サイトアイコン サラリーマンと不動産投資

理想的な労働者

生活費を労働力にどの程度依存しているか?

サラリーマンには2種類いる。

生活が給与に依存しているか?
それとも
生活が給与に依存していないか?

この2種類だ。

生活費依存度が0%から100%まで、段階がある。
ゼロか100かではなく、
生活費が給料にどの程度依存しているかによって差がある。

生活費50万円、給料50万円であれば、
依存度は100%だ。
マイナスになることもあるが、
そういう借金体質な人は早晩破綻する。

生活費が50万円、給料が30万円の場合、一見生活できないようにも見えるが、
この人に不動産家賃収入が50万円あった場合はどうか?
給与がゼロでも生活できる。
これは給与依存度ゼロであり、これは勤め人卒業のステージだ。

一方で給料ではなくても、スモールビジネスのオーナーとして、
必死のパッチで働いていたら、それは給与依存と同じことだ。
給与ではなく、労働力依存と言い換えた方が良いだろう。

株式配当が年間1,000万円あり、
生活費が500万円であれば、
生活費の労働依存度はゼロとなる。

労働力に100%依存しなくても生きられるようになることが、
「勤め人卒業」である。
労働力に頼った生活費の稼ぎ方をしているのであれば、
それは「脱サラ」だ。
脱サラして自営業者になったところで、労働力依存の状態は変わりないから、
結局苦しいままだ。

生活費を労働力に依存する割合をゼロにすること。
資産からのインカムゲインだけで生活費を100%にすること。
これが資本主義ゲームの第一ステージクリアであると言えよう。

理想的労働者とは

8時間の労働で100の製品を製造する労働者がいるとしよう。
100の製品のうち、労働者の給与は30だとする。製品の原価が30、さらに家賃や固定費等が30、最後に資本家の利益が10だとしよう。

労働者が12時間(1.5倍)の労働をすると、150の製品が作られる。
減価も45に増えるが、固定費当は30のまま、労働者の給与は45になる。
150₋45₋30₋45=30。

労働者が2倍働いたら、資本家の利益が3倍に増加した。
さらに労働者の残業代をカットしたらどうだ?
150₋30‐30₋45=45。

なんと資本家は4.5倍の利益を得る。
ブラック企業が、サービス残業を強いるのはこういうわけだ。
労働者が余分に労働した収益は全て資本家のポケットに入れられる。

要するに勤勉な労働者こそが、理想的な労働者なのだ。
毎日休まない、定時に来て、サービス残業を毎日行う。
こんな労働者である。

しかし、これだけであれば、とても勤勉ないい人で終わってしまう。
非常に良質な労働者になるためには欠かすべからざる
とても重要な要素がある。

良質な労働者、「適度に浪費家」であること

良質な労働者であるために、「資本家の側に行かないこと」
これが重要だ。

無遅刻、無欠勤、サービス残業をいとわない私が、
良質な労働者になれない理由が「適度に浪費家」になれないからであることは言を待たない。

つまりどういうことか?
勤勉な労働者が、現預金を蓄積し、資産を購入してしまったら、
まずいことになる。
労働者が、労働力を売らずに、生活できてしまうのである。

貸家を1つ、買ってしまうと、家賃収入が産まれる。
これは資本家側の収入、つまり、非労働収入なのである。
これを手に入れてしまうと勤め人は、労働力を一生懸命に売らなくなってしまう。
禁断の果実を食ってしまった労働者は、
二度と普通の労働者には戻れないのである。

資本家にとってベストな労働者は、
必死で労働して、散財する労働者である。
新築のマイホームを買って、定年までの住宅ローンを組む。
子供を作って、教育費をつぎ込む。
新車を買って、4,5年おきに買い替える。

貯金は常に低位安定。
消費者ローンを借りるまではいかないものの、
厳しい時にはカードのリボ払いで繋いで、ボーナスで清算する。
こんなタイプが最高に労働者としては使いやすい。

給料がストップしたら、死んでしまうから、
経営者の指示には逆らわない。
常にYESである。
ある意味奴隷なのだが、
この奴隷(労働者)は自らの意思で住宅、
子供、自家用車を買って、給与で支払っている。
自発的奴隷なのだ。

奴隷制度は廃止されたが、
消滅したのではない。
奴隷制度は洗練されたのである。

いいスーツ、いい時計、いい鞄

身をキレイに飾り立てる勤め人も、素晴らしい労働者である。
消耗品に多額のカネを突っ込むのだから、
いくら給料をもらっても、消えてしまう。
インセンティブ報酬でも付けたら、鼻の先にニンジンをぶら下げられた馬の如くよく働く。

インセンティブ報酬の何倍かの利益は資本家に転がり込むシステムである。
資本家はさらに似たような労働者を採用して働かせる。

Xに多数生息している不動産会社のオーナー。
これはまさにそれだ。
不動産コンサルタント、1年目から給料2,000万円ってヤツだ。
恐らくそこまでの給料を得るためには、
そのひとは利益を5,000万円は出さないといけないだろう。

1年目でそこまで稼げるなら、
さっさと起業した方が良い。
起業しないまでも、
年収500万円くらいの不動産会社でホワイト労働をしつつ、
独立の準備をした方が良い。

しかし、残念なことに。

資本主義のルールを知らない営業ゴリラは、
資本主義のルールをよく知る資本家ゴリラに使われるしかない。
残念なことだ。

資本家になった労働者ほど使いにくいものはない

わしのことやがな。

私は今既に、生活費の給与依存度がゼロになっている。
これは使いにくい。

「クビにしたければどうぞ」
「有給休暇は全部使いますね(ニッコリ)」
「定時で帰ります」
「すみません、体調不良で休みます」
「早退します」
「最悪の場合適応障害で診断書を持ってきたので休職させてください」
「育児休暇は労働者の権利ですから」

社会主義の影響が色濃く残っている日本では、
この技が大いに効く。
勤め人の管理職にとって、このカードは、
見えない確度からのパンチなのだ。
自分には理解できないことをやってくる部下。

え?なんで?そんなことできないでしょ?
というカードを切ってくる。

さっさと辞めさせたいが、
知識がある労働者だとそうもいかない。

とはいえである。

世の中にはたくさんの労働者がいて、
その中には多数の、生活費労働依存度ゼロの労働者が、いる。
かなりの数いる。
その労働者は、控えめで、出世もしない、窓際である。
一部は労働者として適度の出世をする。
労働収入に依存しないからこそ、逆に経営者に気に入られたりする。
自分の立場に固執しないからこそ、冷静な判断ができる。
その結果、逆に出世してしまうのである。
そんな事例も数多く見ている。

をはり


モバイルバージョンを終了