勉強しない息子は放置するしかない

相続・教育・次世代

自堕落な生活をする夏休みの息子

有名お私立中学に通う息子。
案の定、自堕落な夏休みを過ごしている。

Nintendo Switchを1日8時間こなし、
スマホゲームやYoutube、電子書籍で漫画を読む。
母親が食事を作ってもゲーム優先ですぐには食べず、布団は敷きっぱなし。
腹が減れば勝手に冷蔵庫を開けて、
次男三男のお弁当の食材である冷凍食品を食べては、
母親の怒りを買っている。

このように夏休みの子供に手を焼いている母親は多いだろう。
我が家の名門お私立中学の天才児も「ごたぶんに漏れず」、
ひどい生活を送っている。

これをいかんせん。

私の幼少期はいかがであったか?

自堕落な人間というものは世界中に数億人いるだろう。
私自身、完璧な人間かと問われれば、
、どちらかというと怠けるのが大好きな人間だ。

「楽をするためなら、どんな苦労でもする!」

これが私である。

私の幼い頃は、家が兼業農家で、畜産もやっていた。
平日は6時に起こされ、玄関を掃き清め、
掃除機をかけるのが仕事だった。
土日も遊びに行けず、「稲作の手伝い」やら「牛の世話」をやらされたものである。

好きなファミコンもあまりできない。
夜になると、飲酒した父親と、居候の叔父がケンカをして
いつも怒声が飛び交う家庭で幼少期を過ごした。

私は幼いころから、
実家が大嫌いであり、「この家を出たい」と思っていた。
そして高校受験のタイミングで、
県内2位の進学校に進みたいと親に申し出たのである。

岩手県は面積が広いが学力の平均は低い。
マトモな進学校は当時盛岡市にしかなかった。

私の実家は盛岡から自動車で2時間の距離にあり、
実家からの通学は不可能。
県内学力1位の盛岡一高や2位の盛岡三高に通うために、
「下宿」をするというのが一般的だった。
私の通う中学校にそうやって下宿して親元を離れている先輩がいることを知り、
私はこのシステムを利用することに気づいたのである。

幸運なことに、私の父親は教育には比較的コストを払う人間だ。
遊園地やら海水浴やら旅行はもちろん、外食すらしたことがない。
平日は勤め人、土日は農業、畜産、川で漁をしたり山仕事をする人間だ。
小遣いなど1度ももらったことはない。
しかし、教育には惜しみなく投資する人間だった。

この劣悪な家庭環境とオヤジの性格を総合的に判断し、
私は勉強で自分の環境を変えようと決意した。
「十五にして学を志す。」である。

劣悪な家庭から脱出して、自由に生きたいと思い、
私は親元を離れて、盛岡での下宿生活を手に入れた。
親の監視もないので、ファミコンもできるし、
土日に家の手伝いをさせられることもない。
私は自分が望む幸せを手に入れたのだ。

私が息子だったら、おそらく息子と同じような中学生になっていただろう。

私は劣悪(そこまでひどくもないが)な家庭環境から脱出するために勉強をしたが、
息子は私と違い、家の手伝いを強要されることもない。
ゲームを制限されることもない。

私が仮に息子であれば、ゲームもできるし、自由に1日を過ごすことができるのだから、
そうする。
恐らく私が息子と同じ環境に居たら、彼と全く同じ生き方をしていた可能性が高い。
そう、私の幼少期と違い、彼には勉強をする理由がないのである。

そして、彼はクラス最下位の成績を叩き出し、
最低限の補習授業を受けながらゲーム三昧、自堕落な生活をしているのである。

これはやむを得ないことだ。
よって、私は彼の自主性に任せることにした。

「少年の幸せ」には期限がある。

私は彼の自堕落を容認する。
自堕落であろうと、勤勉であろうと、それは彼の自由だ。
私はそれを強要によって修正しようとは思わない。

いずれにしても親には子供が成人するまで養う義務がある。
障碍者であろうと、天才児であろうと、親のその義務は不変だ。
私はその義務を果たす。

しかし、
現時点から息子に明確に言っておく。

それは、
「18歳以降は大人として扱い、資金的な支援をするかどうかは私が決める。」
という事実を今から告知しておくことだ。

息子に対しては「私が許容するレベルの進学でなければ資金的な支援はしない。」
と、名言している。
仮に「Fランク大学に合格したから学費を出してくれ。」
と言っても私は100%出さない。
具体名を出すとアレなので控えるが、
目的も不明確なまま、しょうもない進学をするようなら資金支援はしない。

Fランク大学に進学したければ、
ご自分でお金を稼ぐなり、奨学金を借りるなどして、
学費を支払えば良い。

思うに、目的意識もなく、Fランク大学に進学する奴は、
親のカネだからFランク大学にとりあえず進んでいるのだと思う。
就職もしたくないし、かといって一流大学に進むための努力もしたくない。
だからFランク大学に進み、そして何もせずに4年を過ごすのである。

よって、小学生、中学生の時点で、
「お前は18歳を過ぎたら、この資本主義の世界で自力で生きることを強制される」
ということを前もって伝えておくことが重要である。
18歳を過ぎたら基本的には家から出て行ってもらう。
経済的に自立して生きてもらうのである。
親からの資金支援を得たかったら、親が納得する条件を提示して、
まさに「取引」をしなければならない。

と、息子には、ことあるごとに伝えている。
それを理解した上で、自堕落な生活を続け、赤点を取るのであれば、
もはや何もいうことはない。
それが彼の選んだ人生だ。

そう割り切って対応している。

どうにかなるのは自分だけ、息子とはいえ、別人格である。
義務は義務として果たす。
しかし果たした後は私も自分のカネを出す以上は納得できない支払請求は拒否する。

補足:私の話を受けての息子の反応

残念なことに息子は顔が良い。
女にモテる。
小学校のうちから女にモテた。
(少なくとも私が経験しなかったエピソードが数件ある)

そしてさらに残念なことに地頭(じあたま)が良い。
塾には行っていたが、成績は振るわなかった。
それでも結局、有名お私立中学2校にポンと合格してしまった。
早慶レベルの偏差値が必要な日程も合格した。

それを前提にしているのかは私は知らないが、
私が「18歳までしか資金支援はしない。」
「進学は私が認める大学に進む場合にしか学費は出さない。」
「資本主義社会はカネを稼げない人間には地獄だ。」と言うと、

息子は、
「〇〇大学とか△△大学に進学するなら資金支援が得られるのか?」
という趣旨の質問をしてきた。
私が「まあ、〇〇と△△大学なら金は出してもいい」と答えると、
息子は「じゃあ18歳までにはそうするだろう」
とのことだ。

彼曰く、大学受験までは先が長いので、今から必死になる必要もない。
今は自分が好きなことをするので、放っておいてくれとのことだ。

本人は自堕落だとは思っていないし、
与えられた環境下で楽しく毎日を過ごしているようだ。

親の心配など「どこ吹く風」だ。



息子の人生に介入する暇があったら、
お前自身のしょうもない経済力や不健康を改善しろということなのだろう。

世の親は子供の人生に介入する前にテメーのしょうもねー人生を改善しろってことだ。

つづく