2号物件、地獄の釜の蓋を開けた。ーその1-

02号物件の分析

15㎡ ワンルームに入居すること37年 奇跡の2号物件

本当にある怖い話。

私の2号物件の話をしよう。

場所は東京都文京区某所。

閑静な住宅街にある、5階建ワンルームマンションの1室を私の法人が保有している。
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もともとは妻名義で買った物件だったが、
資産を法人に集約した際に買取した。

投資金額は770万円(諸費用込)
家賃はざっと8万円
管理費修繕積立金は合計8千円程度。
ざっと月7万円の手取りということになる。

信じられないことに、
この物件には37年間同じ入居者が住んでいるのだ。
投資したのが2008年、それから13年変わらず7万円のCFを産み出している。
7万円×12カ月×13年である。
総額1,092万円。
更新料も受け取っている。
投資金額はとっくに回収を終えている。

オマケにリフォームの必要もない。
(同じ入居者が住んでいるから)

周辺相場の家賃は6万円以下なので、
相場より2万円も高い家賃を取り続けている。
若干私の良心が痛い。

一体だれが住んでいるのか?

更新の手続の際には契約書が取り交わせない。
2000年頃から更新契約ができていない。

でも家賃は入ってくるので特に前のオーナーが騒いだ形跡もない。
住宅ローンを返済していれば、
転貸していようと何も言わない銀行と同じく。
私も「まあ家賃はいってるからいいや」
と、思って放置してきた。
それが13年も続いたのである。

そもそも入居申込書(昭和57年)に書いてある人物は18歳。
同じ入居者が住んでいれば既に50代前半である。
常識的に考えてそんなことはあり得ない。
多分本人はどこか別の場所で暮らしていて、
このワンルーム内には「何か」がある。
そんな予想はしていた。
(最悪死体、ヤバいブツが隠してあるから相場より高い家賃を払う、動かせないのかもしれない)

そんな摩訶不思議な2号物件の扉を開ける機会がついにやってきた。

管理会社に保証人の父親から着信アリ

「息子と連絡が取れない」

保証人である、入居者の父親(推定80代)から、この2号物件の管理会社に連絡が入った。

「ついにこの時がきたか!」

私は思った。
不動産投資2件目にして順風満帆にキャッシュフローを稼がせてくれた2号物件。
打ち出の小づちのように安定的に稼いでくれたが、私の後厄年についに牙を剥いてきたか!
と。

どうやら本人が住んでいるらしい。
信じられないことに学生から50代前半までここに住んでいるとのこと。

息子と連絡が取れないから、
私の管理会社に電話をしてきたらしい。
そして保証人である父親自身が現地に行くので、鍵を開けて欲しいと言うのだ。
そのためにわざわざ四国から出てくると言う。

「ついにその時が来たか…」

長らく音信不通だったらしく、
毎月手紙(手紙である)で連絡を取り合っていたらしい。
確かに昭和57年当時には携帯電話はない。
電話も引いていなかったということか‥‥。

コロナウイルスが蔓延している状況下(2021年1月)、
私は最悪の事態を覚悟した。

つづく