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ロスジェネの逆襲

半沢直樹の違和感

ロスジェネの逆襲を原作とした
半沢直樹の最終回も終わりました。(2020年9月28日)

原作から時間が経過しているので、
ロスジェネ世代のセントラル証券若手社員(森山)の賀来賢人さん。
ロスジェネ世代は今は40代なので、共感を呼びにくいキャスティング。

ロスジェネ世代はもっと疲れたオジサンになっております。
とはいえ、失われた30年は順調に失われた40年に向かって進撃しているのですから、
ロスジェネ世代以降も引き続きロスジェネ世代ということでよろしいかと思います。

私が言う違和感とは、
この若いイケメン俳優と自分を同一視できない違和感だけではありません。

ロスジェネ世代は仕事に命をかけちゃいない。

半沢直樹は銀行という組織に身を置きながら、
上司(支店長)に倍返し。
借金を踏み倒そうとする取引先に倍返し。
そして銀行役員に倍返し。
最後には政治家に倍返しをブチかましていくという、
ある意味日本人が大好きな「勧善懲悪」を基本としています。

実際にこんな社員がいないことも理解しつつ、
半沢に自分を重ね合わせて、日々の苦しみの留飲を下げているのが
日本人の大半でしょう。
実際、出勤前の日曜の夜に「半沢」を見て、スッキリ眠ることができるのかもしれません。

しかし、
私達ロスジェネ世代にとって、会社は「倒産するもの」という前提があります。
無論高学歴の勤め人が勤務する大企業は依然として安泰であるものの、
バブル後の誤った経済政策によって、半端な大企業でも破綻するのが日常となりました。

「勤め人として全身全霊で働く」と言うのは無理ゲーだと思っているのが大半でしょう。
私にもその発想はありません。
長銀も日債銀も破綻させられましたし、JALもSHARPもほぼ破綻。
日産も外資の傘下に入る時代を見せられて、懸命に勤め人で結果を出していくことは、
我々世代にとって、違和感を感じます。

確かに一部のエクストリームサラリーマンとやらは、
勤め先の仕事で結果は出していますが、
ホイホイ転職して稼げるだけ稼いでさっさと勤め人を辞めています。

1つの会社で忠誠心を持って65歳まで人生をかける生き方には
とてもじゃないが「共感できない」わけです。

私の勤め人生活

私は不良債権業界で社会人生活をスタートして、
上司は銀行を早期退職して不良債権業界に転職してきた
「パワハラおじさん」
でした。

意味不明に怒りを振り回してきます。
自分の親父並みに理不尽でした。
私が法的手続きで回収を進めていたところを勝手に債務者交渉に乗り出して、
中途半端な金額で回収してきて、私に怒る。
まあ詳しい経緯は書けませんが、無茶苦茶なのです。

結果的に彼は再度転職して転職先でカラ出張をして遊んでいたので、
クビになりましたが。

そんなクソ上司の下につけられたのに、
会社は私をエースとして育てるつもりだったそうで、
VIP待遇だったとのこと。
VIPな私は半年で転職しましたね。はい。

転職した先がオラオラ不動産会社でそこもさっさと見切りをつけて、
転職した先はホワイト企業でしたが、リーマンショックで破綻。

さらに一回破綻した長銀の子会社に転職したら、
給料が倍になりました。
私が「半沢的なキャラ」であれば、
最初の会社で成長しなければいけませんでしたが、
そこに居たら私の給与はおそらく今の1/3だったでしょうね。

半沢的な生き方は申し訳ありませんが、
昭和的エリートのキャリアの典型でしかありません。
あの生き方をするのは誰にとってメリットがあるのかと言えば、
資本家、経営者です。
あんな若手が辞めずに安月給で一生懸命働いてくれたら、
そりゃー老人は助かります。

働きに応じた給与を貰えれば勤め人は終わり。

アフターファイブの飲み会や、
付き合い、接待ゴルフなど、給料が発生しない付き合いは大嫌いです。

プライベートは家族や趣味に使うべきでしょう。
土曜日の電話など出る必要もありません。

ロスジェネ世代以下はそんな基本的な行動原理を持っているし、
それは望ましいと思います。
どうせ給料は年齢に連動されています。
高齢者が高い給与をもらうことは分かっている。
成果を出しても自分の給与は変わらない。
挙句の果てに将来自分が高齢になった時に、今の高齢者のような未来があるわけでもない。

そんな環境を作っておいて、
「会社のために働く?」
寝言は寝て言うものです。

我々の行動原則は「個人」と「自由」を前提に組み立てられるのである。

労働力を適正な価格で売り、自分のビジネスを持つ。

我々の行動原則は上記の通り。

自分の命にも等しい時間(労働力)を適正な価格、
より高い価格で売る。
その価格に応じた仕事をする。
以上。

そして将来を保証しない会社の代わりに自分のビジネスを立ち上げ、育て、
可能な限り速やかに労働力の販売という商売から自分のビジネスに移行する。
これしかない。

企業は90年、100年も生きる私達の生活を保障することは絶対にできない。
国家ですら諦めつつある。
しからば自分と家族を守るために、私達ができることはこれしかないのである。

正しいロスジェネの逆襲とは何か?
是非考えてみよう。

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