あれだ。
一人でできることには限界がある。
何をいきなり言い出すんだ?
と、思うかもしれないが、
勤め人の話である。
私の担当顧客というか基金(ファンド)は4つ。
A,B,C,Dがあるのだが、
Aの仕事をやりながらB、C、Dを回していく。
4ファンド全てにIR、募集、投資、回収と業務が存在する。
これを一人でやるとなると、1つが限界だと思う。
SAT債を一人で募集、事務作業、投資、返済をするのと同じだ。
これが4人いれば、4ファンドやることもできる。
1ファンド1名という戦法もあるが、
これを募集担当、事務担当、投資担当、返済担当と分けると、
業務が効率化する。
共通業務を一人が選任担当化すると、
業務遂行力が洗練していくのだ。
ファミレスでも「接客」「調理」「人事」「清掃」と
分業することで、それぞれの業務が習熟していく。
多能工とか言って、接客もできるし、調理もできる、シフト管理もすれば清掃もやる。
という、そんな社員が重宝される傾向にあるが、
これはデフレ型の雇用であろうと思う。
やはり資本主義の本領発揮といえるのは、
分業体制の構築だ。
聖丁の言う、カレーの作り方である。
経営者は全業務を薄く広くできる必要があるが、
一般兵は全部できる必要はない。
私も今の会社に入ったときは1業務の専任だったのだが、
徐々に多能工化させられてきた。
そのおかげで1業務に関してのスペシャリストではなくなってしまった。
まあ、勤め人のスペシャリストなんてカッコ笑なのだが、
これがシンドイ。
お勉強で言うと英数国社会理科の5科目で合格点を並べるような難易度だ。
数学だけ異常に得意なヤツ、日本史の特定分野にだけ完璧な知識を有するヤツ。
そういうのはたまに、いる。
そういうのを5人集めたほうが、一人で戦うより強い。
まあ、勉強に限っては東大に行くようなメンツ一人のほうが強いのだが、
仕事ではそうもいかない。
法律知識、コミュ力、分析力など
得意分野ごとに人材を配置したほうが強い。
年末で取引先へのあいさつをしている間に、
事務作業が滞る。
書類の内容を精査しなければならないが、
こっちは新幹線でベトナム人の巨大な荷物に挟まれながら、PCを開いて
狭い画面を老眼で見ながらチェックするのは、まあシンドイ。
オフィスで3枚画面を出して、コーヒーでも嗜みながらチェックするほうが楽だ。
勤め先でも結局各自が得意分野にどんどん専門家していく。
結局そのような組織化がある程度の規模になると必要である。
大家業でも、
大規模化していく人は、賃貸管理の内製化を行ったり、
保険も自社で内製化したり、分業化をしていくケースが多い。
ポールさんのような天才だと、
一人で社員を使った分業化をしないまま、拡大し、
さらに一人でデベロッパーまで兼務してしまうこともある。
アレで社員を統率する能力まであったりしたら、
上場するだろう。
どこまで規模を追うのか?これは経営者、オーナー次第である。
私は家族以外の社員を採用するところまではやりたくない。
一人で全部見られる範囲で拡大し、
家族経営。夫婦で見られる範囲で拡大して、業務は外注。
後継者の1家族まで面倒が見られたら十分であろう。
3人がメシを食って普通に暮らせる範囲でいい。
私夫婦で2,000万(額面)+息子に2,000万。
4,000万の役員報酬が総額で支給できれば十分かと思っている。
逆算すると、営業利益が4,000万。
営業利益4,000万確保するとなると、
家賃は4,000万では足りない。
30%程度を管理諸費とすると、
6,000万の家賃があれば、1,800万が管理諸費。
4,000万の営業利益が確保できる。
返済比率が50%とすると、12,000万の家賃があると、
なんとなーく、4,000万役員報酬をとってもいい気がする。
(雑な理解だが)
返済比率は30~40%が私の投資スタイルでは可能なので、
ざっと家賃1億、4割返済して、6,000万。
3割管理諸費。
まあそんなところ(家賃1億)がゴールだと思う。
これ以上の規模追求は不要だ。
家賃1億、一人1,000万の給与を取って、3人~4人。
60代でここまで行けたら御の字だと思っている。
逆にここまで言ったら、家賃の質を向上させる。
築古戸建多数運営から、好立地SRC数棟運営への質への転換。
既に勤め人の給与を除いても、
夫婦で2,000万の役員報酬を取れるレベルには達しているが、
追加投資、子供の報酬(現時点では教育費)は
勤め人で稼いでいる。
今はそんな状況だろう。
60代で家賃1億。
一人か二人の息子を社内に取り込んで、
徐々に事業承継をやっていく。
相続で半分国家に没収されるから、
70代、80代で、家賃2億の規模まで拡大しつつ、
相続で半分取られてまた家賃1億に戻る。
息子(後継者)がまた20年かけて、2倍に増やしてまた相続。
そんな感じでSAT一族の永続的繁栄と回転。
そんなイメージである。
実際は相続対策をするから、半分失うということはないだろうが。
もっとシンプルに、
必要な役員報酬の2倍。家賃(売上)を確保していくのが
基本的な組み立て方になる気がする。
分業体制まで考えなくても、
大家業という難易度が低いビジネスならば、全部自分でやる。
むしろ自分でできないと、マズイ。
私のような逸材であれば、勤め人と並走させるが、
それができない世代も当然あるだろうから、
そういう世代は大家業だけで現状維持で次世代にパスできればOKだ。
勤め先のビジネスモデルだと、
偏差値60以上の社員をそろえる必要がある。
これは永続的ではない。
ファミリービジネスには向かない。
偏差値50の人間で回せる商売が旗艦ビジネスにならねばならない。
弱いヤツ、バカなヤツも遺伝子を共有する仲間として抱え込める必要がある。
勤め先で協業の重要性を知った1週間だったが、
逆に、一族ビジネスならば、
エリートによる協業が必要な商売は回避しないといけないな。
と思った。
天才上司君は私に多能工化を要求し、
自分も多能工を自認している。
さらに一般兵卒にまでそれを強要して、
自分の要求水準に満たないと解雇しようとする。
これは家族経営ではできないし、それ以前に
時代に逆行していると思う。
氷河期世代で、厳しい時代を生き残ってきた自負があるのだろうが、
それを全員に求められると、組織はギスギスする。
同世代であるから、理解できないことはないのだが、
彼らの下で働き続けるのは辛すぎる。
そんなものにフルベットできん。
逃げ道(大家業、自分の商売)を作りながら、
目先の給与をいただき、イザとなったら作ってあった船(自分のビジネス)で
出航する。当面はそういう働き方だ。
既に船は完成しており、明日にでも大海原に漕ぎ出せるのだが、
まだ勤め先という港のマイドックに格納してある状態だ。
1年風邪もひかずにゆっくり働くことができたのだが、
今週はさすがに風邪を引きかけた。
昨日早く帰宅して休んだら、今回復したところである。
まあ、あれだ。
自画自賛みたいで恐縮だが、
勤め人と自分のビジネスという、2つの商売でバランスを取りながら、
どちらも高いレベルで作り、
一族としての資産基盤まで考えられる、
私のような人材は、私の一族でも100人に一人でるか出ないかだと思う。
自分がそれに選ばれたならば、「やるしかない」。
初代にならねば、いかん。
勤め人にフルベットしたら、社長程度にはなれるだろう。
しかし、それで実利を得るのはオーナー社長だけだ。
勤め人から慕われて、
一方で自分の家族は平民のまま、
仕事だけに人生をささげた人だったね。
という評価で人生を終えるだろう。
(私のオジAがそうだった)
俺はいやだな、それは。
一族としての資産家成り。そしてそれが永続するような一族の規範作り。
そっちに行く。
究極の二束のワラジ。
これを成し遂げて俺は死ぬ。
つづく
2025年12月20日(土)

