水は高いところから低いところへ流れる金もまた同じ

資本主義の分析

大河の流れを変えることは難しい

天下を統一した徳川家康の功績の中に
「関東平野の大開拓」
という偉業があります。
世界広しと言えども、ここまでの大事業はなかなかお目にかかれません。

ここに竹村公太郎さんの名著を紹介しておきます。
なぜ元寇が日本を征服できなかったのか?
徳川家康の江戸開発、大阪城に隠された天才「秀吉」の強大さ。
などなど、読みごたえバッチリな本です。

話が脱線しますが、良い本、自分に刺さる本とは一気に「読まざるを得ない」ものであり、やめたくてもやめられない。
そんな本だと思います。

ネタばれになりますが、関東平野(江戸)は湿地帯で、
利根川のせいで開発が難しかったようですが、
恐らく武田信玄の「信玄堤」の知見もフル活用し、
利根川水系の水流の流れを変えて、霞ヶ浦の方に流してしまうという
大工事を行います。
重機も何もない当時にここまでの大工事をやってのけた
徳川家康公は正に大権現様です。

現代でさえ、氾濫する川や土砂崩れで死者が出ていますから、
江戸時代であればなおさらです。
水はその本質が「自由自在」です。

雨となり降り注ぎ、雪となり降り積もり、氷となって留まります。
私たちの身体もまた、水を蓄えています。
この水の性質は人間の支配の及ばぬところにあります。

しかし、徳川家康公のように、「水の性質」を知り、流れを多少変更することはできます。
関東平野を水浸しにさせずに、東へ流れを促し、
海苔が取れた浅草を平地にしてしまうのです。

お金も水のごとし

金も日本銀行が印刷して産み出されますが、
産み出されただけでは流通しません。
日本銀行が何かの支払に充てて、流れに乗せないとただの紙切れに過ぎません。
今は政府が発行した国債を買い取ることで流通に載せます。

政府が国債を日銀に売り、
その対価として日本銀行券(お金)を受け取り、
公務員への給料の支払い、公共事業、社会福祉などに「支払う」ことで
民間にお金がドッと流れ込むというシステムです。

ですから、景気が悪い時に政府が支出を絞ると、
金が回らなくなってますます景気が悪化します。
バブル崩壊以降。
景気が悪いのに政府が支出を絞ったせいで、失われた30年、そして40年へと突き進んでいます。

話がそれましたが、お金も水のように自由自在に流れに乗るという話でしたね!
そう、お金はその性質上、お金が対価として支払われる有益なサービスを提供する人に集中する性質があります。

当たり前の話です。
アップルが提供するスマートフォン、アイフォーン。
この革新的なサービス(商品)にお金が支払われる。
当たり前のことです。

私たち勤め人はどうか?
ありふれた労働力。
貴方じゃなければできない仕事でもないので、
その労働力の対価(=給料)はこんなもんです。

と、いう言わけで、チープなサラリーを頂くだけの話。
お金は優れたサービス(商品)を提供する者の元に集まる性質があります。

結局お金をいくら供給しても全部集中する

お金はその性質上、良い商品(サービス)を提供する場所に流れ込んで積みあがる。

あたかも水が高いところから低いところへ流れていくようなものです。
水が欲しかったら高いところにドンドン昇っていけばいずれ川の源流に突き当たるでしょう。
その源流をたどれば大河を発見できるでしょう。

お金も同じで、その源流は日本銀行なので、そこから直接お金を頂くことはできませんが、その流れを追っていくと、素晴らしい「商品、サービス」に行きつきます。素晴らしくなくても一定のファンがいれば、一定のお金の流れにありつくことができます。

給料は生活費相当額しかもらえないのが原則

サウザーさん(マルクス)が喝破したように、
給料は生活費相当額であるということを踏まえると、
労働力販売だけでは、その生活費を賄うだけで、一生を終えることになります。
高給取りと言われるエリートも、高価な家を買ったり、車を買い替えたりして、その余剰価値を失っていきます。
あたかもその余剰価値を持っていることが素晴らしいという催眠術にかけられたの如く。

だから経済的独立を果たし、給料がなくても生きていけるようになるためには、
自分のビジネスが必要なわけです。
自分のビジネスがお金の流れの中に組み込まれて、労働力を売らなくても十分な収入が得られるようになった時が、経済的自由が確立される時です。

自分のビジネスを作るのは相当に難しい

私は給料を上げつつ、不動産を買うという戦略を取りました。
これは遅い方法です。
サウザーさんのような帝王の星の才能に恵まれていない我々のような庶民は、
コツコツ積み上げていくしかありません。
サウザーさん、イケハヤ先生のような天才でもコツコツ積み上げてやっと数年かかって花開いてくるのです。

私でさえも10年以上かかってやっと50万60万のキャッシュが毎月湧き上がってくる程度です。
凡人であればなおさら、若いうちにスタートすることが肝心です。
そして致命的なミス(高額な家、車、豪華な結婚式、教育費を先行させること)を犯さないようにしましょう。

男性であれば結婚は40歳以降の十分な資産収益が出るようになってからにする。
(早めることは容易)
女性で、子供が早く欲しいのであれば、なるべく仕上がった40歳以降の金持ちを捕まえる。子供が不要であれば好きな男を捕まえて二人で資産形成を頑張る。などなど、順番を間違えることなく打ち手を打つことが肝心でしょう。

ただ、人生はゲームではありませんから、自分の思うようにやってみることもよろしいかと思います。
悲劇やドラマは得てしてそのような黄金ルートを踏み外した先にあったりしますし、失敗しても人生長くても100年でリセットです。

来世はあるかどうか知りませんけど、あると言ってしまうと現世で人は努力しなくなるので、一応ないことにしているらしいですが、私はあると思っています。

なにやら話がとっちらかってきましたので、今日はこの辺で。

まとめ

水を支配することはできないが、性質を理解してある程度制御することはできる。
金(カネ)を支配することはできないが、性質(良質な商品、サービスに吸い寄せられる)を理解して自分に引き寄せることはできる。

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