SAT債 年5%でも厳しいのに年7%だと?

運用の話

みんなでO家さんシリーズ

一応私も債権を売っている。
言い方はカッコいいが、借金を売っている。

私の法人宛債権は1口100万円、年5%確定利回りだ。
期間1年の短期運用で、契約書は作成しない。
100%私への信用でやってもらっている。

3名いたが、1名は完済した。
完済しても貸してくださいと、営業はしないので、
そのまま2名に減ってしまった(笑)

まあ、SAT債で商売をする気がないのだから、
当然そうなる。

しかし、このみんなでO家さんシリーズはすごい。
年7%で長年運用しており、
広告もバンバン打っている。
配当で7%出して、なおかつ広告費もかかっているのだから、
そもそも、出資を集めなくても銀行から借りればいいのではないか?
という疑問もわくのだが。
当然私は買わない。

ソーシャルレンディングもいつかはゆかしも、
安愚楽牧場もみんな死んでいった。
出資は上場株式、それもグロース以外しか私は認めない。
上場株式であっても割高な銘柄は認めない。
当然、みんなでO家さんも買っていない。

そもそも、皆でやらなくても、
1人で大家さんしているので、
そんなリスクを取る必要がない。

それでも税引き後当期純利益で7%を出すというのは
すごいことだと思う。
100億集めたら7億増やして107億を1年後に償還しなければならない。
3年後であれば121億だ‥‥。
マジか。
本当に元本が保全されているのだろうか。
デフォルトしても返済は請求できないだろうし。
怖い。私にはできん。

SAT債が目指すもの

みんなでO家さんは、実は私のライバルである。
私がSAT債を起債した理由は、
庶民のための安全な平凡な資産運用サービスを提供したいという理念がある。

そもそも私が金融業界を志した理由は、
国民が投資に熱を上げるような社会は望ましくない。
国民は各自の専門領域で一生懸命働き、
運用などは信頼できる機関に一任して、
それぞれが仕事にまい進して国家として強靭化すべき。
という考えがあった。

高度経済成長期などは郵便貯金に預けておけば年7~8%で運用できたというし、
素晴らしい年金商品もたくさんあった。
しかし、2002年頃の私の就職活動期には、金利は1%以下で、
金融機関がハイリスクな投資信託や仕組債を素人に売る世界になっていた。

金融業界を目指したものの、あまりの理想と現実のギャップに愕然としたものだ。
それに対して、憤りがある。

SAT債は今、あるべき金融商品はこれだ!
と、小さいながらも、回答を用意したつもりの商品なのだ。

なぜ債権かと言えば、
出資は所詮エクイティである。
破綻したらパーである。
まあ債権もそうだが、回収しやすさと言ったら最高だ。
最強である。
株は売るしかないが、債権は直接企業から取り立てできるのだ。

私の法人は多法人スキームではない、1社しかないし、
不動産もそこに集約している。
その気になれば、回収不能時には私の不動産を差し押さえて回収もできるし、
法人の預金口座の回収も可能。
決算書も開示して、毎月の業績報告もしている。

SAT債はそんな、私が金融業界を志した時の崇高な志を体現した商品なのである。

SAT債の問題点

問題点は1つ。
私からすると単なる負債である点だ。

5%という、ノンバンクもびっくりの金利である。
アサックスという上場企業のノンバンクが不動産担保ローンで5%という金利で貸している。
これと同じ水準のリターンを一般個人に提供するのだ。

確かに担保設定もない。
信用も弱いのにたった5%!である。

とはいえ、確定利回り、毎月分配型である。
期間も超短期。

問題は私自身が5%の利払いをするという困難さである。
公庫から借りれば1%台で無担保で借りられるのだが、
この商品は大きく育てたい。

実際には本業に打ち込む庶民の方に売りたいし、
もっと100億200億の規模で売りたい。
しかし、私にはその運用力がない。
総額2,000万円が上限である。
金利100万はどうってことないのだが、1年で償還なので、
毎月の元金返済がキツイ。
毎月200万である。

将来はもっと不動産事業を大きくして、
1人でも多くの志ある庶民の金融商品として成長させたいと思う。

逆にだな。
大家でダラダラ生きるだけなら、
今の事業規模で十分なのである。

崇高に生きるためには
崇高な目標が必要だ。
崇高な理想無くして崇高に生きることはできんのである。

皆で大家さんが本物なのであればそれに越したことはないし、
30年、40年と続けていけば、本物になっていくだろう。
私もそんな商品を作り、その商品に恥じない事業家になりたいものだ。

ただ、SAT債事業は次世代には引き継げない。
私のレベルの志を持つ後継者だけとは限らないので、
SAT債事業は私1代で全額償還して終わりだ。

をはり