家賃よりお得だから自宅を買うだって?

自宅に関する議論まとめ

家賃を払うよりは自分のものになるからと言う浪費

建築コストが高い。
クッソ高い。
土地よりも建物が高いのは当たり前なのだが、
今は特に高い。
それでも日本人はアホなので、
法定耐用年数20年の家に対して、サラリーマン人生の大半を賭けて支払うローンを組み、
家を買う。
勤め先が定年まで面倒を見てくれるわけでもないこの時代に。である。

家賃が10万円、ローンの返済額が10万円なら家を買った方がいいのだろうか?

オーナーとしてマンションに住む場合と
テナントとして賃貸マンションに住む場合ではコストの構造が違う。

<オーナーの場合>
①物件の取得費=ローン返済、不動産取得税、登記費用等
②管理費修繕積立金
③固定資産税
④減価償却費負担
⑤物件内部の修繕費負担

<テナントの場合>
家賃(更新料、入居時の仲介手数料)

ざっと思いつくだけでも、オーナーが負担するのは5つも思いつく。
そもそもローン返済額と、家賃額だけを比較することがいかに馬鹿げているか。
よくわかるだろう。

家賃10万円はらうなら、ローン10万円の方がお得!という議論は全く間違っている。
比較をするのであればオーナーとして支払う①~⑤を全部包括して考えねばならない。

特に固定資産税はは大きいし、
マンションの場合には管理費、修繕積立金がデカイ。
戸建住宅の場合にはセキュリティ対策も必須だ。
自分で修繕費用は積み立てておく必要もあろう。
特に大きいのは設備だ。
テナントの場合にはエアコンが壊れても、風呂が壊れても、
ガス給湯器が壊れても、オーナーに「おい、直せ」と言えるのである。
これらの修繕コストの負担もデカイ。

目には見えないコストであるが、
減価償却費などは個人で自宅を持っていても確定申告で経費にならぬ。
ひどい話だ。

残念だが、不動産屋のセールストーク
「ローン返済で同じ家賃を払うなら買った方がオトクですよ!」
というのは大間違いなのである。

最強なのは勤め先の借り上げ社宅制度

私の自宅の家賃は18万円である。
6LDK、180㎡の木造築30年だ。

毎月18万円の返済になるローンを組んだらさぞ豪邸が買えるだろう。
しかし、私は絶対に買わない。
18万円で勤め先が借り上げて、私に10万円で貸してくれるのである。
差額の8万円は会社が負担する。
その分給料が下がっているのかもしれないが、
給料で受け取れば、社会保険料や税金がかかってしまう。

借上げ社宅は会社負担分が実質的には給料なのに非課税になるようなものだ。
こんなオイシイ制度はない。
働くならば、借り上げ社宅制度がある会社に限る。

30年という人生の大半を同じ家で暮らすという不合理

私は戸建など買わぬ。
なぜなら今は子供が3人いるから、6LDKでもいいが、
彼らが巣立って行ったら夫婦二人で6LDKは持て余す。
2階建てというのも面倒だ。
庭の手入れもメンドクサイ。
子供が巣立ったら便利なハイグレードマンションに引っ越す。
子育てに要する期間は長くても30年だろうから、
その期間住んで、売るという手もあるだろうが、
その30年の間、同じ家に住むと言うことがありえるのか?

離婚したらどうするのか?
転勤したらどうするのか?
転居を伴う転職の必要性が生じたらどうするのか?
病気になって収入が減って田舎に引っ込むことはできないが?
稼ぎまくって年収が増えていい家に転居したくなったらどうするの?

30年同じ家に住むと言うのは実にばかげている。
ましてや一生住むなんてのは自分の人生に成長が伴わない。
と言っているに等しい。
成長しないことを望む人生など生きるに値しないとすら思う。
売ればいいじゃないかというが、
その手間、リスク、税を考えたら賃貸の方が100倍自由度がある。

家賃10万円を受け取って、家賃10万円の家に住んだら、タダで暮らせる。

8万円の家賃を払っていて負担に思って、
1,000万の頭金を出して家を買って、毎月8万円のローンを払う。
こんなバカげた話はない。

1,000万円で月8万円の家賃で貸せる家を買う方がいい。
8万円受け取って、家賃を8万円払ったら、プラマイゼロだ。

頭金で1,000万円は文字通り溶ける。
マンション建設業者や建売業者の利益で文字通り消えてしまうのだ。
寄付みたいなものだ。

虎の子の1,000万円を年8%で運用したら80万円。
20年で1,600万円だ。
それをお布施にするなんて、日本中総バカである。

と言うわけで自宅は贅沢な消耗品である。
こんなものを借金してローンを組むなんて、
自分の人生を奴隷に貶めることと同義だ。

私は絶対やらん。

※但し、超都心のマンションは別だと最近は思っている。

つづく