勤め人の出世を回避する理由

働き方

自分の性格を分析するとだな

私は根は善人である。
困っている人が居れば助けなければと思うし、
ゴミが落ちていれば拾う。

先日も目の前で交通事故が起きてオバさんが倒れていた。
急いでいたのだが、
まあ、一番近くにいたこともあるので、
頭を動かさないように意識を確認して救急車を呼んだ。

帰りの新幹線に乗らねばならんのに、階段から落ちて倒れていた
兄ちゃんを見過ごせず、これまた救急車が来るまで待っていたこともある。

まあ、善人なのだ。
大学の時も学部の生徒会みたいなヤツの委員長もやった。
頼まれると断れないところがある。

そんな私がだね、
勤め先の役員から三顧の礼、同僚一同から頼まれたら、
それは必ず出世も応じるのである。
しかし、それをやったらダメだという自分も確かに存在する。

現時点、今の勤め先では私の出世はないと言い切れるのだが、
あえてそうしてきた成果でもあるのだ。
書類はダブルチェックするべきだが、あえてしない。
ミスを上司に指摘させた方が早いし、
ミスをすることで、杜撰な人間だと思われたい。

外部との取引ではミスはしない。
ダブルチェックする。
しかし、内部の書類はしない。
社内には迷惑かもしれないが、これは自衛行為なのである。

その積み重ねもあるし、何より昇進は望まないとことあるごとに
雑談で言っている。
そう言っているヤツは信用を失うので出世はさせないものだ。
特に社長はメガバンクのOBなのでよく見ているのである。

そのような期待値のコントロールはしっかりやっておかないと、
出世はしてしまうものである。

関ケ原の合戦は石田三成と徳川家康の戦いだったが、
西軍の総大将は誰だったか?
そう、毛利輝元なのだ。
しかるべき地位にいるものは、
本人の望むと望まざるとにかかわらず、
神輿(みこし)に無理やりにでも乗せられてしまうものなのだ。

心から望む神輿ならいいが、
私は勤め人の世界には望んで来たわけでもない。
(もともとは弁護士のような独立専門職が希望だった)

期待されると頑張ってしまう自分を知るからこそ、
あえてそうならないようにする配慮もしなければならん。

勤め人としての出世の先

ずっといるだろうと思っていた会社が30歳の時倒産した。
その後、銀行の子会社に転職したのだが、
ここでもドンドン評価された。

評価され過ぎて、激戦区の最前線に送り込まれるということをやってしまった。
やっちまった!
と、思っていたら、
知り合いから今の会社に誘われた。

中小企業なので、異動など、ない。
社員一同ワンフロアの企業である。
これなら理不尽な異動はあるまい。
と、思って来たところもある。

かと思ったら、社会構造の変化に合わせて、業務内容が変化してしまった。
借金取りだけやっていればいいと思って来たのに、
中小企業の業績予想とか企業価値分析をやらされる。
まあ、これが当たらない。
当たるわけがない。
そもそものデータがあいまいだし、下請け仕事なので、
発注元の都合次第で波がある。
会計士も5人くらい居た気がするが、全員無事に退職した。

どうせ当たるわけないのだが、論理的に説明する。
そもそも論理的な説明が得意ではなく直観とタイミング、
交渉でやってきたので、これがシンドイ。

話がそれた。

こうなってしまうと、
以前の仕事のような業界に戻りたくなるのだが、
残念なお知らせだ。
元の業界の給与水準は非常に低い。
今の不動産CFといい勝負だ。

やむなく今のまま留まっている次第だ。
勤め人の人生はつくづく制御不能だ。

ここで適当な資格でも取って、
変化に対応して業務をこなし、
経営の中枢に抜擢されるという努力の方向もあり得るとは思う。

だが、それもまた地獄だ。
管理職的な業務は確かにあるのだが、
管理だけすればいいわけでもなく、
数字も担当も持つのである。
単純に業務が上乗せされる。
持ちきれなくなるまで持つ。
適性な業務量とは何かという分析も議論も1度もされたことがない。

それが中小企業と言えばそれまでだが、
やれるだけやる。
という、スポーツ根性である。

いや、現代ではスポーツの方がよほど科学的な気がする。
私の今の勤め人の状況はまさに中途半端である。
出世もしないし、いい歳だ。
無駄に給料が高い窓際オジサンなのである。

とはいえ、今更方向転換することもできない。
ゆで卵は生卵には戻せないのだ。

解雇されるまで居座りたくなる日々

卒業しても困らないし、
好きな仕事だけができる働き口を探す方法も確かにある。
実際私の業界は高齢化が進んでいる。

金融機関では若手は回収を経験しないから、
常に回収はオッサンの仕事だったのだが、
どんどん高齢化するし、
銀行も保証会社の保証ばかりつけて融資するから、
回収ノウハウがないのだ。

勤め人として有能な銀行員は回収部署には配属されないので、
皆ヨワヨワなのである。
よわよわな上に少ないものだから、
採用難であり、私のような中年オジでも働き口はたくさんある。

だから転職してもいいのである。
上司からしても、私が辞めれば若い人を採用できる予算が増える。

転職すべきなのかもしれない。
しかしである。

邪険に扱って退職に追い込もうとされると、
逆に邪魔をしたくなってしまうものである。

そんなに辞めて欲しそうな扱いをするならば
労働法を駆使して嫌がらせでもしてやろうか。
という気持ちになってしまうものだ。

苦手な業務をあえて押し付けて
ストレスをかけてくるならば、
クオリティの低い納品をしたくなってしまう。

まさに北風と太陽の旅人である。
それが私なのかもしれない。

若いころからこの方向で行くと決めていたので、
後悔はない。
そのおかげで不動産は予定通り増えた。
今の勤め先のおかげで予定以上のピッチで増加した。

しかし、無礼な対応をされると、
こちらも無礼で返したくなるのが小人(しょうじん)というモノだし、
私は実際、小人である。

最低限、社長には恩義があるから直接諭されたら
辞めるかもしれないが、
40代以下で一番勤続年数が長い私に対して
その下の連中がその態度では60歳まで居座ろうかと思ってしまう。

なんだか題名とは全くズレた話になってしまった。

・出世を回避するのは、投資(労働力の投資)と回収(給与)のバランスが悪いから。
・自分の性格的に頼まれると断れないので、そもそも頼まれないようにふるまう。
・とはいえ、陰湿なパワハラをするならば、労働法で戦いたくなる。

そんな話だ。

恐らく誰も私にはパワハラをしていないのだが、
私は被害妄想癖もあるので、面白くしようと過大に書いているところもある。
それを含めてお察し頂けたら幸い。

をはり