息子の夢が現実的になった。

相続・教育・次世代

宇宙飛行士を辞めて、社長になることが夢になった

来月から小学5年生になる長男の将来の夢が
「東京で会社を作って社長になる」
というものに変化した。
保育園から長男の夢はずっと「宇宙飛行士」だったが、
現実的な目標に変化した。

思えば私も小学5年生までは「プロ野球選手」に憧れていたが、
田舎の小さな町ですら1番上手(うま)いわけではないのに、
プロになるのは無理だなと、冷静に判断する能力が備わり、
諦めるに至った。
その後の夢は漠然と「金持ち」で、
医者か弁護士が稼げるらしいというのでどちらかになろうと決めた。

夢の変化は明らかに私の影響である

子供の将来の夢には親の生きざまが大きく影響する。
政治家の家に生まれれば、当然子供も政治家を志す動機付けが働きやすくなる。
私の背中を見て、どうやら社長になればカネ持ちになれると短絡的に考えているようだ。

常々私は社長であり、勤め人である。
と息子に言ってきた。
世の中の普通のお父さんの仕事という常識からは逸脱しているが、
これが現実だ。
難しい概念である「勤め人+アルファ」だが、
難しいからと言って、実態と異なる説明をしてはいけないと思う。
難しいものは難しい。そのまま理解出来なければそこまでの頭だということだ。
変にかみ砕くよりもありのままに説明してきた。

しかし、息子には社長であること。
ばかりがインプットされているようだ。
妻の実家も会社経営なので、社長=金がある。
ということらしい。

息子は最初、
自分の夢を語ることを照れていたが、
夢は実現させなければ意味がないので、
実現させる以上は語れなければ意味がない。

と、説明したら納得をしたらしい。
金持ちになって自由に生きたいという明確な意思を説明してくれた。

勉強の延長線上には勤め人があるだけだ

子供には常々勉強の延長線上には勤め人社会があり、
勤め人では金持ちにはなれても自由がない。
と説明してきた。
そのいい影響が出て、息子の夢が「社長」になったのは
非常に喜ばしいことだ。

なぜ社長になりたいかと聞いたら
「金があって自由だから」
ということであった。
自由になって何をしたいか?
それは「ゲーム」らしい。
既にニートの才能があふれている。

なぜ勉強をさせられるのか?という子供の問い。

子供は私が勉強の延長線上には労働者、勤め人の世界があり、
この世界ではカネも大して得られないし、
自由も全然得られない。
と常々説明している。

ではなぜ?息子は今勉強をしなければいけないのか?
息子からもよく聞かれる。

将来のため?それは違う。
私は以下の趣旨で説明を試みる。

「勉強をさせられるというのは、まさに勤め人が働かされるのと同じ苦痛なのだ」
そしてその苦痛を受けなければ「自由」の本当のありがたさを理解できないのだ。
つまり子供が勉強を強いられるのは「自由」のすばらしさを知るためなのである。

飢えた経験がなければ食事のすばらしさは分からない。
病気にならなければ健康のありがたみは知ることができないのだ。

そして、勉強地獄から抜け出すためには自分の商売を持って、
勉強から勤め人へと続く奴隷の道を抜け出さない限り、
一生労働力を売って生きる生活が待っているということを
魂に刻み付けるためなのである。

勉強させられる恐ろしさは「抜け出さない限り本当に地獄が続く」という事実

では勉強は教訓を与えるためだけに息子が強いられているのだろうか?
いや、残念ながら現実はもっと恐ろしい。

自分より生まれつき勉強する能力が高い相手と強制参加型のゲームをやらされるのだが、これはゲームではなく、実は延々と続く労働者育成工場のラインに乗せられることなのだ。
実際に延々と勉強をさせられて、大学受験をさせられると、労働者として社会に排出され、住宅ローン、マイカーローン、教育と借金を背負わされて、年老いるまで働かされるのだ。
自分のビジネスを持って自立しない限り、本当に抜け出せないゲームなのである。

私はここまではまだ教えていない。
中学受験までは、遊びたい、ゲームをしたいのに延々と勉強をさせられて偏差値を上げなければ何も与えてもらえない恐怖だけを強いる。
中学受験が終わった後、別にどこの中学に進学しても構わないが、
自分が味わった地獄の意味を教えてあげようと思う。
そしてお前は既にその地獄のゲームに参加させられているんだよ。と。

延々と勉強させられる辛さはサラリーマンの辛さだ。
お前の人生はこのレールから降りない限り、ずっとこの苦しみを味あわされる。
それは最初は親から、次に社会全体から強制されるんだ。と。
そして、ここから抜け出すためには自分のビジネスを以てカネを稼ぐ仕組みを構築するしかない。

これを説明したい。
この事実は私が30代半ばまで気づけなかったことであり、
私がもし子供時代に戻れるとしたら、
一番知りたかったことなのである。

をはり