自由の代償

考え方

思想家砂鉄さんはフォローすべし

天才とは世に常にある。
聖丁師匠しかり、あだち先生しかり。

天才、特にその思想を惜しみなく公開する天才には素直に頭を垂れてその聖杯を頂くべし。
さて、思想家砂鉄さんのツイートはいつも考えるべき内容にあふれている。
是非フォローして脳みそのシワを増やしたいものだ。

自由を求めて不自由となりしか

さて、現代は自由を国是とする時代である。
現代の日本人は歴史上もっとも自由に生きていると思ふ。

戦前より戦後、戦後より平成、平成より令和と、
確実に自由は浸透している。

現代は奴隷制度はない。
なぜないかと言うと、それが禁止されているから。
と言うのがタテマエだが、
実際は奴隷制度より優れたシステムが機能しているから。
と言うのが本質だと思う。

資本主義、国家、教育、そして自由さえもが、
その新奴隷制度を支える要素となっている。

本当に自由に生きるということは、無人島でサバイバルすることなのだと思う。
衣食住の全てを自分1人でやることだ。
おそらくその自由が行きつく先は衣食住のために人生を全て使い果たすことになるだろう。

人間が地球を支配できた理由は、
集団で力を合わせるという力による。
1人1人の人間では、強力な補食動物のエサになるしかない。
しかし、武器を作り、罠をしかけ、巨大なマンモスを倒す人間の集団がやがて地球を支配した。

戦闘力の高い人間が戦う。
知性の高い人間が作戦を練る。
手先の器用な人間が武器を作る。
料理が得意な人間が全員分の料理を作る。
それぞれの得意分野を持つ者がその仕事に特化し、
集団のために貢献することで、その力を増したのである。

社会を作る人間が地球を支配できたのはこの要因に拠る。

社会で役割を果たせすことが求められるが…

集団、社会の構成員として生きることが人間であること。
とも言える。
しかし、この社会のために生きるということは、
個々人の自由と衝突してしまう。

社会がより効率的に発展するためには、
個々人がそれぞれ、役割を果たさねばならない。
戦後の復興を果たすために、
農家は農産物の生産拡大に勤しむ。
企業戦士は24時間働く。
企業戦士の妻は夫を支え、子供を教育し、新たな企業戦士を育てる。
それぞれが最大限に働くことで日本は復興を果たした。

企業戦士は過労死したし、
子供は受験戦争に従軍した。
妻達は無給の家事労働を。

よく考えたら皆が奴隷のような不自由さを強いられたと言える。
戦争に行って殺すか殺されるかを強制されるほどでないかもしれない。

しかし、企業戦士も本当は芸術家になりたかったかもしれない。
妻達も夢があったかもしれない。
企業戦士も本当は同性愛者かもしれなかったが、
それを隠して生きて死んだ。
効率的に社会を回すためには同性愛者は異物だ。
子孫を増やさないからだ。
差別して自由を抑圧してきた歴史は確かにある。

それがやっとLGBTもカミングアウトすることができるようになったし、
企業戦士にならずに芸術の道を目指すことも自由になった。
女性も男性と同じように働くことができる。

現代は格段に自由になったのである。
誰もが自由に自分のやりたいことができる。

自由の代償

現代人は大学を卒業した。
そこから
① 大企業に就職する
② 俳優になる
③ 田舎でニート生活をする

どれを選ぶのも自由である。
しかし、それには代償が伴う。
①を選択したら平日は企業で労働しなければならない。
好きな仕事でもないので苦痛だ。
しかし、カネ(給料)は高い。

②は自分が本当にやりたかったことだ。
しかし、バイトをしながらエキストラをしなければならないので、
カネは少ない。

③も良い。
自給自足の生活をして生きることができる。
しかし、カネはない。

全て自由だ!
何でも選べる。
しかし、である。
社会にとって有用なことをしなければたくさんのカネを得ることができない。

企業は奴隷など作る必要がない。
自給自足の自由を選ぶツワモノは少ないのだ。
率先して人は時間を差し出し、労働に勤しむ。
何も強制連行しなくても一生懸命働いてくれるのだから、その必要がない。

資本主義社会では、自給自足したくない者は、
他の自由な人間から買わなくてはならないっ!
買うためにはカネが要る。
カネのためには労働しなければならんっ!

女性は奴隷なのか?

現代の女性は働き、子育てをして、家事もしなければならないと言う。
昔の女性は家事と育児だけだったが、今はそれにカネを稼ぐと言う役割も加わった。

給料を減らして株主への配当を増やす制度に変わって、
資本主義の収奪システムが加速した。
今までお父さんが稼いできた給料だけで、家族は生活できたのだが、
それは許されなくなった。
株主への配当を厚くしなければならないからだ。
法人税も下げる。
なぜなら税引後当期純利益から配当するからだ。

ある意味、他に選択の余地がない昭和世代のための保障として、
高負荷労働、高給与が与えられていたとも言える。

現代は自由が保証されたから、
保障がなくなったのかもしれぬ。

子供を産み、育てる、良妻賢母が強制されなくなった。
女性も自由に生きられる。
子供を作らなくても誰からも批判されない権利(自由)を得たのだ。
自由の代償として女性全体が支払わされたのである。
女性に自由が与えられたのと同時に、
専業主婦でやっていける権利が失われた。

男性も支払いを免れない。
生涯独身でも批判されることはない。
しかし、男性の給与も下がったし、終身雇用の保障も消えた。
大企業のトップが45歳定年制度なんてことを言い出した。
素晴らしき自由の代償に保障が消えた。

家事はしたくない、育児もしたくない、じゃあお前の存在意義はなんなの?

家事は分担しろ、育児も分担しろ。
男性と女性は同じ権利で子供を育てて生活するべきと言う。

しかし、男性側にはそれに従う義務はない。
だって自由だから。

女性側にも家事を全部する義務もないし、
育児をする義務もない。
そもそも子供を作る義務すらない。

自ら望んで避妊せずに子供を作った以上は、
子供に対する義務はある。
それは果たすしかない。

家事育児に協力的でない夫と文句を言ってはいけない。
そもそもそんな夫を選んで結婚したのは自分だから。
家事をしない、育児をしない妻にも文句を言ってはならない。
自由意思で選んだのが今の妻だから。

そもそも、家事育児をしたくない女性の存在意義ってなんなのか?
産むだけ産んで放置したいのか?
逆に男性側も同じ。
カネも稼がず、労働をしない。家事も育児もしたくない。
お前の社会における存在意義は何か?

みんなの本音は自分は楽をしたい、めんどうなことは全部他人に押し付けたい。

まあ、男女の家事育児分担を言うヤツの本音はコレだ。
平等と言いながら、実際は自分がもっと楽をしたい。
夫(妻)は楽をしている。
ふざけんな。

もっと金をよこせ。
こういうことだ。

自由意思の結果として今の配偶者と結婚して、子供を作ったくせに、
文句を言うのは自己批判と同義だ。
家事をしたくなければ家政婦を別に雇えば良い。
家政婦さんへのお支払い分は自分で働くしかないぞ。
子育てもベビーシッターや家庭教師を雇えば良い。
しかしベビーシッターへの支払は自分で稼ぐしかない。

社会を構成して生きる人間である以上は、
誰かに押し付けたいのであればカネがかかるのだ。
資本主義とはそういうものだ。
自由になるためには
○自分でやる
○他人に支払うって他人にやらせる
どちらかしかない。

身近な存在である妻や夫に文句を言うのは筋が違う。
こういう妻(夫)とはさっさと離婚した方が良い。
足を引っ張るヤツといるよりも1人で稼いだ方が早い。

砂鉄さんのツイートにインスパイアされて思いついたことを書いた。
① 自由の代償として現代人は支払わされた。
② 自由になるにはカネが要る
③ カネがない自由な人間は不自由(全部自分でやるしかない)
④ 家事育児の不公平を家族の外に向けて言うヤツは利己主義者だ。

をはり