価格交渉のルール
前回(不動産価格交渉の妙~その1~)
そして、価格交渉(主に値下交渉)には画一的なルールはなく、売主側の事情をよく分析してそれに合わせた指値をしていくことだと書きました。
また、前回書いていなかったので加筆すると、
売り情報の中には「売る気がない情報」が案外多いです。
「まあ売らなくてもいいけど、このくらいの値段なら売ってもいいかな?」
という程度の売り主です。
このタイプの売り主は困っていないので、売る必要がない人です。
特に売情報をあまり持っていない不動産会社では、
何も売り物がないとカッコ悪いのでとりあえず情報だけ出しておくというケースもあるようです。
このタイプの売り主は値下げ(指値)を全く受け付けてくれないので、このタイプに分類した瞬間交渉は打ち切っていいでしょう。
先に価格を言った方が若干不利になる
相手が売り出し価格を持っていないこともあります。
不動産ポータルサイトに出ている金額はどうせ見せるための価格なので、
売主が金額を提示したウチには入りません。
馬鹿が間違えて買ってしまったらラッキー程度に思って出している価格です。
ですから、最初は価格はあってないようなもの。
お互い腹の探り合いから始まるわけです。
原則としては「売る気がない売り主」以外の場合であれば、
買主有利です。
なぜならば、買い手は別に買わなくても他に投資できる物件があるからです。
売る理由、売らざるを得ない理由がある売り主は、交渉のスタート時において若干不利にならざるを得ません。
そして、双方希望価格を言い合いますが、
ここでお互いの希望額があまりにかけ離れていると交渉にならないので、
話し合いで調整可能な範囲での価格差に留めた価格提示が必要です。
先に正直な希望価格を言ってしまうと、そこが交渉のスタートになってしまいます。
1,000万円の物件に買主が800万円で馬鹿正直に価格提示をしたら。
売主は「お、ラッキー、700万円でもいいとおもってたんだよね。でも間をとって900万円でおしかえしてみよう」
こうなります。
結果700万円以下で買えていたかもしれない物件を200万円も高く買わざるを得なくなってしまいます。
価格は先に言った方が負ける可能性が高いのです。
これを回避するためには、
「鬼のような指値」©加藤ひろゆきさん商標登録予定
をすることが必要になります。
鬼のような指値によって、まずは売り主の売却最低価格を下回って交渉をスタートすることが大切です。
鬼のような指値をする上でのポイント
指値も安ければ安い程いいものではありません。
鬼のような指値をする上での注意点があります。
これは相手を怒らせないことです。
相手にも2つあって
① 売り主そのもの
② 売り主の仲介業者
この2者を怒らせると、交渉が先に進みません。
1,000万円の売り出し価格で、800万円を着地点に決めて、
600万円の「鬼のような指値」を入れるとします。
相手が怒ってしまったら交渉が打ち切られます。
最初から800万円で提示して、
そこから価格を上げないという戦略を取っていたら買えたかもしません。
相手の売り主や仲介業者が感情的な相手だと、
「失礼なヤツ」ということで、今後話を聞いてもらえなくなってしまうことがあります。
これは絶対に避けねばなりません。
どうするかと言えば、
「鬼のような指値の理由を明確に伝える」
こうすればある程度相手を怒らせないで進めることができます。
理由もなく何百万円も値切られると、私もそうですが、
お前には死んでも売らん!
と、言ってしまいます。
不動産を持っているとわけのわからない電話をしてくる不動産屋がいます。
ようするに物上げ(ぶつあげ)という仕事ですね。
この時に「いくらで買うの?」と聞くと、
大抵とんでもない失礼な値段を言ってきます。
その時はさすがの私もいい気分はしません。
無言で電話をオフすることもしばしばです。
指値の理由色々
指値には色々な理由がありますが、
① リフォーム費用が掛かる
② 予算が足りない。
このあたりで良いかと思います。
あくまでも理由は売主が「それならまあ仕方ないけど・・・」
と、思えるような理由であることが必要です。
予算が足りない時には、あと〇〇カ月あれば値上げできる余地もある。
ことを申し添えるといいでしょう。
「カネがねーならしっしっ」
と、言いたいところですが、
売る理由がある売り主、なおかつ長く売れていない売り主は
何とかその問題をクリアすれば買ってもらえるんじゃないか?
と、考えを巡らします。
結論
交渉事ですので、画一的なルールはありません。
相手に失礼がないように紳士的に進めるのが何より大事です。
ダメでも次がありますから。変に執着することなくやりましょう!
をはり