勤め人が忙しい。
定時退社、有給フル消化、グリーン車通勤を徹底しようと思っていたが、
上司()から余裕があると思われて、
非効率な彼ら流の仕事を振られまくるという失態を犯してしまった。
ここで
この非効率な仕事っぷりを効率化する方向で
組織を変化させ、動かすのもアリと言えばアリだ。
しかしだな
ここまでやってしまうと、
私は役員に出世してしまう。
そもそも仕事の非効率の原因が、
優秀なる上司たちの
オーナー社長への忖度にある。
中間管理職の部長の思惑はこうだ。
「決裁権限者はこう思うだろうから、このように対応しよう」
中間管理職も無能ではないから、
自分が考える決裁権限者の考えに対応して動く。
そうなると、中間管理職は自分の所属メンバーへ
自分と同じような
決裁権限者への忖度的行動をとるように要求する。
この指示が極めてあいまいで分かりにくい。
なぜならば、中間管理職のイメージ、能力と
所属メンバーのイメージ、能力が一致していないままに、指示、指示の実行が行われているからである。
結果として、それぞれがそれぞれの「俺の考える最強の忖度」を実行する。
変な作品に仕上がるので、中間管理職は怒る、呆れる。
(この時点で中間管理職のバカが確定する)
これを象徴する事例がある。
メガバンクの銀行員が、東日本大震災で被災した事業者に対して、
お見舞いの連絡をしろ!
という指示を上司から受けて、被災事業者へお見舞いの電話をしようとしたが、
普段全く連絡を取り合うような関係性がなかったことから、
被災した事業者を怒らせまくった。
という話。
中には、全然取引先のことが分からないから
融資先のウェブサイトを見て、東北支社があるから、
電話したら、融資先は
「お前の銀行が融資を引き揚げたから東北工場は既になくなっているよ。
お前らが業績が悪いから東北工場は閉鎖しろって言ったんだろバカかお前は」
と言われたらしい。
銀行の担当者も2年でコロコロ入れ替えられるから、
融資先のこともろくに引き継がれない。
その結果、トンチンカンなお見舞いの電話となり、
相手を逆に怒らせるという事態になったという。
気持ちのこもらないお見舞い程相手をバカにすることはない。
「大変だと思うから、今は関係の薄い当行からは連絡しないでおこう」
これでいいのだ。
地元の地銀は現金を積んだ輸送車で乗り付けて、
本人確認は知り合いだからOK、1日10万円までの払い戻しに
手書きのノートに記録して応じたという。
まあ、そういうことだよ。
100人もいない企業でもオーナー社長に忖度して
中間管理職が所属メンバーに指示を出す。
残念だが、オーナー社長の意図をくみ取れていないし、
担当者も腹落ちしないまま、仕事をする。
その結果、仕事が進まない。
そして成果もイマイチ。
となる。
まあ、問題の根本は分かっているし、
解決策も分かる。
問題はオーナー経営者の組織の作り方が稚拙なのが1つ。
解決策は2つ
① オーナー経営者と現場を直結させて、指示と判断を明確にする。
② オーナー経営者が完全決裁権限を放棄して、中間管理職に完全に決裁権限を委譲する。
これだけだ。
大きくなれない中小企業は社員を信用していないので
①を選択して、②を避ける。
結果スケールしないのである。
むしろ①と②を中途半端にハイブリッドにしてしまって、
遅い組織・間違った判断を誘発する組織が出来上がるのである。
思い返してみると、前の上司も完全にそうだったので、
こんなことを10年やっているのだ。
逆に
組織が大きくなっていくと、ホワイト高給の体制も維持できなくなるので、
この問題は、問題であると当時に、解決されるべきでない問題で、
勤め人としての私のメリットでもあるな。
と、思い直している。
これが一流の経営者だと、さっさと問題を解決して規模を拡大、株式上場したりする。
そうなると、ホワイト高給は失われていく傾向となる。
よって、私としてはどのようにふるまうべきか?
なのだが、この問題は放置する。
なぜなら解決してしまうと、企業が強くなりすぎて成長しすぎてしまう。
この程度の規模と収益性のまま横ばいでいてもらった方が
私の待遇は維持されて都合がいいのである。
しかし、暇そうに思われる私に対して過度の仕事が舞い込むという
この事態は回避しなければならない。
そうなると、有給フル消化、定時退社、グリーン車通勤という
完全なるホワイト労働の完成を目指すという私の目標を修正するしかない。
今週からは、
「適度に具合が悪そうなふりをする」
「有給は具合が悪い、家族の都合など、合理的な理由を添えて、6割程度の消化に抑える」
「グリーン車通勤」は黙っていれば分からないので、続ける。
結局
勤め人のユートピアを築くことは幻想だったのだ。
幻想を維持する前提が「自分以外の誰かの意思」に立脚している以上、
無理なのだ。
自分のユートピアは自分がオーナー社長になって構築するしかない。
自分の同僚がやっているような「ふるまい」をしつつ、
体調悪そうに残業をしているふりをする。
結局それだ。
バカバカしいが、割に合う間は続けようと思う。
一方で、
このバカバカしく思う感情が、自分を前に進めるというメリットも忘れてはいけない。
私がある程度成功したのも、原動力は「怒り」である。
「こんなに稼いで会社が儲かってもこの給料かよ、このクソッタレ!」
という怒りであったり、
大学の同級生が高給取りになっていくことへの羨望。
これらの負の感覚が自分を前に進めて、
大家業やら、転職につなげていったことも事実である。
そう思うと
この「勤め人ゲームという茶番」を燃料にして、「人生の仕上げ」に入り始めて、
落ちついてしまった自分を再点火するのもいい作戦である。
適度な残業、適度な有休消化、頑張っているふりをして体調が悪そうにする。
(頑張ってるアピール)
最低なパフォーマンスを出しても上司もダメ縁故社員も切られないので、
やってる感じアピール。
もう少しこの世界に付き合ってみるのも面白そうではある。
勤め人とは何か?
単なる労働力販売業、労働力回復のコストとしての給与
これらを越えた何かを発見するために深堀りをしつつ、自分のビジネスも
同時に拡大していきたい。
今日も7:00に出社して午前中に仕事を終わらせる。
まあ「やらなくてもいいけど、やった方が良いこと。」
それはたくさんあるものだ。
それらを適度に成果として献上し、
適度に残業して周囲にアピールだ。
アホらしいけど、たくさんの優秀な人も同じことをしていると思うと、
笑ってしまうし、自分も頑張れる。
つづく
【今日の勤め人】
〇 出張手配
〇 送別会の出席を返事しない人へ電話
〇 H県案件協議資料作成(通す)
【俺の商売】
〇 リフォーム見積待ち
〇 資料持って帰る、ファイル整理
〇 資金繰り確認