勤め人は卒業できないように設計されている。

ビジネスの話

私の勤め人卒業が中断された事例

大家業で勤め人を卒業
実に素晴らしい。

私もそうありたいと思っていた時期があった。

私も
2015年頃に不動産事業が急拡大し、
10年以内の勤め人卒業が視野に入ってきたのであるが、
2016年に税務調査が入って500万円程追徴された。

腰を折られた。
その後、回復して2020年に、いよいよ卒業するか。
と、思った時に、再度税務調査が入った。
今度は2,000万円近く納税した。

原因は過去の記事にあるが、
要するに個人所得の過剰な経費計上である。

5年で2,500万円近く納付させられたということは、
1年あたり500万円だ。
年間、真水で500万円あれば、
普通の家族が生活できるほどのキャッシュである。

このキャッシュが納税されることなく、
手元に留保できるのであれば、
そりゃまあ、勤め人卒業できると思うよね!
という話である。

その後、法人設立、個人もストレートに納税。
という方向に舵を切った。
そうすると

あーら不思議

勤め人卒業なんて夢のまた夢じゃねえか?

と、思えるほど、資金繰りがキツくなってしまった。
2,500万円を10%で運用すると、年間250万円であり、
5年も泳がせてもらえれば、1,250万円で運用できる。

実は納税はせずに運用して逃げるという作戦もあり得るかもしれない(笑)
実際私は納税回避してそのカネで不動産を買っていたので、
普通に考えたら、不動産を売らないと納税資金が準備できないはずだが、
ポンと、キャッシュで支払うことができた(借金はしたけど)。

つまりそういうことである。

世の中で〇〇万円脱税!
というニュースは多いが、
脱税者はその後、速やかに修正して納付している。
実際、脱税したカネをさらに高利回りで運用(事業経営)して、
納税資金を稼いでしまうのだ。

まあ、それはさておき。
納税というヤツは極めてやっかいだ。
これさえなければ、勤め人卒業なんてイージーゲームである。

私の勤め人年収、不動産収入、妻の収入を合算すると、
5,000万円を優に超える額となるわけだが、
1,500万円近く納税していると思う。

まだ高校1年、小学校5年、4年という息子を抱えていると、
教育費の見えない恐怖と戦うことになる。
私の場合は地方の公立高校から、東京の私立大学に通学したのだが、
それでも高校時代で年200万、大学時代で年300万円はかかっている。
ざっと1,800万円だ。
これが3件となると5,400万円。

自宅から地元の千葉大にでも言ってくれたらうれしいが、
そうもいくまい。
私立の医学部まで想定したらおそらく一人5,000万円は覚悟しないといけないだろう。

税引後のキャッシュから15,000万円となると、
高給取りの勤め人大家の私でも少々骨が折れる。

税金で頭を押さえつけられて、教育費で人質を取られる感じだ。

優秀な労働力こそ、国家の富の源泉である。

株式投資をする人なら分かるだろうが、
企業の莫大な純資産を、発行済み株式総数で割ったのが
1株あたりの企業価値と言うことになる。

株価1000円で、発行済み株式総数が500万株であれば、
500億円企業と言うことになる。

この莫大な純資産を生み出した源泉は何か?
ということになると、
間違いなく、それまで企業に在籍した社員の皆さんの労働力である。
間違いないし、それを否定することはできない。

莫大な数の労働者の血と汗の結晶が純資産なのだ。
株式とはそれを細分化した単位なのである。

過去、現在、将来の当該企業の支配権であるから、
株式は価値がある。

よって、企業は良質な労働者を維持することこそ、成長できるのである。
だから、総合商社、マスコミ、大企業は、優秀な大学を卒業した学生を採用するために
莫大なコストを払うのである。
そこコストを払う価値が、本当に、あるのだ。

その成長力の源泉である、労働者には擦り切れるまで労働してもらわないと困るのだ。
特に30代、40代と言うのは、経験、体力、知力が充実しており、
給料の10倍~100倍の生産性がある。
この年代に辞められる、サボられたりしたら、企業にとっては大いに損失なのである。

そこで、労働者はいかに労働しても、
労働だけでは引退などできない程度の給料しか払われないのが原則だ。

総合商社マンだと、適性に投資をし、生活を質素にまとめていれば
おそらく40代までには、引退できるだろうが、
給料だけで生きて、投資も何もしていないと多分アーリーリタイアは無理だろう。

投資、質素な生活ができるのはおそらく全社員の10%もいないだろう。
投資はできても、高給の上に胡坐(あぐら)をかいて、
高級マンション、高級車、子供の教育でがんじがらめになるのが大半だ。
企業は必要な労働力を確保できている。

特に一流大学を卒業するような頭脳を持った労働者には、
官僚、外貨を稼げる企業、先端技術の開発など、
国家の競争力を維持するため、
身を粉にして働いてもらわないと困るのである。

ノブレスオブリージュというヤツかもしれない。
日銀の黒田元総裁にしても、植田総裁にしても(2024年8月時点)、岸田総理にしてもである。
彼らも薄給で高度な仕事を毎日こなしている。
Xで彼らを批判しているのは、間違いなく、低学歴、無能な連中である。

という訳で、私のように、ソコソコの大学を出て、
勤め人+大家でゆるゆる生きよう。
なんて情報の発信は、
ある意味
「国家反逆罪」ともいえる。悪行である。

私が自由にモノを言えるということは、ある意味、日本が言論の自由を認めている証拠かもしれない。
私が黙ったら、何かあったと思ってほしい(笑)

話が散漫になったが、
このようにして、優秀な労働力が、その品質を維持できる限りは、
擦り切れるまで働いてもらおうというのが、「税制」「給与」
つまり社会システムに組み込まれているという話である。

表面上は忠臣、その内実は謀反人

国家全体からすると、
能力がある人物が、しかるべき要職に付き、その能力を遺憾なく発揮することが望ましい。
適材適所である。

能力が高く産まれた者の責務ともいえる。

しかしだな

それを強制されるのは大いにツマらんのである。
国家は私に税制を通じて、労働せよ!
と、命じてくるわけだし、
子供を作って育てて、将来の労働者を供給せよ!
と、命令している。

恐らく個々の役人や政治家は全くそう思っていないだろうが、
資本主義経済下の国家というヤツの意思は明確に「ある」
これに正面から戦いを挑まない限り、
人生の幸福は得られない。

戦う以外に道はない。
金持ち批判や政権与党を批判して戦う方法もあるが
これは失敗する。
一部共産党のような勢力が作れれば、
そのトップに座ることで、ある程度の豊かさは手に入るだろうが、
無知な人民から搾取して王様に座るのは気分がよろしくない。

私としては、資本主義がいいのか共産主義がいいのかしらんが、
今、この世界が資本主義であるならば、
その資本主義のルールに沿って勝利するしかない。

特に親から教育以外には経済的には何も支援を受けられない、
中産階級以下で人生をスタートしたなら、なおさらである。

まずは国家のご期待通りに労働者となり、
労働力を提供して、糊口をしのぐ。
労働力回復の費用を余らせて、蓄積した資本で資産を買う。
資産を徐々に拡大して資産からの収入で、
自分の労働力を買い戻す。

ゼロから出発した中産階級以下の凡人が買戻しを完了するには
少なくとも10年、普通は20年かかるだろう。

私が司法試験をあきらめ、勤め人で成り上がることをあきらめた時、
28歳で貯金ゼロだった。
そこから薄給勤め人+大家をスタートして、17年が経過した。
人生の半分を費やして、やっと買戻しに成功しつつある。

この作戦がうまくいったのは、
間違いなく、私が勤め人に100%コミットせず、
不動産や副業に力を使ったからである。

国家の忠臣のふりをして
実際には謀反の準備をしていたから、
なんとか普通の20年をかけてここまできたのである。

しかし、
私の場合には勤め人70%ー不動産30%くらいだったと思う。
勤め人としての転職、年収UP戦略もやっていたし、
(勤め人スキルを活用したスライド転職)
フルコミット勤め人でも5割が退職する職場で10年生き残ってきたのである。

高卒製造業だったり、福祉業界だったり、
銀行営業のような薄給ブラック労働者の方が、
ある意味、早く労働者から卒業するのは早くなる。
苦しい環境に置かれた方が、逃げ出すモチベーションがUPする。

勤め人とは忠実なる資本主義国家の家臣であり、
勤め人卒業とは君主たる資本主義国家への謀反である。

勤め人と副業(大家)のバランス配分は千差万別。
それぞれの立場で、謀反を実行しよう。
まあ、謀反をしなくても、君主から65歳になったら追放されるわけだが(笑)

をはり