SAT債償還を明日行います。

日々雑感

先月末、日本(にっぽん)政策金融公庫から200万円の運転資金融資を受けた。
これを受けて、SAT債の償還を月末から月初に変更。

SAT債は年5%の確定利付債権であり、
原則は1年で償還。
みんなで大家さんとは異なり、
「毎月元本の返済がある」
銀行への返済と全く同じ計算式で利息計算を行っている。

私の仕事が債権回収であり、
私は金融機関の金利計算ができる。
住宅ローンだろうが、事業性ローンだろうが、
エクセルで作成可能なのだ。
競売手続などは特に利息計算が一番面倒だったりする。

裁判所の書記官も金利計算は非常に得意だと思う。
(読者にいたら思わずニヤリとしていることだろう)

毎月元金の償還ができると言うことは、
融資をする上で非常に大事なことである。
毎月元金を払えると言うことは、安定した収益があるからに他ならない。
銀行融資は担保+収益性の2つを見られる。
特に最近は担保よりも収益性が重視されている。

人的保証を取らなくていいのは、事業に収益性があればこそだ。
ちなみにマンション開発などのプロジェクト資金は融資方法が全く異なる。
土地の取得にまずカネがかかる。2億としようか。
次に建設会社への支払いが3段階あるとする。
着工時ー中間ー完成(引き渡し)時。
この都度、3億ー3億ー4億だとしたら、
合計12億円の融資だが、これを一発で融資したりはしない。

4回に分けて融資する。
しかし、回収できるのは、建築したマンションの分譲の時だ。
20戸のマンションで1戸あたり8,000万円だとしようか。
総額16億円で売っていくことになる。

12億を回収するためには、15戸売れないとダメだ。
15戸売った代金から回収していく。
融資が完済になった後、残りの5戸、総額4億円がデベロッパーの利益になる。

この場合、2年のプロジェクトだから、割る24回。
12億円÷24回=毎月5,000万円返済。
という訳にはいかないのだ。
返済できるのはマンションを分譲した時なのだ。
それまでは金利を支払うだけになる。

途中で建設会社が倒産したり、
土地から平安時代の遺跡が出土したりしたら、
もうオシマイだ。
だから、そういうプロジェクト融資にはとても慎重な審査が必要になる。
大手であればカネを借りる必要もない。
銀行もカネを貸さないと仕方ないから、ある程度リスクを取って、
高い金利で融資をする。

みんなで大家さんは毎月利払いをして、
期限一括償還である。
出資したプロジェクトの進捗管理をして、出口(資金回収)をどうするのか?
果たして投資家はしっかり見ているのだろうか?
100000000%見ていない。
そんな危ないことをするなって話だ。

SAT債の場合には、私の給料と家賃が返済原資である。
であるから、融資実行前には決算書を見てもらう。
融資実行後になるが、私の個人の確定申告書も開示する。
その上で、生活スタイルなどはこのブログで確認しながら、
融資を管理して欲しい。

まずはSATの債権者になってみて、
貸し手の銀行側の気持ちを知ることができる。
5%の金利を受け取りながら、金融機関の気持ち、
収益性を感じられる、教育商材なのだ。

そもそも私が金融の業界に入った理由は、
一般国民が一生懸命働けば、投資のことなんて考える必要もなく、
幸せに生きられるという世界を創造するのだ。
という目的があった。
しかし、実際この目標は無理だと知った。
人はあまりにも愚かで、強欲だった。
すぐに訳の分からん金融商品詐欺(MARS、胡坐牧場、みんなで大家さん、リノシー)が起き、相も変わらず引っかかる。
私は、金融教育しかないとの結論に至ったし、
全員を助けることもできぬと確信した。

助けられる人を助ける。
それしかできないのだ。と。

SAT債にはその思いが込められている。
何も好き好んで5%も金利を払ってるんじゃない。
ファンサービスであり、教育だ。
卒業して、自分でアパートを買い、資金繰りがきつくなって、
SAT債の折り返し購入を見送っている人もいる。
是非そうなってほしい(笑)。

もう1つの意味は、緊張感を持って経営に当たるためだ。
一般庶民の方にSAT債を売っているのだから、
無駄遣いをしたり、高級車を買ったり、
しょうもない物件を買うわけにもいかない。
勤め人をやめてダラダラするのも悪い。
背骨をビシっと伸ばす、自分への叱咤激励としても役立っている。

ほとんどSAT債の宣伝になってしまった。
最近は金利も上がってきたので5%じゃ低いかな‥‥
と思い始めている。

さて、前置きが長くなったが、
資金余力もついてきたので、SAT債の償還を早める。
貸してくれた公庫様には失礼なはなしだが、
200万ポッチでは、月末の支払いを月初に回しただけで、すぐになくなってしまう程度の金額だ。
200万程度では話にならんのである。
やはり運転資金は500万、それも資金の底の日でも500万の残高を最低でも
維持しておくようにする。

突発的な支払がこれまでなかったのだが、
今後、拡大していくことも踏まえると、500→1000と増やしていくべきである。
突発的な支出には新規投資もあり得る。
そこまで考えると、私はこれまで手許キャッシュが低すぎた。
返済して金利負担を減らすなんてことはあまり考えなくていい。

トヨタ自動車だって、明日全部返せ!と言われたら、
返済できないのだ。
永続するビジネスを経営する立場としては、
借金と共に歩むのが普通である。
むしろ借金ゼロ経営は非効率であり、資本主義の否定だ。

トヨタの営業利益は3兆円、借金は56兆円なのだ。
借入が営業利益の20倍。
ちなみに私の営業利益(法人のみ)は8百万円、総負債(個人含)は1億円。
なんと営業利益倍率は12.5倍で、トヨタよりも健全な財務だ。
個人の給与まで含めたら10倍を大きく割っている。

私+法人の財務はなんと、トヨタよりも健全な状態にある。
ただ、私が死んだらもうオシマイなので、リスクは高い。
私もトヨタのように56兆円も借りられる立派な人間になりたいものだ。

ヲシマイ