優秀な勤め人は出世コース・・・当たり前ですが
何を言っているのですか?
SATはついに頭がおかしくなったのか、
当たり前のことを言い出しております。
会社に限らず優秀な人が出世するのは当たり前です。
そして賢明なる読者の皆さんは、それが決して豊かになる道ではない。
と、私が展開させていくであろうことは容易に推測できると思います。
実際そういう話なのですが、私の経験も踏まえて話をしようと、
自分の人生を振り返る形で記録しておこうと。
最初の勤務先
私が司法試験受験を諦めて最初の就職先に選んだのが債権回収会社(サービサー)。
サービサーとは「債権管理回収に関する特別措置法」と言う正式名称で、
なんの特別措置?かと言うと弁護士法です。
第三者が貸し付けた債権を譲り受けて回収行為をすることは、
日本の法律(弁護士法)では禁止されています。
しかし、バブル崩壊に伴って大量の不良債権が発生し、
早期、大量に処理する必要性が生じたので、
弁護士だけでは足りない!そんなわけで
特別に株式会社に業務を開放したものです。
つまり、弁護士法の特別措置法なので、
弁護士を目指していた私にとっては、
勉強してきたことが生きるだろう。と。
そんなわけで債権回収会社(サービサー)に就職を決めたわけです。
会社は社員の適性をよく見ている
これも当たり前の話ですが、
会社(役員、上司達)は社員の適性をよく見ています。
最も会社がカネを稼ぐために効率よく社員を配置するからです。
私も「法律を勉強してきた社員」と言うわけで、
適正があると思われる、
「法務部」に配属しました。
会計士になれなくて就職した同期もいましたが、
彼は債権評価業務を、
ドコモショップで営業マンをしていた同期は営業部に配置されていました。
新人はそのように入社時の適性や希望を見て配置されます。
大企業ではよく「希望の部署」に入れなかったとかそうじゃないという、
そんな低レベルな話がありますが、
希望の部署に行けなかったことを含めて、
役員や上司が、その人の適性を見た結果です。
さて、そんな法律事務部的な部署に配属された私は、
半年もしないうちにあらゆる法的手続業務ができるようになりました。
そもそも勉強してきたことなので当たり前です。
わずか入社から半年で私は異動の命令を受けます。
SAT君、キミは回収部へ異動だ
債権回収会社(サービサー)で回収部と言えば花形部署です。
間違いありません。
銀行で回収部と言えば窓際族。
法人営業部、市場運用部などが花形ですが、
借金取りの花形は回収なのです。
「法律を学んできた俺が何で回収やねん」
という気持ちは特にありません。
「せっかく法的手続は楽だったのに・・・まあいいか」と言う感じでした。
個人的には金融法人営業がやりたかったですけどね。
その時上司は面白いことをいいました。
「SAT君、これからのキミのキャリアで、法的手続しかできないというのはダメだ。回収ができない人が法的手続をやるんだよ。」
と。
債権回収会社(サービサー)では法的手続の部署は女性でもできる、
(性差別的ですが、昔のことですのでご容赦下さい)
仕事と言う位置づけです。
裁判所に間違いのない書類を作って送る、
それだけですから、ある意味、「事務員仕事」なわけです。
回収の現場で債務者と交渉して、現金を振り込ませて回収できる奴が、
債権回収会社で最も役に立つ人材なのです。
そして私はその花形の回収をやれと、
入社から半年で言われたわけです。
つまり法律手続の事務員ごときは回収マンの下だと。
そういうことです。
そして私がそれをしろ!と言われたことは
私がそれができる新人だと見込まれたからに相違ありません。
そりゃ25歳の若造で、いい大学の法学部出ているので、
それなりに期待はされるでしょうが。
さて、ここでは私が優秀だという事はさて置き、
本質に入っていきます。
優秀な人間はどんどん最前線へ
戦争では重要な戦場には主力部隊が送られる
負けられない戦いでは主戦場には、最も強力な部隊を編成して送るのです。
会社でも当然、利益を稼ぎ出す主力部隊には社内で最も優秀な人間が送り込まれます。
そう、私が配属された回収部隊と言う債権回収会社における主砲の部隊ですよ。
それも回収第1部です。
最も過酷な戦地へ派兵されるのです。
私が配属された債権回収第1部の部長はその「最前線の鬼軍曹」のような人間で、
スパルタ過ぎてついていけない感じです。
私がサクっと法的手続で差押した債務者のところに
さっさと部長自ら出かけていって
「取下してほしかったら500万、それで残債務は免除してやる」
という交渉をまとめて意気揚々と帰ってきました。
そしてその後、私が
「おかえりなさいませ」
と挨拶したら、
「おい、SAT!!!お前なぜ、私も連れて行ってくださいと言わなかったんだ!、学ぶ気がない奴はダメだ」
と、説教です。
「おいおい、お前らが回収できなくて放置していた案件を動かしたのに、その言い草ですかと」
そもそも部長、お前いつの間に行ったんだよと。
理不尽の具体例はさておき。
彼も出世する気満々の45歳でしたから、
銀行をクビになってあの会社で早く出世したかったのでしょう。
法務部では女性とキャピキャピしながら、裁判所への書類作成をしていたのに、
いきなり債務者交渉と、上司のパワハラ我慢担当をさせられて、
「同じ給料」
です。
そう、最前線の激戦地に行かされるので、当然給料が増えるかと言うと、
当然に増えません。
事務系仕事と、債務者と直接対峙して恨まれるかもしれない部署で、
同じ給料なのです。
多少成績が良ければボーナスが数万円多くなりますが、
数万円ですよ。数万円。
土曜日居酒屋でバイトした方がずっと稼げますけど。
前線に行くほど、上に行くほど割に合わない世界
優秀な人は最前線に向かい、社内はそれを喝采して見送ります、
どこかで見た光景ですね。
これです。これ。
お国のために戦場に行く兵隊さんへ万歳三唱です。
日本の会社の大多数はこれですからね。
大企業でも中小企業でも、給料は殆んど変わらないのに、
花形部署(=激戦区、つまり労働と対価の割に合わないところ)に行くと、
何か知らんけど周りが持ち上げる、評価する。
それも「心から」。
狂ってる
私もこの狂った現実に気づいたのは
4社目の会社からです。
債権回収だけ、のんびりやっていたのに、
仕事ができるからと言って、
不動産ファイナンスの営業兵に派遣されました。
もちろん給料は変わりませんよ。
そう、だって雇用契約書にはちゃんと書いてありました。
「異動、配置換え、転勤を受け入れる」と。
そうです。
会社がやっていることは何ら違法ではなく、
むしろ当然のように、キツイ部隊に配置換えできるのです。
じゃあ上に行ったら逃げられるか?
それが全然です。
私の1社目の会社の回収第1部での上司は
まさに「プレーヤーとして成果を出した人」です。
そして、その上司は部長という役職のさらに上、
役員を狙って頑張っていたらしいです。
しかし、その部長はプレーヤーの時にも結果は出しましたが、
今度は部長として、部下5人に自分のプレーヤー並みの成果を出させることも
並行して、実行しなければいけなくなります。
多分彼の部長としての給料は、プレイヤーの時より
せいぜい10万円程度UPしただけです。
それで自分が数字を作りうつ、さらに部下の成績まで責任を持つ?
「割に合うかボケ」って話です。
ですから、今となってはあのパワハラ部長にも同情を禁じえません。
もっと昇進したところで、せいぜい年収1,000万そこそこです。
だったら平社員の給料600万 + 不動産投資で500万 併せて1,100万で
プレーヤーやってた方がマシでしょ?
そういう話です。
私たちのように優秀な能力を持っていると、
社内で「上に上に」行くように洗脳されますが、
違う、横に行くんだ。そして斜め上
それが私の主張です。
上に行くな、断れ。そもそも出世の打診をされるな。
そして自分の専門性が生きる(楽できる)ところで結果を出し続けるのです。
プレーヤーとして一流なのに、わざわざマネジメント迄するからストレスになります。
勤め人(サラリーマン)をもう頑張れない・・・。
と、思ったら、一歩引いて、貸家を買って並走させてください。