歴史学者という病

読書

東大教授(日本史)本郷和人先生の自叙伝的問題提起の書

Audibleで聴いた。
私も日本史は得意だった。
戦国時代が単に好きだったのだが。

東大は落ちたが、
早稲田の受験は日本史で受験した。
100点満点中90点近く取れていたと思う。

東大の日本史の問題は当時確か2問程度で、
論文みたいなことをした記憶がある。
良い問題を出す。
流石東大である。

さて、
本郷先生の生まれた環境。
どんな子供だったか。
医者を目指し、僧侶を目指し、武蔵高校から東大に進み、
半引きこもりから研究者になっていき、
研究者となってどんなことをして、
今、歴史学研究という世界がどうなっているかをご自身の体験から、
感情を込めて話して下さるので、非常に理解しやすかった。

ま、
財務省の緊縮財政の悪影響がここにも出ているなと思う内容だ。
研究者はどうしても1人で仕事してしまうので、
研究チームを組織して目標達成のマネジメントをする人材を付けた方が良い。
だから最低でも研究者、プロジェクトマネージャーという二人を付ける。
それに必要なメンバーを採用していくという形が良い。
もっと予算を付けるべきだ。
東大の研究室ですら、こんな状況では日本の歴史研究は進展しないと思わざるを得ない。

本郷先生の出版ラッシュ

本郷先生はこの状況を打破するために、
ヒストリカルコミュニケータとして、
歴史を一般庶民へ面白く伝え、マネタイズできる程までに、
価値を付加していくという方向に進んでおられる。

非常に正攻法だと思う。
本来は政府がもっと予算を割り当てるべきなのだが…。
歴史を庶民が楽しむにも、
過剰労働、低賃金でその余力もない状況である。

全くもってあほらしい現状だ。
さて。

私も今後の人生どうしていくかの参考になった。

私もある程度勤め人大家という生き方を完成させたと思っている。
サラリーマンで出世を極めたわけではない。
大家としてメガ大家になったわけでもない。
どちらでも100点を取れない人間だが、
サラリーマンとしては50点。
大家として50点を取ることで、上位2%の所得を得ることができた。
(ちょっと古いが厚生労働省のHPから抜粋)

図8 所得金額階級別にみた世帯数の相対度数分布

この生き方を発信していくことは続けていきたいと思う。
さらに、
個人的な勉強として、
私は借金の世界で生きてきたので、
融資、投資、回収に興味があるので、
引き続きこの分野で仕事がしたい。

大家はいい商売だが、
これを生涯のビジネスにしたいとは申し訳ないが全く思わない。
融資、回収、担保、そして融資を出す先の企業の経営という分野の方が面白い。
色んな商売を広く浅く見て「ほほー」という感覚を得るのが何より面白いのだ。

そもそも融資の前提としてカネってなんだ?
ということにも興味がある。
三橋貴明さんが、分かりやすく解説してくれるので最近はここから主に学んでいる。

お金とは借用書である。
(昔の金預り書)
という説明には目からウロコが落ちたものだ。

私は勤め人を続けながら、不動産で資金を運用し、
勤め人として誰にも必要とされなくなったら、
自分で融資回収担保、企業経営について広く浅くビジネスをやっていこうと思った。

本郷先生の生き方を聴いて大いに参考になった

私は日本史が好きだが、本郷先生のように研究者にはなれない。
せいぜい信長の野望に感情移入して天下統一する程度の好き度である。

法学部に入ったが、法曹になれる程の頭脳ではなかった。

大家にもなったが、専業にするほど好きでもないし、
カネを増やしたい衝動もない。

中途半端な人間だ。

本郷先生のように、東大の教授になる程の天才でも、
様々な問題意識を持ち、60歳まで研究に打ち込んだ人でさえ、
悩みと問題意識をもって、新たな挑戦を始めている。

下層民には下層民の悩みがあり、
天才にも天才の悩みがあるのだとよくわかった。

ある意味天才の悩みの方が、かなり深いかもしれない。

安心すると同時に、
私のように顔も身長も頭脳も運動も健康も、
平均を上回った人間が高収入を得てヘラヘラ生きられると言うこの時代。
大いに感謝したい。

日本を衰退させる政治が30年も続いて来たが、
正直私には都合が良い時代だったと思う。
不良債権ビジネスと言う市場が産まれ、そこに潜りこんだ。
政府の財政支出削減という方針に沿って、ファンドに政府が出資するという形態を産み出してそこに転じた。
不動産市場が下がり、下がったところで、素人の持っている物件を叩いて買って、
収益を得た。

大多数の人間が不幸になる時代に、
天邪鬼(あまのじゃく)的性格の私がうまく立ち回って高い年収を得られたのだ。

昭和的時代が続いていたら、
私は何物にもなれなかったと思う。

まことにすまんと思ふ。
でもありがとう。

つづく