何ですか?
そう、不動産です。
借金だけ増えているなら金利上昇は怖いですが、
不動産を買っているんです。

インフレが来たら不動産はどうなりますか?
そう、値上がりです。
実物資産である不動産も当然値上がりです。

売ったら簡単に返済できますし、
それ以上にリターンがあるでしょう。
不動産だけ下がって金利が上がるなんて世界はそもそも存在しません。

と、言うわけで、
『金利上昇に備える』

という、題名を付けておきながら、
金利上昇だろうがなんだろうが、借金をせい!
不動産を買え!という結論です。

恐れるな!進め!です。