ふんどし王子とポールさんの話を聞いた
たしか聖丁の白熱教室だったと思う。
ふんどし王子が、まだ大家ワナビーだったポールさんへしたアドバイスが心に残っている。
当時ポールさんは、少年少女の福祉施設(正式名称は知らんけど)で薄給労働をしており、
カネが足りないので、バイトを掛け持ちして、血尿が出るまで働いて、
アメ車やら高給なシューズを買っていたと言う。
ふんどし王子が、ポールさんに、
「あなたは努力する力があるが、努力の方向性が間違っている。先に不動産を買うんだ。そのエネルギーを貸家を買う方向に向けたら間違いなく成功する。」
そんなことを言ったらしい。
島田紳助も、芸人で努力しているが、芸人としてナカナカ芽が出ない後輩に、
似たようなことを言っていたとか。
その後輩芸人は飲食店等をやって成功したとか。
そういうことなのだ。
成功するためには、
➀ 正しい方向に向かうこと。
② 絶大なる努力をすること。
この2つを欠いてはならんという話だ。
ただ、正しい方向を向いたとしても、努力しなければ成功はしないわけだが。
現在大阪にいるとして、ディズニーランドへ行け!
と、言われたとする。
その瞬間に上海ディズニーに向かってダッシュしたら、長崎辺りまでいって立往生するだろう。
まず、目的地を明確に定義しなければならん。
東京ディズニーランドが目的地なのだと、まずは確定させねばならん。
次に、向かうべき方向を明確にする。
向かうべき方角は東である。
ここで全速力で駆け出してもいけない。
新大阪へ行って、東京行きの新幹線に乗るのだ。
徒歩でも確かにディズニーランドには着くだろうが、時間がかかる。
カネがないなら、3日バイトして日雇いの給料をもらってからでも、
徒歩よりは早い。
新大阪から、東京まで新幹線で移動し、東京から舞浜へJRで向かうのだ。
これが一番早い。
かようにして、正しい方向を向いて、適切な努力をするというのが大事だ。
大家業という正しい方向を向く
外車を乗り回して、カッコイイシューズを買う目的に対して、
バイト掛け持ちして買うというのは愚策である。
買ったら終わり、次の外車には乗り換えられなし、
新しいシューズを買うには再び労働する必要がある。
しかし、
まず貸家を買っておけば、その家賃収入で、定期的に外車を乗り換えられる。
安定的なキャッシュフローが産まれる。
貸家業の利益に、外車の減価償却費をぶつければ節税にもなる。
まずは、目的に対して、大家業という方向を定めるのが大事だ。
次に大家業としてどの手段で目的地まで向かうか?
という話になる。
東京方面に向かうためには、➀飛行機 ②自動車 ③徒歩 ④新幹線
様々な手段があるように、大家業にもいろいろある。
築古戸建投資、新築アパート投資、中古RC物件などだ。
③の徒歩に当たるのが、新築ワンルーム投資だろう。
遅い。というかディズニーランドまで10年かかるかもしれん。
間違った方法ということだ。
とは言え、方向は合っているから、いずれはディズニーランドに着くだろう。
しかし、大阪から南や西へ向かってしまったら、もうダメだ。
何はともあれ、正しい方向を向くべきなのである。
ブラックパワハラ企業で勤め人をすると言うのは、まさに、西へ向かって走り出す行為である。
ホワイト企業で労働力を温存する方向に、まず向きなおらなければならない。
私も、大学の同級生たちのように30歳で年収1000万円になりたいと憧れて、
投資用不動産販売の営業マンになってしまったことがある。
まさに逆の方向を向いてしまった例である。
半年でその間違いに気づいたというか、ついていけなくて転職したのだが、
これは動機(ブラック企業から逃げたいという動機)においては正しくないが、
結果的に勤め人として正しいキャリアと、適正な労働時間を得ることができた。
勤め人として外資系金融の下請けみたいな仕事をしていて、
外資系金融にも憧れていたのだが、
そこに転職するという選択はしなかった。
いやできなかった。
ブラック企業から逃げてきた俺が通用するはずがないと諦めていたのである。
しかし、その逃げ、諦めの姿勢も結果的には正しかった。
外資系金融で1,500万円程度もらえたとしても、激務である。
深夜まで労働して、ストレス発散でキャバクラに行く。そのままシャワーを浴びて出勤する。そんな生活をしていた人が取引先だったのだ。
私が外資系金融に入れても結果、ボロボロになっていただろう。
さらに高給にはしゃいで、散財することにもなっていただろう。
私は偶然と消極姿勢、保守的行動によって、
たまたま正しい方向を向くことが出来ただけだ。
確かに年収は400万に満たなかったが、友人と起業して+200万、妻と結婚して+400万の世帯年収1,000万に引き上げつつ、質素なダブルワーク生活を始めた。
結果的に、その勤務先は数年でリーマンショックにより倒産したのだが、
それまでに3件の中古ワンルームマンションが買えたのだ。
向いた方向がたまたま正しかったし、
努力のしかたはヘタクソだった…。
先述の例で言うと、自転車でディズニーランドに向かったようなものだったが、
方向は合っていたから、順調にディズニーランドとの距離を詰めることができたのだ。
圧倒的な努力量で拡大したポール氏
(しかし、真似するべきかは慎重に判断する)
ポールさんは、飛行機でディズニーに向かった。
私は自転車で走り出した。
彼は30代半ばで大家業で勤め人を卒業できた。
一方の私は、やっと給与を家賃が上回ってきたところで、45歳を過ぎてしまった。
もはや恐らく、いや100%、私は彼の資産規模には一生かかっても追い付けない。
行動力によって破壊的なスピードを得ることができるのだが、
私は中途半端に勤め人としてのキャリアアップも並行して進めてきたので、とにかく遅い。
しかし、ここで大事なのだが、
人は人、我は我ということである。
飛行機は確かに早いのだが、飛行機に乗ると体調が悪くなる人には厳しいフライトになる。
私は血尿が出るほど労働することはできない。
徹夜したらパフォーマンスは5%まで落ちる。
ブラック投資用不動産販売会社も半年で逃げ出す程度の根性しかないのである。
中途半端ではあるものの、学歴も捨てがたいと思う性格だし、
債権回収というストレスが低い仕事もソコソコ気に入っていた。
圧倒的速度で一気に拡大するのは確かに素晴らしいことだが、
誰もがそれをやるべきかと言うと、そうではないと思う。
努力できるというのも、才能である。
天才と張り合っても仕方がない。
大谷翔平にライバル心を燃やしても仕方がないのだ。
正しい方向を向くことができたら、まず8割成功したと思って良い。
勤め人が全員、大家業を並走させるという、
正しい方向を向いてしまったら、
私は間違いなく淘汰される。大家として淘汰されるに違いない。
私よりも能力の高い人が、勤め人一本足打法で、
その才能と成果を会社に吸い取られて、
大企業は信じがたいような利益を毎年計上している。
まずは正しい方向(勤め人+大家)を向いたらヨシとしよう。
あとはチャリンコでもいいから、
自分がストレスの少ない手段で、目的地であるディズニーランド、
つまり資本家というゴールに向けて確実に進んでいくのである。
向いていない過剰労働で突き進んで、
過労で40代で心臓発作で死んだら意味がないだろう。
低ストレスで、楽しみながら生きて、
60歳で資本家として完成し、あと30年で孫まで築いた資産を承継させて、
ひ孫がハイハイしている姿を縁側(えんがわ)で見ながら、
眠るように100歳で死んだならば、それは大成功だ。
正しい方向を定める、次にゆっくりストレスを適量にしながら、進んでいくのだ。
最期に私が尊敬する最強の戦国武将、徳川家康公の遺訓を貼って、筆を置く。
をはり