「勤め人はやめるな」っちゅうことだ

勤め人卒業関連

勤め人がつらいから辞めて独立は愚行である

勤め人卒業。

甘美な響きだ。

誰もが憧れる。

しかしだな

勤め人程度の商売(労働力販売業)で苦しむ程度の人間が、
起業してうまくいくとは到底思えない。

実は私も20代の頃には同じようなことを考えた。
司法試験じゃなくて司法書士を目指そうか。とか。
会計士ならどうか?とか。
そんなことである。

しかし、勤め人をやめたら無収入になる。
弟も大学を出て立派な会社に就職したので、
親父はやっと肩の荷を下ろしたところなのに、
また私を養ってくれというのは悪い。
そんな思いがあった。

となれば勤め人をしながら勉強するか?
色々考えた。

私は独立起業ではなく、
勤め人をしながら友人と起業するという荒技に出た。
結果的にこれが奏功したと思う。

友人の経営センスのおかげで、
事業は順調に拡大したが、私は頑なに勤め人という立場を捨てなかった。
結局、私の業務は友人の弟が引き継いで、私は友人の会社を去ったのだが、
それでよかったと今でも思っている。

30代半ばで、給与も大台に乗ってダブルワークの必要がなくなった。
しかし、友人の会社だけで大台に乗るのは難しい。
利益率は高いビジネスだったが、いかんせん、マーケットが小さすぎた。

給与、副業、不動産の合わせ技で1,500万円程度まで収入が伸びていた時期だ。

勤め人の立場は最後の最後まで守った方がいい。
勤め人がつらいなら転職して低給与になったとしても、
勤め人は続けながら、不動産やらほかのビジネスをやるべきなのだ。

そもそも勤め人とは両立できない形のビジネスモデル
(例:飲食店)は利益率が低く、過当競争だ。
リフォームだって土日、勤め人の放課後にやればいい。

勤め人は何といっても土日が休みだ。
さらに18時で仕事は終わらせることができる。
年20日以上も有給休暇が取れる。
その空き時間を活用して副業をすべきなのだ。

逆にだな

勤め人をしつつ、
もう1つの商売を回す。
その、もう1つの商売はある意味
「50%の力でやっている」ということになる。
勤め人をしつつ、もう1つやっているのだから、
専業よりも不利なのだ。

そんな状況でも収益が出せるようなビジネスでもないと、
将来の1本立ちは難しい。

精神的な面から言っても、
勤め人よりも上の厳しさの世界に進むのであれば、
両立くらいできないと、そもそも資格がないという話である。

現在勤め人でウダツが上がらないのであれば、なおさらだ。
勤め人程度の競争で勝ちあがれない程度の男が、
なぜより厳しい世界である起業家の側で勝てるのか?
勝てるわけがない。

まずは勤め人の仕事を合理化して副業ができる体制を作る。
副業で稼ぎ、勤め人の稼ぎを副業で超える。
ここまで行って、やっと勤め人卒業を考えていいレベルだ。

両方やる。
これである。

大体経営者は、営業も、人事も、経理も全部やるのだ。
勤め人と副業くらい軽く回せなくてどうする。

今つらいから、楽にかっこよく見えるだけの
起業家の世界に逃げたいだけだ。
逃げたら追われるのだ。
逃げてはいけない。

副業で勤め人の稼ぎを上回るということ

実は私はこのステージに立っていない。
不動産収入は1200万円(売上)。
CFとしては半分の600万円だ。
2倍にしてもまだ勤め人の稼ぎには追い付けない。

妻の稼ぎも加えると、
確かに勤め人の稼ぎを「それがいの稼ぎ」が上回る。
しかしだ、しかし、
嫁の稼ぎを当てにして大の男が勤め人卒業でゴザイマス。
と、偉そうにできるかという話である。

私にもチンケなプライドというものがある。
まだだ!まだ辞めんよ!
というヤツだ。

その意味では、私よりも遅くスタートして、
早く卒業した人も多いので、
私にはこの点を深く語る資格がない。

繰り返すが、勤め人の稼ぎを副業が上回るまでやめるな。
と。

更に言うと、家賃収入(空室率も加味したい)のような鉄板の収入でなければ、
そこも危ない。
ブームが去ったら消滅するような収益基盤ではダメだということだ。
その点も注意したい。

そんなわけで、来年もヨロシク

45歳の来年も勤め人続行だ。
勤め人大家歴20年だ。

かなり厳しい業界なので、来年1年生き残れるかはわからないが、
私は居座りたいと思っている。

皆さんも勤め人は辞めず、しかし確実に副業の収入基盤を育成してほしい。

をはり