40代勤め人大家をどう生きるか

働き方

ゆるふわホワイト企業で労働力を温存~その後

資本主義では労働者は労働力回復のコストしか支給されず、
カネ&時間の自由は得られない。
ホワイト企業で労働力と時間を温存し、自分のスモールビジネスを育て、
勤め人を卒業する。

これは、「マルクス」ー「ロバート・キヨサキ」ー「聖丁」という
知の巨人達が資本主義と戦う庶民の理論を発展させた成果である。

私も全面的に支持するものである。

但し、聖丁もおっしゃる通り、自分のビジネスを育てたら、
そこから先は「自由」であり、

勤め人の地位にとどまるか?
ニートになるか?
ビジネス1本で生きるか?

それは各自好きにしたらいいのである。

私も「勝手にしろ。」と言われてオロオロするような弱者ではない。
テメーの脳みそで思考して生き方を決めねばならない。

私は、このブログには詳細は書けないような紆余曲折を経て、
晴れて2023年4月を以て、
勤め人を辞めたとしても、世帯CF100万円/月を達成し、
勤め人を辞めるよし、続けるもよし。
この状況を手にした。

あくまでも「世帯月収」ではあるが、
妻との関係が良好である限りは経済的独立を果たしたといえる。
聖丁はニートから経営者の道に進んでしまわれたので、
勤め人継続ルートは、私が自ら開拓していかねばならぬ。

とはいえ、自分(含妻)のビジネスで経済的自由は達成できている。
楽しむ気持ちで、勤め人+ビジネスを進めていきたい。

「現場」の勤め人を続ける道

私が選択したのは生涯一兵卒である。
課長、部長、本部長、取締役といった肩書を持たない道だ。

資本主義の先鋭化が進む現代においては、
管理職の仕事が多岐に亘る。
現場で最も難しい案件を担当しつつ、部下の管理、
他部署、経営者との折衝まで責任を負う。

その割にはヒラ社員より500万円ソコソコ給与が高いという程度しかメリットがない。
私は既に家賃1,000万、CF500万円を自分のビジネス(大家業)で得ているから、
ハッキリ言って管理職と言うポジションはお断りだ。
現場の仕事に加えて、経営者の意図を実現し、ヒラ社員を統率し、
他部署との利害関係まで面倒を見るのはワリに合わない。

実際、私より入社年次も遅く、年齢も若い社員が執行役員となっていく中、
頑なに「部下のいない部長」という現場の社員として、
現場仕事だけを担当している。
私は社会人となって以降、20年同じ仕事をしている。

どこの金融機関だろが、ノンバンクだろうが、事業会社だろうが、
不良債権の回収という業務は一通りのことができる。
リスケジュールによる任意交渉、支払督促、競売、差押、保全処分、
保証履行請求、売掛金調査、不動産への仮差押から、
民事再生法、会社更生法の手続対応、破産手続における管財人との折衝。
担保不動産の任意売却でもなんでも可能だ。

弁護士にはなれなかったが、債権回収分野だけしかやっていないので、
この分野だけは弁護士にも負けない自負がある。
仮に勤め先をクビになったとしても、
債権管理回収業務というキャリアで、転職は容易である。

しかし他人の管理、他部署の折衝、経営層の意図実現という業務は
専門外である。全くわからんので避ける。

おそらくこの得意分野だけでも65歳まで勤め人で
なんとかやることができるだろう。
特に借金の取り立てという業務は「女性ができない」
この時点で競争優位である。
また、不良債権の回収という業務は、
銀行でもどこでも「出世コースから明らかに外れている人」が担当する業務である。
出世コースに乗る勤め人は学歴優秀だし、
折衝力もある。
そんな強いヤツらが入ってこない業務なのである。
優秀な人間は最前線に送られるので、
借金取り業務にはしょぼくれたオッサンしかいない。
そんな中で「ある程度優秀」であれば、無双できるのだ。

さらに債権回収の知識は長くやればやるほど、
熟練される業務である。
「エリート君」が出世競争で敗れて、40代で参入して来ても
知識が何もないシロウト同然で、私の相手にはならぬ。
おまけに出世競争に敗れた人が回されてきても
モチベーションが低いから、成長もしない。

ブラックである金融業界における債権回収は、実は台風の目であり、
無風の安全地帯なのである。
特に金融機関で働いており、激務につかれた人は
積極的に狙ってみることで、新たな境地に至ることができるかもしれない。

加齢に伴い、儀式への参加を求められる

大きい金融機関であれば、債権回収業が安全地帯なのであり、
私もそのように勤め人を続けたいと思っていた。

但し、私の勤め先は大企業型金融ではない。
厳密にはファンド業界であり、
この業界は社員数十名という企業が多い。

最近は戦略コンサルも人気だし、
他の投資銀行業務をする企業とも人材獲得競争をしている。
要するに人手不足である。

私はイチ借金取りとして勤め人生涯を終えるつもりだったが、
そうもいかない事態になりつつある。


さすがに30代前半の若手を
セレモニー的なイベントに会社代表として送り出すわけにはいかない。

役員クラスを出すほどの大きなビジネスでもない。
そんな時、私に白羽の矢が立ってしまう。

ちなみに、
ファンド業界は給与が異様に高いが、
高い給与を維持するために、
少数精鋭で回すことも多い。
よってブラック労働になりやすいので、
多くの勤め人には全くオススメできない。

企業の寿命も短い。
金融危機のたびに倒産するので長く働くのは難しい。
短期で勝負するには良い。

経営者(オーナー)の経営スタイルが千差万別なので、
「業界として〇〇」、という一般化できない業界だ。

その意味で、匿名での発信が必須である私としては、
ますます説明が難しい。
一般化して皆さんに役立ててもらうことができない。

「ヒラの出世しない窓際社員がセレモニーに出席する???」
というワケわけわからん
話をして申し訳ないが、まあそういう特殊な勤め人の戯言だと思ってほしい。

家庭で言えば、
「PTA副会長をやらされる」ようなものだと思ってほしい。

私は結局これを受けざるを得なかった。
しかし、大事にしたポイントがある。

〇マネージャー(管理職)への昇進ではないこと。
〇現場の仕事のうち、債権回収業務(得意業務)以外の業務を減らしてもらうこと。

この2点だ。
経営者と軋轢を起こさない程度に、「取引」をしたのである。

勤め先の役員たちは忙しい。
そこで代わりに顔を出すことや、
ハンコを押すだけの仕事であれば、私の労働力は引き続き温存される。
このポイントを抑えつつ、1つ受けたら1つ押し返す。

「労働力維持」の前提を崩さないように取引するのだ。

オーナー社長が出て来る前の交渉でまとめろ

私にこのような打診をしてくるのは、
勤め人の管理職である。

当然オーナー社長の許可を得て打診してきているのだ。
これをスパっと「お断り」した場合には何がおきるだろうか?

おそらくオーナー社長自ら説得に出て来るはずだ。
そうなると、悪い意味で「目立つ」ことになる。
あいつは仕事を選ぶ奴だ。
交渉にあたった管理職上司(勤め人)の顔をつぶした。
という話にもなるだろう。

それは避けなければならない。

オファーを受けつつ、
管理職上司の権限内でできることを引き出して、
トータルとして「労働力の消耗を避ける」交渉が重要だ。

私がセレモニー参加や形式的な〇〇委員就任を受ける代わりに、
管理職上司の裁量でどうにかなる仕事を押し返す。

管理職上司も「私を説得できた。」という手柄を得る。
そして管理職上司の権限内で可能な業務分担の再構築を引き受ける。
私はトータルで「労働力が搾取されないバランス」を見ながら取引をする。

「オーナー社長」、「勤め人上司」、「私」
この3者の目的が一致する範囲でまとめねばならない。

仮にこの交渉をせず、安易に仕事だけを引き受けると、
私の負担は青天井で増える。

何かを押し付けられるときは、「何か1つ業務負担を外せ」
という交渉が必要なのだ。
これをやらないが故に責任感の強い人が追い込まれていくのである。

勤め人上司は扱いやすい人種だ。
勤め人一本で働いていて、高級マンション、高級自動車、子供の教育費で
首が回っていない。
給料は高かろうがオーナー社長の奴隷でしかない。

しかし、上司の顔をつぶして、
オーナー社長を引っ張り出すのは下策だ。
うまいこと泳がねばならないのである。

年を食った勤め人兼業大家の生存戦略も楽ではない。

つづく