人生のやり残し

相続・教育・次世代

妻の実家の建て替え

資産家となり、子供を3人ももうけた。
私が今世に産まれた理由はほとんど回収したと思っている。

あとはジワジワ増える資産を眺めながら、
子供の人生を鑑賞するのが楽しみである。

ある意味、私の人生に子供をもたらしてくれた妻。
資本家成り、勤め人卒業のための盤石なCF基盤に王手を打ってくれたのは、
妻の相続であった。

そう考えると、私の人生の詰めは妻のお陰で成し遂げたようなものである。
これに恩義を感じない程、私は鬼になりきれない。
感謝だけでは報恩に足りぬと思う。

そんな妻の心残りは、
「実家ビルの建て替え」である。
祖父の代に建築して、未だに妻の実家に安定的なCFをもたらすこの建物。
これを建て替えて時代に残すと言うのが、
妻の今世の最後の宿題だ。

義理を果たすにはちょうどいい目標である。

ここまでは、力を貸してやりたいし、
実は、このプロジェクトが成功した瞬間、
SAT家の資本家の地位固定が、
9割、成功してしまうのだ。

安定的なCFを産む好立地のビル。
過度な借入をヤッてしまうと、このレバレッジの刃は自分に向く。
しかし、これをウマイ具合に成し遂げた場合には、
その後40年(つまり1世代~2世代)の一族の繁栄をほぼ約束する。

取り組むにはふさわしいプロジェクトだろうし、
これさえやり遂げてしまえば、
私達夫婦には、まさに思い残すことはない。
と、なるだろう。

問題は現預金の不足

妻に良質な不動産を残してくれたことは大いにありがたいのだが、
1つ残念なのが建て替えに向けたプランが全くなかったという点である。

プランもなければ頭金もない。
文字通り不動産しかない。
ほぼ満室稼働している状態から、建て替えるとなれば、
立ち退きの問題もある。
今はもうインフレや人件費上昇で、建築コストは目が飛び出すほど高い。

無理をすれば融資を組んでカツカツのプランで建て替えることはできるだろうが、
ヘタな計画で走り出してしまったら、
収支が回らず、せっかく資本家成りしたSAT家の屋台骨が傾くことになる。

建設業者に吹っ掛けられたり、
追加工事!追加工事!というハメ技を掛けられてキャッシュを根こそぎ持っていかれた上に
返済もろくに回らず、結局手放すことになる。
そんな将来も当然あり得る。

ここで大博打に出るのは極めて危険なのである。

安全策を取るのであれば、
建て替えは次世代に先送りをして、
私達夫婦の代ではキャッシュフローを取りつくす。
解体して更地にしておいて、
築古戸建の再生、賃貸事業の方を拡大するという手もあり、だと思う。

ただ、これをやってしまうと、
初代SAT夫婦の代では建て替えが実現できない。

まあ、それはそれでいいかもしれん。
ギリギリのCFの状態で、建て替え資金の蓄積。
既存テナントの退去コストの負担。
取り壊し費用の支払い。
地盤調査、近隣対策などなど。
これらの鬼のようなマイナスキャッシュフローの連続攻撃を短期間のうちに浴びてしまうと、あっという間に資本家から転落するだろう。

私の不動産と妻の不動産でなんとか、
資本家成りを果たしたのであり、
妻の不動産を建て替えることで、CFの半分を失って、
高い建築コストの負担に耐えながら建て替えを進めるのは危険極まりないのである。

妻の不動産CFを完全にカバーする私の不動産

この状態まで拡大する必要がある。
私が勤め人を継続する限り、この状態は維持可能だが、
せいぜいあと10年程度である。
つまり、持続可能ではない。

どうしても不動産、事業で失われるCFを補填する必要がある。

即ち、SAT法人の拡大が必要不可欠となる。
あと10年もあればそれは達成可能だろう。
私は56歳。

そこから建て替えに着手して3年、まあ、私が還暦60歳のアタリに完成、
稼働までこぎつけたら、私の妻への恩返しも完了ではなかろうかと思う。
それは同時にSAT家の資本家成りの集大成にもなるだろうし、
荘厳なビルは、息子らのいずれかが、承継したいと思わせるには十分なものだろう。
(逆に兄弟不和の火種かもしれんが)

次の目標を見失っていたが、
『死ぬ前に妻に恩返しをする』という新しい目標を作った。

しばらく勤め人をしながら、SAT法人を強化していくことにする。

をはり