元金の返済という貯蓄

資本主義の分析

私の満室家賃は約1千万円

別に住宅ローンでも同じことであるが、
元金の返済の性質について理解しておかねばならない。

聖丁も言っているが、
「価値の下がらない自宅を買え」
という本質を理解するためにも、
ローンにおける元金の返済を知っておくと心が安らぐ。

さて、
私の満室家賃は1千万円程度だ。
分かりやすくするために、月100万円としよう。
そこから諸々経費を支払っているのだが、
現在ローンの返済がある。

①公庫
(1) コロナ融資毎月 58,000円返済
(2) 底地買取 毎月 90,000円返済
(3) 屋根外壁修繕  75,000円返済
②住宅ローン   毎月 60,000円返済
③MSTL&F    毎月 50,000円返済

合計 33万3千円

これは元金の返済額だ。
毎月返済をしてもキャッシュフローが出るという物件は最近メッキリ少なくなっているが、
私は買った時期が良いので毎月+のキャッシュフローが出ている。
さらに元金の返済分33万円は、これは「貯金」のような性質がある。
この元金の返済部分は返済した額と同額が、「自分のもの」になったということである。

大家はBSとPLの両方で稼ぐ

X(Twitter)を見ていると、
昨今の不動産市況の活況で、売却により大きな利益を出したという
自慢ツイートをよく見る。

単純に説明すると

1,000万円、家賃8万円の貸家を買う。 フルローン返済は毎月6万円(元金返済5万円)

1年後 家賃CF24万円 元金返済額60万円(残債940万円)
2年後 家賃CF24万円 元金返済額60万円 (残債880万円)

10年後 累積家賃CF240万円 元金返済合計600万円 残債400万円

となる。単純な四則演算である。
さて、ここで、聖丁も言うところの、価値が下がらない自宅(土地価格)を買って住めという言葉が生きてくるのである。

この貸家を1,000万円、つまり購入額と同額で売却できるとどうなるか?
手数料等は考慮しない。

そう、1,000万円の売却代金から、ローン400万円払って、
600万円が戻ってくる。
元金を返済していた分は全額戻ってくるのだ。
この点が貯金と同じという意味である。

仮に1,500万円で売れたりしたら、1,100万円手に入る。

毎月の収益(PL)も得ながら
売却益(BS)からも利益を得られる。

これは不動産価格の上昇期のみ可能な戦略であるが、
これが可能である。

不動産が安い時期に仕込み、
高い時期に売る。
普段は家賃を得る。

不動産ビジネスのポイントはこれだけだ。
仲介手数料等のあぶく銭を稼ぐ必要がない大家は、
このスタイルでずっといける。
我々が目指すべきはこのスタイルだ。

大家業のみでは人間性の成長はない

大家業しかしておらず、
著名な人物というのが思いつくだろうか?

私はだれも思いつかない。
加藤ひろゆき先生は有名な大家であるが、
随筆家、ラジオDJ、ハリウッド俳優というエンターテイナーである。
表現の場を持っておられる。

他の専業大家は大体、
投資、借入、賃貸の日常を発信しているだけで、
大したことはない。
ワナビー大家や同じ業界の人間を集めてセミナーをするのが関の山である。

大家業だけでは人間性が成長しない。
結局「相続」の際に、
人間力が極めて低いコドモに相続されて全て失うのがパターンだ。
そう、
次世代が特に劣化するのである。

私もダブルワークの勤め人、大家業と収入を複線化させてきたが、
私のような人間が子孫に産まれなければ、
再度資産を形成することはできない。
いや、
私のレベルの人間であっても、
専業大家の家に産まれていたら、どうなっていたか分からない。
「どうせ親の財産で食っていける」
と、タカをくくって成長する機会を失っていたかもしれない。
いや、その可能性が高い。

貧しく産まれたから、
勤め人+家賃という生き方を編み出したのである。

私1代にとどまらず、
子々孫々まで繁栄をさせていくためには、
「一族の中に、成功する法則、すなわち家訓」を刻み込んでおかねばならない。
それを創造するのが今後の私の仕事だ。

現時点では
息子らに資本主義の強烈な洗礼を浴びせる。
即ち地獄を見せるというのは必須だと思っている。

〇低スぺ勤め人という地獄。
〇失敗する落とし穴(仮想通貨、ネットワークビジネス、株、FX)
〇非モテ地獄

などなど。
私も陥って克服してきた地獄をいったんは垣間見せる。
クリアの仕方は教える。

大家業というビジネスモデルは実に素晴らしい。
攻守そろった商売だ。
しかし、完成してしまうとあまりに素晴らしので、
子孫が堕落する。
いや現役世代も堕落するという問題がある。

幕府を開いた家康のように
将来まで含めた安定が築かれるシステムを構築しなければならぬ。

つづく