チャーリー・マンガーという天才

運用の話

私の祖母が昨日他界した。

祖母が他界した。
100何歳だったか‥‥
彼女とは晩年疎遠で、10数年会っていない。

故人を悪く言うのは良くないが、
少々クセがある祖母だった。
曾祖母イジメ、母親イジメを行い、
障碍者である末っ子を可愛がっていた。

まあ、その末っ子の叔父が精神障碍者なのだが、
なぜか「この家は俺が当主になる」
と言い出すクレイジーっぷりだ。
(ちなみにこの叔父は一昨年他界)

私の母親が、この祖母のせいで実家から追い出されたので、
父も仕方なく母親について行って、
実家はこの障碍者叔父と祖母、曾祖母が3人で住んでいた。

さらに頭が狂ってるのだが、祖母は
精神障碍者の叔父に嫁を取ろうとして、
中国人の嫁を貰おうとしていた。
名実共に障碍者を当主に据えようとしていたのだ。
戦国時代も真っ青の出しゃばり女ぶりだ。

しかし、不動産の名義は父親である。
そりゃそうだ。
零細小作農民だった祖父は自宅と裏の田んぼ1枚しかなかったのだ。
ほとんどが父親の代で買った田畑である。

資産背景がないと分かれば、
現実主義者の中国人女が嫁に来るわけがない。
そもそも嫁ぎ先の旦那の精神がイカれてるのだ。
零細農家に嫁ぐわけがない。

結局、父がこのクレイジー叔父と祖母の面倒を見ることになった。
私の母親も仏様みたいな人なので、このクソな姑の面倒も見た。
田舎なので、世間体と言うものを気にしたのかもしれんが。

まあ、明後日、この祖母も墓に入れる。
私の実家の負の遺産もだいぶ片づいたということになる。
実家の事業は兄貴が承継したし、
私が岩手に縛られる理由は、後は両親だけ。
という状況だ。

私も祖母とその実家には散々イジメを受けた。
まあ、詳細は仏になった人なので、もう許すが、
私はひ孫の顔を祖母には見せなかった。
せめてもの復讐だったのである。
とは言え、私の遺伝子の1/4は、あの強欲ババアのものであり、
実際強欲だった祖母の実家は、
地元の街で1,2を争う資産家だ。
私のこの性格も、あのDNAの影響があるに違いない。

さて、チャーリー・マンガーの話なのに、
祖母の話とは関係ないのだが、
祖母も100歳オーバーの長寿である。
チャーリーも長寿だった。(享年99歳)

チャーリー・マンガーの命日も11月(28日)だと言う。
長寿の祖母とチャーリー。
奇妙な一致(長寿と死期のみ)を見たため、今日はこの話を枕に。
と言うわけだ。

必要なのは「退屈であること」

チャーリーとバフェットは非常によく似ている。
優良な銘柄を買い、ただ、保有し続ける。
これだけだ。

そして、投資家に必要なことはただ、それだけだと言う。

〇賢い必要はないが、愚かであってはいけない。
〇毎月200ドル(30万円)で生活する。
〇50万ドルで十分だ。それだけでいい。

50万ドルはインフレが多少進んだから、1億円くらいだと思っておけばいいかもしれない。
それで年間5%の配当が得られたら、500万円、
税引き後400万円だから、それで十分だと言う。

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借金は悪。
難しい言葉は1つもない。
全てシンプルで美しい。

妻に30秒で説明し、理解してもらえないものに投資をするな。
ともいう。

そして投資したら、待つ。
10年でも20年でも待つ。

バフェットも同じことを言っていた。
「私は明日、証券市場で取引が出来なくなったとしても困らない」

要するに待つと言うより、売らないのである。
買って持ち続けることだ。

アナリストの助言も聞く必要はなく、
証券市場の価格変動にも関心を払う必要はない。

チャーリーの言葉はもはや人生論であり、哲学である。

大家の場合には多少、修正が必要だ

チャーリーは借金が嫌いだ。

住宅ローン、自動車ローン、過度な教育費。
全て否定している。

まず借金を完済しろ。という。
50万ドルで満足し、質素な生活をすること。

とにかく借金を否定している。

この点、大家業を主業とする私としては、一部修正をしてもらわないといけない。
チャーリーが投資している企業(コカ・コーラ、保険会社、アメックス、ハインツ)
これらの企業は、借入を使っている。
当然である。
エクイティに投資する際にレバレッジを使うことを固く、禁止するのであり、
ビジネスにまで無借金を要求しているのではない。

大家業はとにかく「借入」を必要とする。
他人資本をコツコツと返済しつつ、インフレによる恩恵を受けながら、
自己資本に転換していく作業なのである。

この点、ビジネスとして大家業を考えているのであれば、
借入の禁忌というのは、採用しなくて構わないと思う。

しかし、純投資としての不動産投資には、
借入は使うべきではない。
新築ワンルームの詐欺的なスキームを見ればそれはよくわかる。
また、転売型の不動産投機も同様である。

大家業とチャーリーの考え方はよく似ている。
買って、永遠に持ち続ける。
基本的に不動産も買って100年、200年と、
貸し続けることを究極の目標とすべきである。

充分な自己資金(キャッシュ)を保有しつつ、
家賃の範囲内で質素に生活していくのだ。

2億も3億も必要はない。
1億円でいい。
1億円の借入と1億円の負債。
総資産2億円から1,500万円程度の家賃を得て、40%を返済する。
残った900万円から300万円の運営コストを支払い、
600万円から税を払う。
480万円の手残りで生活をするのである。

これでも毎月40万円だ。
これ以上拡大する必要はない。
もう十分だ。
十分すぎる程である。

私一人で上記の水準は達成済である。

実際、私は大家業があまりに巨大化したために、
〇勤め人に身が入らない問題
〇子供にどう残すかについて頭を悩ます
〇さらに買うための欲望に踊らされる

などなど、問題が生じていない
とは言い切れない。
これ以上の多角化経営は問題を解決するのではなく、
問題を発生させてしまう。

50歳はゲームセットの年齢だ

50歳から勝負なんて、何を言っているのだろうか。
スポーツ、恋愛、結婚、子育て、介護、勤め人としての出世、経営者としての成功。

既に勝負はついている。
ここから誰かと比較なんてする必要はない。

敗者として50歳を迎えたのであれば、
勝者になることを考えるよりも、穏やかに負けないように生きるべきである。

私は幸いにして、勝利者として50歳を間もなく迎えようとしている。
そして手に入れたものはあまりに多い。
妻、子、父母、兄弟、兄弟全員が自立した過程を築いている。
資産は盤石であり、私、妻、それぞれが純資産1億円以上を築いており、
安定した事業基盤がある。

後は穏やかに毎日を過ごしたらいいのだ。
50歳以降はそれまでに蓄積した成果をもとに
「自由」を満喫するための時間だ。

50歳で人生のゲームは試合終了だ。
私も46歳で、野球で言ったら9回表が始まったあたりだろう。

50歳で早期退職して、ありあまる時間とカネがあった
独身男性が、ラウンジ嬢に全額を貢ぎ、
捨てられたところで、ラウンジ嬢を刺殺したという事件があったらしい。

気を付けるのはそれだ。
カネと女の修練が不十分だったというのもあるが、今日は語らない。

何も50代過ぎて、20代、30代の女と付き合う必要はない。
その勝負はもう終わっているのだ…。

カネの勝負ももうついている。
50歳の時点でのBS、PL。
そこまでにするべきだ。
そこまでにする、とはどういうことか?

〇新しいことを始めない。

ということだ。
私で言えば、大家業と勤め人としてやってきたこと、
借金取り、中小企業の再建。これ以上の新しいことはしない。
ブログ、SNSの維持管理。
間違っても、解体業を開始したり、リフォーム業に参入などしない。

〇過度なレバレッジを使わない。

小ぶりな中古ワンルーム、戸建、アパート等。
いままでやってきた大家業を淡々と進める。
借入はなるべく使わない。
少額、短期のローンは公庫を主体に借りるが、
現預金が総負債に占める割合を20%以上にする。

これは極めて重要だ。
ただ、勤め人しかできないから、
と言って、勤め人を頑張るのも、もう手遅れだ。
役員になれるか、なれないか?
どこまで出世するか?
大体見えているだろう。

そもそも勤め人は60歳以降、90歳まで続けられない。
逆に、60代以降も毎日楽しく暮らせる仕事を作り始めないといけない。

ここから起業して上場を目指したり、
20代、30代の相手と結婚して家庭を作ろうとしたり、
そんなことはする必要がない。
逆に1度負けたあなたが、勝てると思ったとしたら、
そこを詐欺師か、パパ活女に付け込まれるだろう。

50歳まで不動産は自宅だけという経験値で、
大家業に入ってくるのも全くおすすめできない。

おとなしく60歳まで勤務先にしがみつくこと。
毎月収入の3割を10年貯蓄し、
優良企業の株式でも買っておいたらいい。

退屈な毎日を楽しむことだ。
資産を十分に構築するためのスリリングな毎日は終わりだ。

つづく