4号物件の分析

04号物件の分析

投資実行に至る状況

当時(2012年9月)の私の状況

2010年に倒産準備に入った勤務先を退職。
私は銀行子会社の債権回収会社(サービサー)におりました。
2010年10月に転職したので、もう2年が過ぎようとしていた頃です。

転職した会社は住宅ローンや投資用マンションローンの正常債権から
不良債権までを扱っており、
証券化したローンの管理回収をしておりました。
リーマンショックで流動化市場はクラッシュしていたので、
不動産の証券化スキームが壊れた債権等もありました。

ただ、2012年の段階では相当処理も終わっていたと思います。
そもそも日本のリーマンショックは金融よりも
製造業等の方がダメージを受けていたような気もします。

今思えばここが最後の『不動産の買い場』だったのでしょうね。
転職先の債権回収会社(サービサ―)は回収が甘くて
私は延滞債権をガシガシ正常先に切り替えて、
さらに完全にデフォルトした債権からもゴリゴリと回収をして、
債権の回収率をグイグイと引き上げておりました。

会社は優秀な人材も最も稼げる場所に置こうとする

4号の投資分析の話でしたが、気持ちが乗ってきたので書いておきますと、
私は債権回収の腕を見込まれてこの銀行の子会社のサービサーに入ったのですが、
成果を出し続けると、
「こいつ使えるな、こっちもやらせよう」
という感じで、稼ぐ部署に異動させられます。
なんと私は、債権回収ではなくて不動産ファイナンスの部署に飛ばされます。

これからは不良債権もなくなるから、ファイナンスだと。
そういう話ですね。
確かにリーマンショックからの立ち直り、安倍政権誕生に伴う景気の回復期待があるので
タイミングとしては良い時期であったのでしょう。
私はとんと畑違いのファイナンスをさせられるハメになります。

ただ、さすが銀行子会社ですので、給料は抜群に良かったです。

夫婦仲は悪い

一方私は給料が増えて、調子に乗っていました。
妻は長男の育児をしながらもサラリーマンをしており、
私の助けを一切受けずに頑張っていました。
さらに妻は二人目の子供が欲しかったのですが、
私は毎晩遅くて、夫婦仲は気まずくなっていきました。
でも、土日だけはしっかり長男の世話(と言うより一緒に遊んでいた)をしていましたし、
ダブルワークも続けていて、しっかり貯金を形成していたので、
生活への安心感は格段に増していました。

ただ、私は貧しかったころはもっと育児にも協力していたし、
給料が安い負い目もあって、妻には優しかったと思います。
必ずしもカネがあることで幸せになるわけではない。という、良い教訓を得ました。

3号物件から1年と7カ月

3号物件は妻名義で、さらに200万円の妻の財形貯蓄を切り崩させて投資したので、
物件も妻名義でした。
今回は晴れて私の名義で買うという決断をします。
給料も増え、ダブルワークの収入もあってかなり強気な投資でした。

1年7カ月で200万円ほどたまっていたので、
(妻の口座に入る家賃には手が出せなかった!)
それに知人からのファイナンスを500万程使って、
4号物件となる荻窪駅徒歩6分のワンルームマンションを投資することになります。

 

4号物件の概要と入手経路

概要

物件一覧もご参照下さい。【別のタブが開きます】

〇投資金額: 560万円
〇融資:利用なし 全額キャッシュ(知人からの無担保ファイナンスはあります)
〇築年:1986年7月
〇構造:SRC
〇管理費・修繕積立金:毎月9,000円
〇間取り:ワンルーム
〇面積:14.46㎡(壁芯)
〇階数:4/5階
〇賃料:58,000円
〇利回り(管理・積立金控除後):10%

知人からの500万のファイナンスは今の私が一般のみなさんから
融資を受けているファイナンスのモデルとなったものです。
このファイナンスは無担保なので高金利(7%)です。
しかしカードローンのように信用情報には見えない借入です。

金融機関も絶対に分かりません。
金融機関の信用情報に乗せずに借りるにはもってこいです。
与信枠を食いません。
(金利は高いですが)

このファイナンスを使いながらの投資となりました。

売り主はまたしてもランドネット

2号物件を買って、当時賃貸の管理を任せていたのがランドネット社です。
この会社が健美家に出していたこの物件に若干の指値を入れて買いました。
またしても売り主がランドネットで仲介はなし。
当時はこの値段でも十分に高い値段でしたね。
いい時代でした。

収益性(高利のバックファイナンスの使い勝手)

表面利回りは12%、管理費修繕積立金を控除した利回りも10%以上なので、
私の投資基準はクリアしていました。
しかしこれに7%のファイナンスを組み合わせて回るのか?
と言う説もありますが、
500万の7%の金利は35万円で、月々3万円以下です。
家賃は5.6万円で、管理費修繕積立金の0.9万円を除いても、
4.7万円の手取りがあるので、まあ、利息を払っても1.5万円得。
という考えが成り立ちますね。
元本の支払は

『私の給料から返済』と言うアクロバティックな技です。
これも転職で増えた給料と、ダブルワークからの収益のおかげです。
実際毎月30万円ずつ元金を返済して、ボーナスでバコーンと返すので、
あっという間に完済となります。

抵当権設定費用もなければローンの費用もない。
繰り上げ返済のペナルティもないので、かなり便利です。

但しこのワザは素人にはおススメできません。
私の場合にはダブルワークや納税額の少なさという強みがあり、
給与+ダブルワークの稼ぎで毎月40万円貯金できるほどカネがありました。

オマケに当時は何と妻にお金を渡していませんでしたので
(共働きなので)
相当キャッシュフローが太かったのです。
また、節約生活も徹底していて、車も保険も家もないので、
500万、7%の借金も屁でもありません。

私の真似をしてフリーローンんで高金利を引いて投資をしようとする方は
よくよく考えてから投資をしましょう。

人生初の売却

2017年12月売却

なお、この物件は2017年12月に900万円で売却しました。
売却理由は
① 売りの経験もしてみたかった。
② 高値で売れそうだった。
③ つい流れで

売却にあたっては楽待の一括売却査定サービスを使いました。
これって楽待が儲かるシステムなんですね。
よく考えてみたら。

これに登録したら1,100万円という査定額を出してきた、
ピタットハウスのフランチャイズの不動産屋がいたので、
そこに依頼しました。

売り出し価格が下がる下がる(下げる)

この一括査定サービスですが、
高い値段で売れますと言っておきながら、全然売れません。
やっぱ高いっすね~。
とか言いながら全く売れず、
「売れないので下げましょう」
という話になってズルズル値下させられました。

「だったら売りやめ」
と、言えばよかったのですが、私も営業マンがいい奴だったので、
ついつい任せてしまいました。

結局三為業者に仲介で卸売していましたね。

私 ➡ピタッと仲介 ➡ 三為業者 ➡ エンド投資家

こういう感じで売られていきました。

結局2倍は儲かったが・・・・

実は当時はスルガ銀行から1,000万円ほどフリーローンを借りていました。
金利は7%です。
そして知人の借金を全額返したのですが、
この返済が毎月11.7万円ありました。

これを家賃5.6万円の物件を売って完済できるならいいかなと思ったのもあります。

2012年~2017年まで大体満室で稼働して家賃も取った上に、
340万円も高く売れたので、まあよしとするべきところです。

しかし、今思えば、別にスルガを急いで返す必要もなかったなと反省しています。
いい物件を持っているなら、損切以外では売るべきではないと思います。
特に勤め人は時間がないので、リタイアして専業大家になったら、
それこそ資産の組み換えなどをしてもいいでしょうが、
それより資産を積んでいくことに集中すべきだと思います。
借りられるだけ借りて買う。これが優先事項です。

結局売って、スルガを返しましたが、
所有物件が減ってしまってさみしくなり、
12号、13号、14号と、2018年は3件立て続けに買いました。
当分、疲れるので売りはやめて買うだけにします。

時間は一番重要な資産です。
例えば今日1日も刻一国と沢山の時間を失っています。
失っても後悔しない使い方をしたいものです。

セミリタイア未満の投資規模しかない
勤め人は、売るより買う。
(但し損切は除く)

肝に銘じましょう。