大家生活も10年以上やっているとこういうこともある。
2号物件で孤独死が発生した。
幸い死後10日程度で親族に発見されたので、大きな問題にはならなかった。
入居者の親族が警察に通報し、特殊清掃を実施。
部屋もキレイに片づけてくれた。
そこまで良い。非常に良い。
でもなぜか、死んだのだから当然に契約は終了と勘違いしており、
大家(私)並びに管理会社への連絡を行わなかった。
結局2カ月家賃を滞納し、滞納の督促で保証人(入居者の父)に連絡を取ったことで、
判明した。
残念だか、入居者が死んだら賃借権は相続される。
借りる権利が相続されたのであれば、
当然に賃借人としての義務である家賃の支払い義務も生じるのである。
今回に関しては保証人であるお父さんも当然に支払い義務があるので、
申し訳ないが、家賃は請求させて頂くことになる。
子を持つ親としては身につまされる事案
この2号物件の入居者であるが、
信じられないことに、
新築から現在に至るまでの38年以上にわたり、
同じ入居者が居住していた。
入居申込書には18歳大学生と書いてある。
確かに死ぬその時まで入居していたので、
58歳までワンルームマンションにずっと住んでいたことになるのだ。
家賃が保証人であるお父さんから毎月送金されたいたことから
推測すると、おそらく引きこもり状態だったのではなかろうか。
大学なのか、就職時なのかは分からないものの、
人間関係のトラブルなどで、社会に適応できずに、
そのまま自宅に引きこもってしまったのではないかと思われる。
これは3人の子を持つ私、親として他人事ではない。
息子が一人暮らしをして保証人にさせられ、
同じように引きこもられてしまったら地獄である。
連帯保証している以上は家賃を支払わないといけないし、
追い出そうにもワンルームなのでカギを掛けられたら入れない。
延々と家賃支払地獄に追い詰められてしまう。
嬉しいのは大家さんだけである。
つくづく息子を立派な社会人にすることは自分のためでもあると思った。
支払家賃の総額は4,000万円!
新築時のプレミアムが乗った状態の家賃(8万円)を延々と38年も支払うと、
総額は4,000万円を超える(更新料もある)。
私がオーナーになったのは築後25年を経過した時であったが、
それでも730万円の投資金額は13年間の保有期間で十分に回収させてもらった。
室内で死んでしまったので、
残念ながら事故物件とはなるものの、自然死(病死?)でもあり、
近所の噂になることもないだろうし、
次の入居者のリーシングは家賃を引き下げなければならないものの、
その次からは告知事項ではなくなる。
長い間相場より高い家賃を払ってもらったので、
この程度の損失は甘受すべきだろう。
問題は修繕費用であるが、これは頭が痛い。
38年も割高な家賃をもらっているので、あらゆる事象は経年劣化とも言える。
キレイに掃除はしてくれたものの、設備の修繕はどうしたものか。
ここは心配だ。
管理会社に任せることにする。
今回の孤独死は色々考えさせられる事案だった。
家賃収入の減少も痛い。
なんとか立て直していかねば‥‥。