株も不動産も高いが、これはバブルなのか?
バブルという言葉の定義を明らかにしなければいけない。
バブルとは何かと言うと、
泡だ。
泡には表層しかなく、表層の中には空気しかない。
つまり実体(価値)が伴わず、価格だけが上がっている状態を指す。
私に言わせると、上場企業の9割が既にバブルなのだが、
バブルだからダメという訳ではない。
価値が伴わず、価格だけが膨らんでいても、
膨らみ続けることはある。
割れない限りは膨らむ。
割れた時に風船を所有していたら死ぬのだが、
割れる前に誰かに渡してしまえば、ノーダメージである。
私はこの手のゲームには参加しない。
仮に100%渡せるタイミングが分かったとしてもやらない。
そういう濡れ手に粟をやってしまうと、
健全な資本主義の精神が、死ぬ。
田舎から出てきた純粋な18歳の小娘が、
パパ活でカネをもらうことに慣れてしまうと、
純潔以上に大切なものを失う。
それが「健全なる資本主義の精神」なのだ。
さて、話がそれた。
結論から言うと、既にバブルである。
株は最近見ていないが、日経平均が4万5千円だと言うから、
バブルなのだと思う。
不動産も高い。
都心のワンルームは2%3%がザラだと言う。
この利回りだとキャッシュで買っても、
手残りはほぼ、ない。
それでも売れると言うことは、
買い手は他の何かを期待して買っているということになる。
つまり、キャピタルゲインである。
こうなると、家賃の上昇が追い付かなければ、
泡の中身、つまり価格に相応な価値が追い付かなければならないし、
それには時間がかかるのだ。
株にしても、ほとんどの銘柄はバブル状態にある。
(将来性とか言う「虚言」を根拠にしている)
不動産もほとんどの物件はバブル状態だ。
まあ、それでも、平成初期のバブルよりはマシである。
日本人も成長したのかもしれない。
山林でも、リゾート物件でも値上がりしたような現象にはなっていない。
株も個別にはまあ、納得感のある天井を意識しながら上下している。
これまでもそうだったが、バブルと言えばバブルだが、はじけていない。
個別には投資しても問題ない価格の銘柄、物件がある。
と言った状況だ。
誰も手が出ない価格になったときに起きること
35年ローンというのも長いと思うのだが、
ペアローンで40年という商品もあるらしいじゃないか?
この価格で物件を買ってしまったら、
この物件をその価格以上で買える人は、存在しなくなる。
「外国人の投機マネー」と言うのは、存在しない。
幽霊みたいなもんで、そんなものはいないのである。
いて欲しいと期待しているだけだ。
都心に通勤する勤め人の限界が
共働き、パワーカップル、高年収。
この層が買えなくなった時、バブルは天井を迎える。
いや、都心の区分は今天井に張り付いている。
これ以上上げることはできん。
実質賃金は下がり続けているのだから、
主要な買い手はこれ以上高値では買えない。
今、天井に張り付いた状態だ。
アメリカで次に起きたのは、
低所得者、移民に貸すというサブプライムローンである。
バブルの頃は、足りない分を不動産会社(大京)が貸すというのも横行した。
買える人間がいないのであれば、
買える人間を作ればいい。
と、本来借りられない人間に貸すという行為が横行する。
不動産屋にしても、銀行にしても、
売りたい、貸したいという圧力に抗しきれないのだ。
なぜか?
それもまた、資本主義の精神である。
資本は、それがあたかも意思を持つかのように拡大しようとする。
主人であるはずの人間を支配する。
カマキリに寄生するハリガネムシのようなものだ。
私自身もこの資本の「膨張の欲求」に支配されている。
資本を削って誰かに与え続けようとは思わない。
聖書に書いてあるかどうかは知らんが、本来、
過剰に持つ者は持たざるものに分け与えねばならないのに。
資本主義の精神はそれを許さない。
このサブプライム的な金融商品が出始めたら、
もう終わりの鐘が鳴っていると思った方がいい。
今のところあまり見かけない。
日本人は多少賢くなったのかもしれないが、
ペアローンの40年借金(住宅ローン)は風鈴くらいの音を鳴らし始めている。
壊した方が儲かる人々が、いる。
サブプライムローン崩壊の引き金を引いたのは誰か?
引き金を引いたわけではないが、
流れが変わるタイミングで、もうけた人がいる。
それは、サブプライムの破綻に賭けた資本主義の神々である。
彼らは野球で言ったら大谷翔平、政治家で言ったら田中角栄クラスの天才だ。
私達には想像できないような明晰な頭脳と、リスクを取る勇気を持っている。
具体的には、保険商品のように、サブプライムが破綻して値下がりする保険を、
莫大な手数料を払って買った人々である。
彼らがサブプライムの破綻に備えて買っていた保険。
これを投資銀行が買い始めて、雪崩を打って、
ベアスターンズとリーマンブラザーズが破綻していく。
保険を最初に買っていた投資の神々は莫大な利益を手にした。
そう、バブルが壊れた方が儲かる人がいるのだ。
全員が買えて、もう上がらずに天井に張り付いた状態になると、
それを壊して儲けようとするパワーが働く。
このパワーをはじき返すためには、
強靭な実体経済が必要だ。
つまり価格に価値がキャッチアップして、バブルではなく、
砲丸のように中身があるものにしなければならない。
しかし、その実態が、低所得者向けの不正融資であったり、
無理に貸し付けた資金であると、
あっという間に崩れる。
離婚率は3割を超えている。
実質的に破綻している婚姻生活を含めると5割は破綻する。
破綻した時に1つの家にローンを組んでいるのだが、
それをうまく清算できるのだろうか?
病気のリスクも踏まえると、彼らが中高年になったとき、
それが破綻しないとは言い切れない。
今は良い。
なぜならば、物件が値上がりしているから、
新しいパワーカップルが買ってくれて、
破綻せずにローンを返せているのだから。
しかしだ。
今後、その手は使えない。
なんとか20年返済すればローン残高は1/3になっているだろう。
今、かなり危ない状態のまま、推移していると私は見ている。
さらに若い人はどんどん減っている。
ハチの巣みたいな区分所有権が1億円を超えている状態は異様だ。
恐らく崩壊は先に株式市場からくる。
債券市場かもしれない。
不動産はその後だ。
まず紙の資産に直撃して、企業の業績悪化で、
給料が減り、その後、ローン破綻が連鎖して、不動産は崩壊していくだろう。
不動産が値上がりするのも、崩壊するのも、
その抵当権を設定している金融面から始まる。
靴磨きの少年、レジ打ちのおばさんが株の話をしていたら
終わりと言うのはよくある話。
プロはもうショートのポジションを取り終えているかもしれない。
本当に件名な不動産投資家は既に売り終えている。
潤沢なキャッシュを持って、崩壊の場面に立ち会えたら、
それはバフェットが言う、
「セックスしたくてウズウズしている時に、ハーレムに来たような状態」
となる。
まとめだ。
バブルとは価値を伴わない価格の上昇。
崩壊するのは、買える全員が買い終わり、買うべきでない人が買おうとしている時。
以上