子供に無限の自由を与えるとどうなるのか

相続・教育・次世代

有名お私立中学受験に合格した息子にスマホを与えて自由にさせてみたら?

まあ、こうなってしまった。
まさに廃人だ。

人間を完全な自由状態にしたら堕落する。
中には幼き頃から自らを律し、高邁なる理想のために前進できる、
そんな偉人候補もいるだろうが、
恐らく99.99%の人間は堕落する。

アルコール中毒症状の大人でも、
自宅の冷蔵庫にビールを入れておいたら我慢できない。

私だって、毎晩酒に飲まれていた時期もある。
息子は千葉県内に4つある、高偏差値中学のうち2つに合格した。
(渋谷学園幕張、市川学園、東邦大付属、昭和学院秀英らしい)
親から見て、頑張ったとは全く思えないが、
それでも「人生は結果が全てだ。そして結果を出す人間はすべからく努力する」
と、私は普段息子に語っているので、結果を出した以上は報酬を与えなければならない。

その報酬がスマホの自由な使用であったわけだが。
私は気づくべきだった。
息子は中学受験のために実はあまり努力していない。
努力せずにソコソコの成果を出したのだ。
(息子自慢ではない。そういう子供は世の中に掃いて捨てる程あるだろう。)

私は残念ながら結構努力しないと、成果が出せない人間なので
その辺を大いに勘違いしてしまった。

それなりの努力もなくして成果を得た人間に、
報酬を与えてしまったのだ。
これは親としての失策だ。
失策をした以上は対策を取らねばならない。

親としての権力をフル行使するしかない。

「不登校」してスマホを取り戻そうとする息子。
この心理の背景には
「親は自分が学校に行かなければさぞ困るであろう」
という読みがある。
ガキとは言え、いや、ガキであればこそ、痛いところを突いてくる。
実際息子がそのように思うということは、
私と妻が「そう、思わせてしまった」ことに相違あるまい。

実際、息子が有名お私立中学に合格した時は大いに喜んだし、
誇らしくもあった。
その結果息子は小学生の間我慢していたNintendoSwitchを手に入れて、
スマートフォンを手に入れたのだ。

当初はスマホも時間を決めて、生活に支障がないように。
と、与えたのだが、私(男親)はあまり家にいない。
家にいるのは暴力でなんとかなる母親しかいない。
当然、暴力を行使して、自分の欲望を満たすモノを自由に使う権利を制限しようとする、
目の前の弱い奴(母親)を屈服させようとするのだ。

相手(=息子)が暴力を行使して自分より弱い母親を支配して、
スマホを使用する。
最近の学校も遅刻しても怒らないし、宿題をしなくても罰を与えないのだから、
野生動物に毛の生えた程度(そもそも動物は大体毛があるが)の
息子は増長する。親の財布から金も奪って課金をするわ、
成績は最下位をキープしつつ、補習もサボるという勝手をやり始める。

私は父親として、この暴君と対峙するしかない状態に置かれてしまった。
しかし、私は勤め人として労働もせねばならぬ。
自宅に発生した問題も抱え込むのは正直「めんどくさい」のであるが、
やむを得ぬ。
赤の他人とその息子のことであれば、どうでもいいが、
問題は私が養育する法的な義務がある息子のことである。
こんな化け物を育てて、社会に送り出しては国家のためにもならぬのである。

正直私も大いに堕落した人間である。
勤め人を真面目にやるのはわりに合わん、勤め人は適度に楽をして、
不動産を買ってカネと自由を手に入れろ。
などと吹聴している輩である。

しかし、自分が堕落していようがなんだろうが、
息子の堕落は許さん。
人のふり見て我がふり直せとはよく言ったものだが、
我がふりは直さずに息子のふりも直す。
「おれは堕落するけど、お前の堕落は許さねえ」
という訳だ。

「どうして人を殺してはいけないんですか?」
とか、ふざけた口を利いてオトナをやり込めようというクソガキも多いが、
そんなものにイチイチ理屈で説得しても無駄である。
「ならぬものはならん!」
で大いに結構。
それでも四の五の言うなら怒鳴りつけてやればよい。
(手は出さない)

そういう訳で、私は家で堕落した姿をさらしているものの
息子のスマホを没収し、スマホを没収した。
Wifiも使えないようにして息子が守っていた堕落の城を攻め落としたのである。

彼に与える教訓は
貴様は親の経済力のお陰で何とか生きていられる弱い人間に過ぎない。
暴力でも父親には勝てぬし、金もないから従うしかない。
という、単純な事実である。
毎日学校へ行って、遅刻をせず、宿題をするならば、
息子はついにスマホは土日の父親が在宅時のみ、1時間に15分の休憩をしながら使用を許可する。
という、ルールに従うしかなくなった。

やっと更生した

今まで自由にさせていた父親が、まさに暴力を行使して、
スマホを没収し、特定の行為(学校へ行く)を強制してきた。

息子は聡い。
平均的な中学1年生と比較しても恐らく賢い。
私の中学1年時よりもよほど人間ができている。

私と戦っても勝ち目がないし、
仮に私を殺せば、息子自身が成長するまでの資金が大いに減ることも心得ている。

ヤツの中で計算を働かせ、
私の命令に服した方が得だと理解したようだ。
速やかに登校を再開したし、宿題をしないとスマホの貸与すら受けられないから、
渋々宿題をするようになった。

オトナでも薬物には依存するし、ギャンブルにも依存する。
そのために家族のカネを奪うなんてことは当たり前である。
いわんや、賢いとは言え中学1年生。
目の前に楽しいゲームが一杯のスマホがあったら、
手を出すのは当たり前かもしれない。
私の時代にはスーパーファミコン程度だったので、
2,3時間も遊んだら飽きる。
私が今の息子の立場だったら、同じく依存症になっていたことだろう。

没収して、親が管理するのは当然の義務であったが、
私自身が息子の自由に任せてしまったことがそもそもの問題だった。

アドラー心理学を曲解して、
息子の課題には介入しない。と、賢者を気取って、
自分の息子の堕落を放置してしまった。

大いに反省した次第である。