右も左も『フルローン』
不動産投資は多額のマネーが動きますから、
当然融資が必要です。
さも当然かのように全額借金で賄おうとする傾向がありますが、
フルローンは例外である
そもそも投資をするのに全額他人のマネーで勝負して、
利益だけ持っていこうなんて、
「何かおかしい」ですよね。
まして、諸費用すらローンでカバーしようとする、
「オーバーローン」に至っては言うまでもありません。
じゃあなんでフルローンを金融機関が出すんだ!?
理由は2つあると思います。
ひとつ:取引価格が銀行評価を大幅に上回っているから
銀行が1億円の価値があり、7掛して、7,000万円の担保力
※担保力とは「処分したときに回収できる金額」のこと。
がある不動産であると評価している物件を、
とある事情(売り主の売り急ぎなど)で、7,000万円で買う場合、
この買主にはフルローンが出せます。
何故なら何かあった時に処分して全額回収できるから。
そんな稟議書は起案が楽ですね!
担当者の気持ちになれば分かります。
ふたつ:本来頭金が必要だけど、債務者(ローンを借りる人)はカネ持ちだから大丈夫
でました。
このケースが問題なのですな。
そもそもこれは例外です。
銀行の担保評価額が7,000万円なので、1億円の投資をするならば、
3,000万円の頭金を出してくださいね。
これが大原則です。
しかし、これを言い出すと、3,000万円を出せる人にしか、
融資できないことになります。
(本来するなって話ですけどね)
しかし、銀行も営利目的の株式会社であり、
各支店、担当者にはノルマがあるわけです。
(銀行の役員室)
専務(営業本部長):そうはいっても融資しないと今期は目標未達だよ、常務。
常務(融資審査長):しかし専務、貸し倒れが多発しては元も子もありません。
専務:もう少し担保評価を引き上げるようにしてくれよ。
常務:それでは監査法人から指摘を受けます。
専務:では、こうしたらどうかね?
常務:どんな方法が?
専務:3割の自己資金が確認できればいいんじゃないか?100%融資をしても。
常務:それはもちろん、預金を担保にさせて頂いて・・・。
専務:常務!それでは預金拘束で違法だよ!
常務:確かに。では自己資金のエビデンス確認を厳格に行うことを条件に認めましょうか…。
専務:さすが常務!次の専務はキミだよ。私は頭取だな!はっはっは。
という会話が繰り広げられ、
役員会では「例外」として、きちんと自己資金を確認できることを条件に、
フルローンが認められるわけです。
これを1つの金融機関がやりだすと、
当然実績があがり、
他の金融機関が追随する。
そしてさらに競争が激しくなり、
「自己資金の確認が雑になる」
挙句の果てには、不動産屋が預金通帳を偽造し、
銀行の審査も偽造を気づきながらスルーするというカオスが産まれます。
これがスルガ銀行問題の本質ではないかなと思います。
王道で行くべし
金融機関が3割の自己資金を要求するのは、過去の融資のトラックレコードを
分析した結果、自己資金を3割入れた融資は
貸し倒れになる危険が少ないから。です。
それは金融機関のためでもありますけど、
投資家のためでもある。
ことを肝に銘じてください。
自分のためにも自己資金を多く入れることを
厭(いと)わないようにしてください。
実際私の1件目の投資はかなり返済がキツイです。
2件目は頭金を3割入れたので楽です。
3件目は全額現金なので100%安全です。
4件目も5件目も6件目も7件目も8件目も現金だけの投資です。
その現金投資の物件からの潤沢なキャッシュフローを前提に
9件目、10件目、~14件目までフルローンです。
3~8件目の6件の全額キャッシュ投資と、
9~14件目の6件のフルローン
半分は自己資金を入れているという事です。
これによって、毎月100万円程度の家賃に対して、返済は50万円程。
いいバランスになっており、
何戸か空室が生じてもびくともしないわけです。
どの程度変わるのか?
1億円9%の利回りの物件をイメージしましょう。
フルローンだと1億円 20年 2%の借入だと 月次の返済額は 50万円です。
年間600万円の返済。
家賃収入が満室で900万円なので、手残り300万円です。
しかし空室率が10%、リフォームやら税金やらで10%を家賃からマイナスすると、
900万円×80%=720万円なので、600万円返済で、たった120万しか残りません。
空室率が20%になったらもはやカツカツです。
20年間、ローンの返済だけは絶対に毎月一定額きます。
頭金を3割入れていれば
借入7,000万円、 2%、 20年で毎月の返済額は 35.5万円に抑えられます。
これはかなり余裕があります。
40%の空室率まで大丈夫でしょう。
(900万円×60%=540万円に対して返済 35.5万円×12カ月=426万円
フルローンだったら▲60万円の持ち出し)
と、言うわけで頭金を入れれば入れるほど安定感が増加します。
まず1件目、特に1件目は小さく始める、または頭金を入れる。
そんな方法で、安全に投資をスタートするべきですね。
是非、無理せず。色々な本を読み、ブログを読みましょう。
不動産投資は金融機関に対して返済が遅れるようなことがあると、
そこでアウトです。
信用情報にブラック情報が乗り、もう進めなくなります。
逆にそれさえしなければゆっくり返せますから、
とにもかくにも最初の1歩目です。
大事に刻んでいきましょう。
リタイアを目指す勤め人ならなおさら
将来セミリタイアする予定ならば
家賃 ▲返済の差額で生活するのですから、
返済額は低く、低く抑えないといけませんよね!
家賃は相場で上値が決まっています。
返済してから残ったお金で修繕もするわけですし、
納税もします。
その後に残った最後の最後のお金で生活するのですし、
再投資の資金を出すわけですよね!
ちなみに私の目標は手残り月200万円(税前)です。
まだ家賃自体が月100万円なので全然話になりません。
遥かなる道のりです。