勤め人と並走させるビジネス(弱者の戦略)

ビジネスの話

ランチェスター戦略の話

私の勤め人の仕事は中小企業の立て直しだ。
中小企業の経営はまさに弱者が勝利する戦略の集合によって行われる。

即ちランチェスター戦略である。

ランチェスター戦略は5つの要素によって説明されることが多い。

私の人生と言って差し支えないが、
常に考えている。

虎は竹藪から出てはならない。
サバンナではライオンに、水辺ではワニに、北極では白熊に負ける。
という、読者の皆さんにとっては毎度毎度のネタである。

これはラインチェスター戦略で言う、最重要要素
「局地戦」の説明である。

戦国三大奇襲と言われる
〇桶狭間の合戦
〇川越夜戦
〇厳島の戦い

いずれも局地戦、陽動作戦、集中攻撃、一騎打ち、接近戦
全ての要素を含んでいる。

〇小牧・長久手の戦い
この合戦で、徳川家康が勝利したのも局地戦だ。
もちろん大局的には、伊勢方面から攻略してきた秀吉によって
外交的敗戦となった。

〇川中島の戦い
これはいずれも戦力が拮抗した戦いであるが、
局地戦の要素を生み出すことによって上杉謙信は
山本勘助、武田信繁を討った第4次で戦略的勝利を収めている。

〇三方ヶ原の戦い
これは、家康がランチェスター戦略の要素を入れなかったことで
敗北した好例である。
(ただ、これは信玄の王手飛車取り戦略で家康が出ざるを得なかったという説も有力)

〇上田城の戦い
第二次は出来レースだった可能性も指摘されているが、
第1次上田合戦では上田城と地形を使って
大軍を相手に局地戦を創造することで勝利を収めている。

ランチェスター戦略はビジネスの世界で使われるが、
基本的に中小企業やら個人は5大要素を意識しなければならん。
勤め人として働く場合でも、
私は基本的に、似たような能力で、似たような商品を売る
(金融商品、投資用不動産、保険商品、飲食店)
これらの勤め人は激戦、消耗戦となって疲弊すると言っている。

金融業界で私が勤め人を続けていられるのは
「債権管理回収」という、有能な企業戦士があまりいない分野から
出ないから勝てているに過ぎない。
PEファンド、M&Aファイナンス等の世界に行ったら、
基本的に計算ができないので、無理だ。

女を獲得するのでも、教育でも。
極論すればランチェスター戦略とは人生そのものだと言えるのだ。

弱者の定義

1位以外の全て。

1番以外は全て弱者だ。
アパレルで言ったらユニクロ以外の全社。
家具で言ったらニトリ以外の全社。

今日は勤め人の副業(ビジネス)の話にするので、
勤め人の職業選択、女の獲得等はしない。
勤め人が片手間にやる時点で、
もう最初から弱者の戦略しかやりようがないのである。

つまり勤め人はランチェスター戦略で副業を作るしかないのだ。

株式投資ではランチェスター戦略はできない。
なぜならば、それはインサイダー取引となるからだ。
株式市場というオープンな戦場ではランチェスター戦略は基本的にはできない。

例外的に、長期投資という、時間軸という局地戦に持ち込むことで、
成功している人は確かにいる。
株の売買差益で富を増やせる人は確かにいるが、これは天才の話なのでしない。

転売やNoteでの情報販売という作戦もあるが、
これも基本的には少数の顧客をなんとか捕まえてファンとして囲い込む作戦だ。
一騎打ち要素、集中攻撃要素、接近戦、局地戦である。

私は大家業をおススメしているが、これも前章で述べたような
要素を組み込んである。

新築区分ワンルーム大家にランチェスター要素があるか?

ない。
局地戦でもなんでもない。
開発業者の出口である。ありふれた商品だ。
差別可能な要素は、ない。
都心にあれば立地は希少かもしれないが、
希少性は既に値段に織り込まれている。

誰でもバカローンを組んで買える。
別に誰でもいい。

集中攻撃等できない。
そんなに買えない。

接近戦要素、一騎打ち要素はあるけど、それは
ワンルーム営業マンに対面しているだけ、客になっているだけ。

陽動作戦はもはや受けている側だ。
失礼なアポ電にホイホイ釣られているのだ。

そもそも売りつけられているだけなので、
ビジネスではない。
その証拠に毎年確定申告で赤字になるだろう。
赤字を出すことが正当化されるビジネスはない。

勤め人+大家、これはランチェスター戦略の亜種

2つの要素を組み合わせた事例が勤め人+副業である。

そもそも「一騎打ち」、「集中攻撃」という要素を最初から放棄したような戦法だ。
2つの敵と向き合って、分散攻撃しているのだから。
無論、大家業1本で集中している事業家には負ける。
勤め人などやっている時点で勝てん。

戦略としては下策中の下策かもしれん。

全身全霊で労働者をするのが当然だという勤め人社会にあって、
1人戦場を離れてタバコを吸っている兵士がいる。
ほとんどの兵士は勝利して、階級を上げることを目指している。
ここで、サボっている兵士が目的にしているのは、
「戦力の温存」である。
自分の戦闘能力の温存なのだ。

体力を温存して、疲弊した後、戦闘が終わった後に
まだ使える銃器を拾って売るのかもしれない。
死体になった兵士の持ち物を頂戴するのかもしれない。

もちろん勤め人というコミュニティでは、
唾棄される行動である。
メンタルへも確かにダメージがあるだろう。

勤め人として、戦ってはみたけれども、敗北した。
再起の見込みがない。
と言うのであれば、また別の会社で同じような戦いに参加するのもいいが、
是非、勤め先で窓際社員をしながら、ビジネスを並走させることも
1つの選択肢として、あっていい。
弱者の戦略であり、敗者の戦略が勤め人大家なのだ。

勤め人大家はそもそも戦場が2つ存在する。
勤め人という戦場と、大家業という戦場である。
局地戦に持ち込むためには、
勤め人と言う戦場で守りに徹することである。
つまり「生活費と商売のためのタネ銭作り」
この最低限のカネの獲得以上の戦果を求めないことである。

役員への出世レースに参加するのであれば、
戦場を2つに分けていては勝利できない。
出世という戦場での局地戦を探して勝利したらいい。
それこそ、一騎打ちではなくなってしまう。

スタートから勤め人+大家という戦略を採用した時点で、
圧倒的な勝利は得られない。
中途半端にならざるを得ない。
勝利すべき戦場は「大家業」である。
そして
勤め人業の方は「守備」に徹する。勝たなくていい。
負けなければいい。要するにクビにならねばいいのだ。
(そもそも正社員はそう簡単に解雇できないのだが)

左手にはシールドを装備し、
右手にはグラディウスを装備した、
軽歩兵。

このスタイルである。
左からの攻撃(勤め人)は守るだけ、
右のグラディウス(大家)で攻撃である。

右の武器が十分大きくなったら両手剣に持ちかえる。

給与がなくなっても
大家業で十分に食えるようになったら、
両手剣に持ち替えて、攻勢に出ればよい。

焦ってはいけない。
盾があるのだから、すぐに相手を殺せなくてもいい。
相手は両手剣で戦っている。
こっちは片手で防げていればそれでいい。
トドメを刺すのは先でいい。

勤め人大家の時の敵とは何だろうか?
上司?社長?同僚?
違う。

生活費である。
生活コストだ。

弱い敵だが、これが倒せなければ
次のステージに進めない。
倒すために右手のソード(大家業)がある。
大家業で勝つのは簡単だ。
割安な家を仕入れて、適切なリフォームをして適当な家賃で貸す。
これを2つ、3つ、4つと増やしていけばいい。

そのうち盾が不要になる。

まとめ

① 人生とはランチェスター戦略だ。
② 勤め人大家というハイブリッドはそれ自体は2戦場作戦であり、下策だ
③ 本当の戦場は「副業」、勤め人は盾にすぎない、武器にはならない
④ 盾で防いでいるのは「生活費」
➄ 短剣からソードへ、ソードから両手剣へ持ち換えよう。

をはり