勤め人+アルファ(大家)の王道

働き方

勤め人+大家とは勤め人の手を抜くに非ず

サラリーマンとは気楽な稼業ときたもんだ。

と、偉人は語る。
私の主張も「勤め人+アルファ」という聖丁理論の受け売りである。
聖丁理論が世に出る前に既に私は勤め人大家という形で実践していたのだが、
理論なく実践していただけだ。
理論に基づく実践ではなかった。

さて、それはさておき、
このような主張(勤め人はソコソコ+大家で稼ぐ)をすると、
「勤め人の手を抜く」という発想を持つ者がいる。

ナンセンスである。

勤め人+大家で大事なことは、
「勤め人の仕事は短時間で完璧に終わらせる」
ことが最重要課題なのだ。

与えられた勤め人の仕事は完璧に終わらせる必要がある。
9時間の拘束時間であれば
3時間で終わらせる。
そこで初めて、残りの6時間を自分のビジネス(大家業)の戦略を練るために使えるのだ。

新卒すぐ、転職、異動の直後は、まずは勤め人の仕事を完璧にマスターすること!

たまに、大学生、就職真際の人から勤め人大家という生き方に興味を持ち、
不動産をどうやって買うか?
という相談を受けるが、先ずは勤め人の仕事をマスターすることをおススメしている。
これをせずにいきなり不動産に注力することは危険である。

勤め人の仕事をおろそかにしたまま、
大家に乗り出すと、
先ず勤め人の仕事で、勤め先からの要求水準を満たせないという状態になる。
これは非常にマズイ。

「アイツは仕事をやらずに副業に手を出している奴だ」
という悪評を得てしまう。
悪事千里を走るという言葉があるが、
この評判はあっという間に社内に広まる。
不要なストレスを抱え込むことになる。

上司のチェックも厳しくなる。
悪循環である。

先ずは先輩の支援を受けることなく、
1人で担当業務を完璧に回せる状態を作り、
「アイツは放っておいても結果を出す奴だ」
という評価を得なければならないのである。

勤め人大家という城を作るための土台作りだと思って欲しい。

ブラック企業の最悪なところ

ブラック企業の最悪なところは、
10時間の仕事を3時間で終わらせると、
「さらに10時間の仕事を追加でやらされる」ところである。

ブラック企業のノルマには上限がない。
仮に月間1,000万円の売上ノルマがあるとする。
これを10日でさっさと達成したとする。

すると11日目に、
「おお、お前やるじゃん!さらに追加で1,000万円やってくれ」
という追加のノルマが与えられるのである。
さらにこのノルマを達成しても何の見返りもない。
給与が倍になることは100%ない。

このようなブラック企業に入ってしまったら
さっさと辞めた方が良い。
石の上にも三年と言うが、
他人の養分に三年もなっていたら人生を浪費してしまう。
「見切り千両」である。
さっさと辞めて、ホワイト企業に転職すべきだ。

ホワイト企業、ホワイト職種とは、
この「上乗せシステムがない」ことが重要である。

商品それ自体に強い市場競争力があり、
その商品を顧客の希望に沿って売るというルート営業等は最善であろう。
私の選んだ「借金取りの仕事」も良い。
貸金業法の規制で、夜遅くに督促をすることはできないし、
相手がお客様ではなく、返済が遅れた債務者なので、
自分からの働きかけをどの程度にするかは、自分で決めることができる。

まずはホワイト企業に入り込む。
これはとても大事である。

1,000万円のノルマを課されたら、1,200万円やるくらいで丁度いい

ホワイト企業で1,000万円のノルマを与えられたら、1,200万円の結果を出す。
大事なことは「2,000万円できるとしても1,200万円にしておくこと」である。
無論2,000万円できる実力があって、それを成し遂げれば、
ホワイト企業であっても、社内で評価され、出世していくことだろう。

私が言うのは、木下藤吉郎(豊臣秀吉)みたいな出世を目指すな!
ということである。

社内ナンバーワンの売上をやる必要はない。
日本の企業ではそれを続けると、
「部下のマネジメント」という最も過酷な業務をヤラされるハメになる。
さらに優秀だと、その上に自分のノルマも別途、持たされる。
そしてこれをクリアすると、
企業経営をヤラされる。
自分が株を持っていない会社で経営をヤラされること馬鹿らしいことはない。

確かにプロ経営者は年収数千万円という報酬を得るが、
そもそも、そんなプロ経営者になるのは困難だ。
その競争環境は「割に合わない」し、「そもそも困難である」
アメリカの経営学修士を持ち、語学に堪能、当然一流大卒、
その上、部下のマネジメントが出来て、数字も稼ぐ。

誰もが憧れるエリートであるが、
よく考えて欲しい。
この、誰もが憧れる姿は、誰にとって都合がいいだろうか?

そう、企業オーナーである。
企業のオーナーは自分は何もせず、
エリートが稼いでその果実はオーナーが全て得ることができるのである。
誰もがオーナーに都合がいい姿に憧れる世界。
オーナーに都合のいい人間を誰もが目指す世界。
これが現在の資本主義の構造である。

本当に知性がある人間ならば、
企業のオーナーになろうとするはずだ。
小さくとも自分のビジネスを持つ。
大家になるということは資本主義で真の利権を持つ側に回るということである。

その利権を得るために、あえて、過度に有能であることを放棄するのである。

秀才エリート君がやってはいけないこと

早慶もしくは旧帝大を出て、
メガバンク、大手生命保険会社、高級官僚になる。
そして出世を目指す。

これが最もやってはいけないことである。

メガバンクとはいえ、社員はただの勤め人。
正直、三井住友だろうが、みずほだろうが、三菱UFJだろうが、
似たような商品を扱っている。
「どこで借りても同じような融資」
「どのメガバンクでも売っている投資信託」
このような商品を売るのは最も難しい。

そしてどのメガバンクにも自分と同じようなエリート君が
同じセールスをしている。
自分と同じ能力を持った相手と戦うこと程、
消耗することはない。

武田信玄と上杉謙信がガチンコで戦うと、
多数の死傷者が出る。
これと同じ。

大事なことは「自分より弱い相手と戦う」
これである。
私がメガバンクの社員であれば、
出世コースではない、融資管理部や債権回収部署に異動する。
このような部署は異動も少なく、
とはいえ、出世コースの社員とそれほど変わらない給与が得られる。

「オラ!強いやつと戦いてえ!」

というのはサイヤ人だけでよい。

転職と異動は少ない方が良い

さらに。
転職や異動は少ない方が良いのは、これまで書いたことからも明らかだろう。

転職、異動の問題は
「せっかく3時間で10時間の仕事が処理できるようになった」
のに、
「またイチからマスターしないといけない」
ことにある。

ブラック企業に入ってしまったらやむを得ないが、
転職は最小限にとどめたい。
同様の理由で異動は少ないに越したことはない。

おわりに

私は結果的に債権回収という勤め人に落ち着いたが、
投資用マンションの販売というブラック職種も経験している。
モデル年収2,000万円!(25歳)
に釣られたのだ。

賢明なる読者諸氏にあっては、
くれぐれも間違えないで欲しい。

私は無駄5年程無駄にし、
結婚を早まってさらに数年ロスした。

ちゃんとルートを間違えなければ、
新卒から10年以内にはちゃんと経済的自由が得られるはずだ。

誰もが目指すルートは誰かにとって都合がよく作られている。

つづく