天才上司君と折り合いが悪く異動
新年初出勤なので、
コロナ解熱翌日(当日)から出社した。
ランチに誘われて、
「食べても味がしないので行かねえ。」
と、言ったら、コロナ!帰れ!
と、言われて帰らされてしまった。
昭和世代の社長なのだが、
ちゃんと令和に適応している。
エライと思う。
初日なんてのは元気はつらつに出社するのが当たり前で、
それができない時点で減点という教育を受けてきたから、
あえて出社したのだが、まあ帰宅させられたよね。
それはまあ良しとして、
天才上司君も私をやっかい払いできたので、
機嫌が良かったと思う。
馬鹿を下につけられると排除しようとするが、
同じ会社にいても気にならないようだ。
彼の『関心領域』はあくまでも自分のテリトリーであり、
会社全体ではないようだ。
まあ、それは私も一緒だ。
仕事上の接点がないのであれば、別に戦う意味がない。
小さい企業であってもそれは同じだ。
ところで、私はてっきり営業をやれと言われると思っていたのだが、
なんと、管理業務だ。
なんてこった。
担当するファンドが4つから8つに増えた。
営業は特にしなくていいらしい。
おいおいおい。
まるで窓際社員じゃないか?
いや実際そうだからいいのか…。
ただ、今持っている案件は引継ぎを適当にやれと、
そういうことだ。
天才上司君から天才的な指示で丸投げされた上に、
ダメだしを食らう日常から解放されるだけで大いにありがたい。
まあほとんどの案件は終了の目途が立っているので、
何もすることはないのだが。
1件だけ、資金繰りがヤバイ担当先があるが、まあ回復するだろう。
ここまで回復したら、マイナススタートではない。
ゼロスタートである。
どっちでもいい話だ。
まあ、結局案件を持っていたり、営業をするとなれば、
審査セクションの天才上司君の管掌領域に入らざるを得ないから、
あえて私に営業させるよりは外に置いた方が良いと言う配慮だろう。
仕方ない。
逆に置いてもらえるだけありがたい。
昨年は二人実際首を切っている。
1人は40代のベテラン女性。
もう一人は入社1年の25歳。
育てる気は全くないらしい。
使えないと判断したら即切り飛ばす。
血も涙もない。
そもそも採用するなよという話だ。
この1月にも新人君が入社するが、おそらく1年持たないだろう。
例えるならばそうだな。
ドイツの支配下にあったポーランドのような状況だ。
ポーランド人は息をひそめて生きるしかない。
それでもロシア(神聖ブラック企業)よりはましだ。と。
私は過去の実績も踏まえて、何とか残してもらえたのだ。
ありがたいと思わねばならぬ。?
ん?
ありがたい?
何が?
そういえば私は一生懸命働く必要がないのだった
ありがたいのは社長の厚意に対してありがたいというのみである。
別に会社に残してくれたことはありがたいともなんとも思わない。
私に配慮をしてくれたという点だけが、ありがたいのである。
そもそも、私が勤め人にしがみつかなければならない身分であったら、
天才上司君が上司になる前に苛烈な出世競争をしていただろう。
簿記1級でも取ったかもしれない。
ディベート技術でも磨いただろうし、
MBAでも取ったかもしれない。
苛烈な出世競争の結果負けたら、そのまま別の転職先で出世するために
戦いを開始するだろうから、さっさと転職しただろう。
違う違う。それは違う。
そもそも私が天才上司君の下に付いたのでは、
平凡ヒラ勤め人を選択したからであって、
私はそれでもかまわない。
むしろそうしてくれと思っていたのだ。
ただ、給料は下げても構わないから、
粉飾上等の不良債権中小企業の
当たりもしない「〇ソみたいな」財務分析をさせるな。
というだけの話である。
その前に経営者に会って、商売をみたら、買っていい会社か
悪い会社か分かる。
それだけでいいのだ。
そう言ったら、じゃああなたは要りません。
と言う。
ああそうですか。
だったら正社員解雇要件を満たしたうえで指名解雇やってみなはれ。
とまあ、そういう流れである。
天才上司君のような勤め人一本足打法では、
私のような勤め人+大家+嫁実家相続という3本足で歩行する奇妙な生物は
初見であろう。
おまけに将来のキャリアが真っ暗なのに、転職もしていかないのだ。
学歴は天才上司君よりはるかに上なのに。
まさに謎の物体でも見るような気分であろう。
だが現実にいる。
そんな3本足の奇妙な勤め人が、目の前にな。
勤め先の社長もさる者である。
私を異動させたと思ったら、
しっかり一時的な業務量をドカりと乗せてくることを忘れない。
さすがである。
言わないだけで資本主義の本質を理解している。
一旦丸ごと買い取った労働力は、対価の限界を超えて超過稼働させた分だけ
純資産として蓄積されるという事実をである。
私が天才上司君の下では使い物にならんと分かるや否や、
営業をさせるという安易な手段にはでない。
実際私は昨年退職したエリートが作りっぱなしで投げ捨てて行ったファンド2つを
終結の直前まで持って行ったのである。
私の管理があまりに徹底しているため、
政府の監視がなくなった(なくなったのである)ほどだ。
予算を消化した上に、ファンドなので予算が返ってくる。
こんな便利なシステムはない。
国は1円も損をせずに政策を実行できるのだ。
まさに魔法の箱である。
(まあ損を出して助けろよという話なんだが)
話が相変わらずソレソレである。
結局オーナーってヤツは労働力の稼働状態をよく見ている。
ボトルネックを解消して適切にキャッシュが創出されるよう
しっかり監視しているものだ。
私が自分の法人と向き合うように、
勤め先の社長も勤め先の法人と向き合っているのだ。
そうして最強の資本主義システムは力強く回転する。
自ら回転するエンジンを持つか、
エンジンのガソリンとして消費されるだけの人生を送るか。
好きな方を選ぶしかないのだ。
つづく