4月はよく働いた（勤め人）
私の勤め人としての仕事は不良債権の回収だ。
この仕事だけを20年もやってきたので、
不良債権の買い取り、値付け、回収まで一通りできる。
融資の要諦は回収にあり。
という銀行マンがよく言う格言があるのだが、
銀行マンは回収をほとんどしない。
貸すことは一生懸命だし、
手数料を貰える投資信託の販売なども熱心だが、
回収は驚くほど知らない。
さて、そんなことはどうでもいいのだが、
4月はよく働いた。
勤め人人生で最大の回収をやったのも4月だ。
3億で買った不良債権が9億も回収できてしまうのだから、
この商売はやめられない。
そんな巨額の利益を出しながら、
投資家を集めての決算報告をしたり、
投資案件の査定をやったり、営業をしたりと大忙しだった。
4月28日の月末までフル稼働していたので、
GWの5月1日と2日は休みを取った。
ずっと風邪気味で、死にそうな咳をしながら働いた。
4月29日から5月2日まで自宅で休んでいたら、
やっと全快したので、こうしてブログを更新している次第である。
5月7日まで休みなので、
この機会を利用して後半戦の人生について考える時間にしたいと思う。
勤め人大家という人生を選んだ理由
勤め人＋大家業という人生を選んだと言うと語弊があるかもしれない。
この生き方は司法試験の受験失敗という人生のイベントがなければ
進み得なかった人生であった。
比較的順調な学生生活を送っていた私は優等生であり、
第一志望の大学には落ちたものの、
早稲田大学には合格した。
司法試験の合格者も多かったので、
順調にいけば私は弁護士になるという人生もあっただろう。
しかし、甲子園球児がプロ野球の壁にぶち当たるように、
私もお勉強というルートで壁にぶつかった。
為末大選手でさえも、400ｍハードルという競技を選んだ理由が、
100ｍという競技では自分は世界で戦えないという壁にぶつかったことが
理由だと聞いた。
どんな世界でも頂上を目指して歩みを進めれば、
いつかは壁にぶつかる。
世界に山は1000個くらいあるだろうが、
人口は50億人いるのだ。
頂上に立てるのは1,000人のみ。
どんな道を歩んでもどこかで何かの壁にぶつかるのである。
弁護士という世界でも当然あるだろうが、
私はその山の入り口で門前払いを食ったのだ。
弁護士をあきらめて、就職しようと思ったら、
いわゆる「いい会社」は新卒一括採用である。
30代で年収1,000万円をかせげる企業には入れない。
そこで、私は定年まで800万円の年収の会社に入り、
勤め人年収400万円を得つつ、貸家業で400万円を稼ぐ、
さらに知り合いの会社を手伝って200万円稼ぐ道を見出した。
これが私が勤め人大家という人生を選んだ理由である。
選んだと言うより、
大学の同級生たちと同じ稼ぎを得るにはどうしたらいいか考えたが、
これしか思いつかなかったのである。
セールスという世界（生保、投資用マンション）で
年収1,000万円を稼ぐこともやってみたが、
どうしても性格的に合わなかった。
結局、借金取りをしながら貸家を買うのが最も「しっくり」きたのである。
貸家との出会いも借金取りをしている時だ。
借金の担保である、ワンルームや住宅を処分していく中で、
「不動産投資家」という人種に出会った。
彼らから私はヒントを得たのである。
そして私は金持ちサラリーマンになった
さらに、正社員で働いているという条件で嫁を探し、
無事に結婚。
ダブルインカムで稼いで貸家を増やした。
子供によるキャッシュアウトもなんとか吸収しつつ、
勤め人としても転職によって、
勤め人だけでも大学の同級生たちの稼ぎに並ぶ水準まで増えた。
勤め人、大家業が完全な好循環に入り、
妻が実家の不動産を相続した。
私の家計は盤石なるキャッシュフローを手に入れたのである。
私が勤め人を辞めたとしても、
普通の大企業の勤め人並みの収入がある。
そもそも弁護士になりたかったのは金（カネ）を稼ぎたかったからだ。
名誉とか人からチヤホヤされたいというモチベーションもあるが、
風俗王だろうと政治家だろうと、
私はあまり気にしない。
欲しかったのはカネなのである。
ただ、カネが欲しいと言っても、
自分の自由な時間が確保できる程度で良い。
独身ならば月30万円。
家族がいれば一人につき＋10万円もあれば上等である。
40歳にして私は目的を達した。
これからどう生きるか？
さて、幼いころからの夢である、
カネに支配されない人生を実現したわけだが、
私は今迷っている。
次の目標がないのだ。
惰性で勤め人を続け、借金を減らし、
隙あらば貸家を増やそうとはしている。
しかし、これまでやってきたことを繰り返しているだけである。
ドラクエⅢでいうと、
ゾーマを倒した後で、さらにレベルを上げているようなものだ。
次の人生をどう生きるかを考えるべき時に差し掛かっていると思う。
ファイナルファンタジーを始めるか？
ストリートファイターを始めるのか？
私はどう生きたいのか？
これが問題なのだ。
起業しかない
残念ながら大家業にはそこまで強い情熱は見いだせない。
勤め人をやりながら稼げる方法は限られている。
家畜にできる動物が全動物のうち1％程度だと言うのと似ている。
勤め人ができる副業は、株と不動産というのが常識だった。
最近はネット（アフィリエイト等）もある。
だから不動産をやっていたに過ぎない。
仮にラーメン屋が副業に向いているならラーメン屋をやっていたし、
デリバリーヘルスの経営が向いているのならばそうしていただろう。
しかし、
ゼロベースで自分がやってみたいことは違う。
いや、
ひょっとして、幼い頃から弁護士を目指した時から、
私は何かやりたいことなんて１つもなかったのかもしれない。
カネさえ不自由ない生活ができればそれで満足だったのだ。
私がやりたいことは何か？
カネという要素を抜きにして私がやりたいことは何なのだろうか？
とにかく、勤め人がやりたいことではないのは間違いない。
世の中の勤め人の99％は、10億円渡したら、
さっさと勤め人を辞めて、株でも買って配当生活を始めると思う。
私もそうだ。
先ずは「起業」だ。
既に法人は持っているので、妻と私の法人を合併しても良いし、
それぞれ別でもよい。
とにかく私は起業して経営者になりたいと思う。
いまさらスポーツ選手でもないし、
囲碁や将棋、芸能の世界に進みたいとも思わない。
経営者として、自分の思うように商売をやってみたい。
まずはそこである。
そして何をするか？
これが大いに問題である。
勤め人生活20年を活かした商売をしたい。
私が大家業を始めたのは、
担保処分を通じて不動産投資の世界を知ったことにある。
やはりせっかく20年も同じ業界で同じ仕事をしてきたので、
それに関連した商売をやりたいと思う。
ただ、借金取りの専門会社というのは設立には5億円かかるし、
すでにある会社を買うにしても億単位のカネがいる。
これはやめておく。
となると、街金を始めるか？
ということになる。
当然街金というか、ファイナンスも仕事の1つにはなると思うが、
折角中小企業の経営改善をやってきたのだから、
コンサルティングも仕事にしたいと思う。
なんの資格もないので、
積極的に営業するつもりはないが、
自分が気に入った中小企業の経営改善とファイナンスをやるというのは良い。
家賃収入があるので、無理をして稼ぐ必要もないので、
良心的な価格でやろうと思う。
フリーランスの経営コンサルタントである。
怪しさ100％だが、最初はこれでいいだろう。
ここからどう発展していくかは、
あまり決めない。
1件1件案件をやっていく中でいろいろな展開が勝手に起きると思うのである。
補助金の申請やら、
ちょっとお得な節税策の助言から、
借金取りならではの裏技を提供したいと思う。
ただ、漫然と勤め人を辞めて、起業したとしても、
先が知れている。
しばらくは勤め人と並走させたい。
金融ブローカーのような、
不動産屋のような、
経営コンサルのような、
非常に怪しい企業だ。
収益の源泉は「貸家業」。
後半戦の人生、ちょっと楽しくなってきた。
つづく