私の見た目は貧乏くさい

日々雑感

自慢ではないし、情けないとは思っている。

私はなるべく安い物で身を固めている。
私服も安い。
下着は2枚で1,000円のレベルだ。
スーツはAmazonで買う。

こういうヤツだ。
5,000円位のスーツも試したが、
流石に縫製が甘くてすぐ破れたので、1万円程度のスーツにしている。
裾上げはたまにある服の補修をしてくれる店にお願いする。

靴もAmazonで5,000円程度の物を買う。
出張もするし、タクシーもなるべく使わないので、半年でダメになるが、
ダメになったら修理せず捨てる。
常時6足ストックしてあり、毎日履き替えて1週間回す。

ワイシャツも1枚2,000円を超えるものは着ない。

私服も春~秋はハーフパンツとTシャツ。
冬はジーンズにセーターである。

コートや鞄は見かねた妻がそれなりの物を買ってくれたので、
それを使っている。財布だけは10万円程度の物を使う。
メガネもZoffの5,000円のものである。
整髪料も使わない。

みすぼらしい外見にする理由は勤め人

ハズカシイことに私は28歳くらいまでは、
無理をして高めのモノを身に着けていた。
スーツは10万円程度だが、当時としては高かった…。
今なら30万円くらいの物を買うくらいの負担だ。
シャツも1枚1万円程度のものだったかもしれない。

しかし、
当時借金取りをしていて、
財務がタイトな人ばかりと面談していた影響で、
服にカネを使うことが嫌になってしまったのである。

当時は結構住宅ローンの担保処分後の個人向け債権などを回収していたのだが、
茨城の片田舎で、親戚の持っている小屋に住んでいる
母子家庭の家を訪問した時を境に、スッパリと身なりに金を使うのが嫌になったのだ。

恐らく生活保護を貰った方が良いレベルの生活だったと思う。
彼女は息子と親戚からあてがわれた離れの小屋に二人で住んでいた。
部屋はなんと1部屋である。
風呂は母屋のを借りるらしい。
その生活状況を見て、服に金を使うのが心底嫌になった。

自分はまだ金持ちを目指している途中の身分であった。
勤め人の給料も400万円くらいだったし、
不動産も持っていない。
妻との生活のために新宿区に1LDKの中古物件を買って、
リフォームもせずに住んでいた頃だ。
息子は1人でまだ1歳くらい。

自分は共働きで妻が育児休暇に入って、
給料が出ず、400万で生活していたこともあり、
「この母子家庭の生活は、自分がちょっと足を踏み外したらそこにある生活だ」
と、ありありと見せつけられた気がしたのだ。
仮に大企業のエリート勤め人でもちょっと病気をしたり、
離婚したり、詐欺られたりしたら、すぐこのレベルの生活になっちまう。
そう思った。

勤め人としての平均的な服装をする。
それすらも無駄に思えてしまった。
時計もやめた。
常時会社から携帯を持たされているのに必要ない。
コンタクトレンズもやめてしまった。

まあ、茨城の親子には申し訳ないが、
その生活は勘弁して欲しい。
妻と幼い子にもその生活をさせるのは勘弁してもらいたい。
と、心から思えた。

30前のくせに、普通のスーツを着て、
税金も滞納している中小企業の工場でツナギを着て油まみれになっている社長と会うのも気が引けた。
仕事を貰っている外資系金融のエリートは確かに良い身なりをしていたので、
それと比較するとちょっと空しくなったが、
この人たちと私は違う生き方をしようと決めていた。
(ソコソコ勤め人+大家で生きる)

まあ、そんな理由で私は身なりに金を使わない。
博打はしないがタバコと安い酒はやる。
女は困ったことがないので買ったことはないが。
高い店も接待以外では行かない。
一人5,000円以上の会計を求められる店には10年以上自腹では行っていない。

どちらかと言うと財務がタイトな人々と同じレベルの生活をしようと心がけている。
自分も一度エリートになり損ねた身分なので、
ちょっとしくじったら、貧困層に転げ落ちる道が見えている。

ちょっとスマートデイズみたいな会社に引っかかって、
クソ物件を億単位のローンを組んで買ってしまったら、
入居者が入らず、すぐに破綻させられるのである。
油断したら根こそぎ持っていかれて破産である。
破産でもしたら、金融系で築いてきたキャリアは使い物にならなくなる。

古い学歴だけでゼロから勤め人で再出発するのはさぞ大変だと思う。
『自分が人生かけて積み上げたものなど、簡単に失う』と、
実際に失った後の生活をしている人を見てしまうと、心に刻まれるのである。

タバコなど大したカネにはならない。
朝食や昼食を抜いてタバコでも吸っていた方が安上がりである。
ビール1杯600、700円もするご時世である。
酒は付き合いでしか飲まないが、
それでも自腹では1杯300円の立ち飲みがせいぜいである。

自分の今の好調など、一歩間違えたら地獄に落ちる程度のものだ。

ちょっと税務署様のおかげで時間を食ったが、
やっと2023年1月に純資産1億円に到達する。
勤め人の稼ぎもソコソコで、家賃収入も1,000万円に達した。
妻も相続で家賃収入2,000万円(無借金)である。
教育費は読めないが、まあ大丈夫だろう。

それなりの安全圏である高度に浮上して、
安定航行に入ったと思ってはいるが、
むしろそんな時が一番危ない。
ちょっと詐欺師に引っかかれば根こそぎいかれる。
子供が成長してやられてケツを拭かされてやられる可能性もある。

資本主義はやるかやられるかだ。

闇金ウシジマ君を読み返す。

そうだ、これは現実なのだ。
と、思い出す。

政策は国民を貧困化させる方向で今も動いている。
政策を糾弾する立場になったと勘違いしてはいけない。
貧困化に落とされるのは自分かも知れない。
90歳のドライバーは毎日街を疾走している。
普通に歩いていても、ボケ老人に轢かれて半身不随になれば、
自分と家族が貧困層に落ちる。
変な食い物を食って病気になっても同じだ。

政治批判をしているつもりが、
救済が必要な側にいつ落ちるかもしれないのである。

母子家庭に同情するわけではない。
零細企業のオッサンに同情するわけでもない。
私の身なりがみすぼらしいのは、
背中合わせに貧困地獄が存在することを常に意識せざるを得ないからである。

ああ恐ろしい。
クッソ高い服なんて買いたくもない。それは罠の1つだ。
キャバクラも入りたくない。
運命の出会いでもそこにあったら大変なことになる。これも罠の1つ。
600円の生ビールなど注文したくもない。
600円で焼酎カップを買えば、意識が飛ばせる。
1枚1,000円の焼肉屋など入りたくもない。
スーパーで1,000円鶏むね肉を買ったら、3日食える。
そんな生活になれるのも地獄の入り口の1つだと思う。

10億不動産を買って、毎月200万円のキャッシュフローが寝ていても生まれるなら良いが、
私ゴトキの半端者がやることではない。

我日に我が身を三省しながら慎ましく生きようと思う。

をはり